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三十汁+α

いよいよ三十路のアタクシを、節度を保ちつつ、垂れ流していこうかな。
とか言ってるうちに、もう@年。

世界の終わり、あるいは始まり <歌野 晶午>

2012-02-18 10:28:37 | 

 えぇぇぇぇぇ、そりゃないよ!!!

 というのが感想ですな。

 

 以上。

 

 

 というのもアレなんでね。

 

 

 

 以下、超ネタバレあり!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうかー、そういう作りかー。

 ってコトですよ。

 

 結局最後まで真相分からんままっていう。

 そりゃないですぜ。

 

 小学校6年生が、小学校低学年の連続誘拐殺人事件にどう関わってるのか。

 部屋から被害者の親たちの名刺と、凶器と思しき拳銃、1件目の事件で使われたぽい夜光塗料、等々が見つかってはいるんだけど。

 主犯なのか。

 ホントに彼が4人の小さな子どもを殺したのか。

 気になるじゃん。

 知りたいじゃん。

 

 でも最後まで父ちゃんの想像だけで終わるんだよねぇ。

 

 作りが上手いから 『今度こそ真実か』 と何度も思わされ。

 さすがにディズニーランドのくだりはおかしかったけど。

 

 6年生が犯した(かもしれない)凶悪犯罪っていうテーマにそそられただけに、読後の 『そらないわー』 感は大きかった。

 何度も叫んじゃった(笑)

 

 何も分かってないし解決もしてないので、読後の爽快感はないんですが。

 消化不良感もあるんですが。

 読んでる間は楽しかった。

 特にしょっぱなの想像は緊張感たっぷりで、ぐいぐい読まされます。

 

 こういうのもあるんだなー、って感じでした。

 くそぅ、なんか悔しいぜぃ。 

 

 

 

 

 

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)
歌野 晶午
角川書店

草間彌生―永遠の永遠の永遠―

2012-02-16 17:36:13 | イベント

 草間彌生―永遠の永遠の永遠― 展に行ってきました。

 いやぁ~、圧倒的。

 

 なんだか草間さんには世界があのように見えているんだろうな、と思われました。

 したらやっぱそうなんだってねぇ。

 子供の時から幻覚を見てるそうな。

 それを芸術に変換するエネルギー。

 多分生きていくために芸術が必要だったんでしょうな。

 『描かざるを得ない人』 だよ。

 そのエネルギーを感じるわけですよ、鑑賞者は。

 

 私は特に草間さんの作品を、可愛いとかすごく好きと感じているわけではないし。

 どっちかってぇと見る度に 『変な絵だなぁ』 と思うし。

 人の横顔の繰り返しのモチーフなんかはもう 『こりゃキ●ガイだー』 とか思うし。

 でもだからと言って、嫌な気持ちにはならないのです。

 むしろなんだろなー、うーん・・・楽しい、かな。

 そう、楽しい気持ちになるのです。

 

 不思議な作品、不思議な人です。

 

 行ってよかった。

 3時間超くらいかけて、じっくり堪能しました。

 最後の方は空腹に負けましたが・・・


草原からの使者―沙高樓綺譚 <浅田 次郎>

2012-02-15 11:16:03 | 

 沙高樓綺譚その2、でございます。

 ラグジュアリーで濃密で怪しい世界ですよ。ふふ

 その世界を堪能すべし、なのですよ。

 

 選ばれた語り部が語る、一夜限りの打ち明け話。

 語る人間は嘘や誇張を禁封じ真実のみを語る事、聞く人間はそれを決して外に漏らさぬ事。

 

 主人の語り口調がヨイですよね。

 女装の主人なんですが。

 お決まりの文句が、とてもヨイのですよ。

 あれでまず沙高樓の人間(そして読者も)は、ぐっと心を掴まれるよねぇ。

 そしてめくるめく、お話の世界へ。

 

 部屋も暗いし、これって百物語だよねぇ。

 まぁ語られる話は何も恐ろしいものばかりではなく、不思議な話、温かい話、ファンタジックな話と色々だけど。

 でもその場で聞いてたら、もう眩暈を覚えそうですな。

 うーん、一度呼ばれてみたいぞ、沙高樓。

 

 さて表題の 『草原からの使者』 は、なんとも不思議な話でしたな。

 ものすごい運命の話のはずなんだけど、不思議と爽やかだし。

 ハイセイコーの連勝が止まったのって、ホントにあの通りだったのかな。

 

 個人的には 『終身名誉会長』 はオモロかった。

 すごいねー、あんな大掛かりな仕掛け、ハメられてみたい。

 

 『宰相の器』 は何が何だかよく分からんかった。。。

 結局運命はどうで、どっちがどう抗ってたのやら。

 

 『星條旗よ永遠なれ』 ・・・・・・へぇ、そういう都市伝説(?)があるんだ。

 男の人は知ってるのかな。

 ぶっちゃけて言えば、退役軍人の猥談と下ネタジョークって感じなんだけど、まぁさすが浅田さん。

 品を失いませぬな。

 女性なら眉をひそめそうなテーマなのに、むしろ微笑ましい。

 私だけ?!

 中身がおっさんなのか?!

 いやいやいやいや、微笑ましい話のはず。

 

 

 と、これで全部かな。

 優雅な時間でしたよ。

 

 

 

 

 

 

草原からの使者―沙高樓綺譚 (徳間文庫)
浅田 次郎
徳間書店

St.ヴァレンタイン

2012-02-14 09:35:57 | 日記

 まーバレンタインなんて何のトキメキもなく、私にとっては面倒なだけのイベントと化して数年になるわけですが。

 今年はなんと友チョコなるものを2個ももらった。

 モテキか?!(違う)

 

 なるほどこのように楽しむ方法もあるわけですな。

 

 世間のウキウキに背を向けていないで、楽しめばヨイという事ですかな。

 ・・・ホワイトデー、忘れないようにせねば。


水の柩 <道尾 秀介>

2012-02-11 09:29:08 | 

 会社の人が貸してくれました、ハードカバー。

 やはりハードカバーはヨイです。

 ジャケのタイトルはホログラム?みたいな、光る系の素材になっております。

 そしてダムに沈んだ村を表現しているのでしょう。

 あぶくがある青い水の中に村の写真。

 ぐるりを取り囲むのは村のシルエット。

 そして中扉には少女のシルエット。

 んー、そそるそそる!(変態か)

 

 

 さて 『向日葵の咲かない夏』 以来の道尾さんでございます。

 やはり読みやすい。

 勝手に、もっとホラーミステリっぽい、怖い話と思ってたんですが全然怖くなかった。

 

 全体的に暗いトーンですが、救いのある話だったと思います。

 

 

 

 

 以下、超ネタバレあり!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやぁ~騙された。

 ずーっと、敦子は死んでるものと思って読んでた。

 やられたー。

 あれは見抜けないよねぇ。

 

 タネが分かって振り返ってみると、現在の様子を描いたバスのシーンがまた違ったものに。

 15の冬を迎える事のなかった少女の写真ってのは、たづちゃんの事で。

 逸夫に話しかけてるばあちゃんはもうボケてて、逸夫本人に話しかけているのではなく。

 ふうちゃんの反対側にはちゃんと敦子も居て。

 平和で楽しそうな小旅行。

 でも敦子や逸夫、ボケちゃってるけどばあちゃんは、一体どんな思いを抱いていたんだろう。

 

 敦子死ななくて良かった、本当に。

 逸夫よくぞ間に合った!偉い!!

 そして3体の等身大人形をダムに沈めるという儀式。(あれはもう儀式だよね)

 よくぞ思いついた!

 逸夫君はホンマに優しいコやなぁ~。

 

 でもお父ちゃんには誤解されちゃったね。

 でも逸夫もお父ちゃんの事、誤解してたよね。

 この親子はまぁそのうち自然に、関係が修復されていくんでしょう。

 なんか安心感あるし。

 

 

 

 それにしてもイジメてる方ってのは、なんて鈍感なんだろう。

 可愛くて人気があっても、なんて不幸で貧しくて可愛そうな人たち。

 そんな自分の貧しさを感じたくなくて、暴力のもたらす恍惚感に身をゆだねるんだろうか。

 

 

 

 自分を傷つけるっていう方法ではあったけど、立ち向かう勇気を持った敦子、本当に良かった。

 ずーっと水の中に沈んでるようなトーンだったけど、最後の最後、ちょっとだけ敦子明るくなった気がする。

 お母さんもちゃんと怒ってくれてよかった。

 

 逸夫も敦子も多分おばあちゃんも。

 湖に葬ったもう一人の自分を結局忘れる事はなく、死者に対して抱く思い出の様に、抱えて生きていくんだろうな。

 でもそうやって一度決別し距離を置ける事で、また生きていくって事なのかな。

 

 

 

 ところでものすごーくどうでもイイけど。

 

 多々朗ちゃんがソースをこぼして胸の前が真っ黒になってたシーン。

 すわ事件か!

 ここからミステリ展開か?!

 と思ったワタシはおバカさんです。。。。

 

 

 

水の柩
道尾 秀介
講談社

大人力

2012-02-09 16:22:07 | 仕事

 ぶえー、しんどい時ほどやっかいな事が起きるなぁ。オェ

 

 と思ったけど。

 

 しんどくない時は、厄介な事が起こってもあんまりやっかいだと思わずに、まっすぐ立ち向かえるってだけの話なのかもしれない、と思ったりした。

 ただ、しんどいとかしんどくないとか、こっちの事情にお構いなしに厄介事ってのは起こるのだから。

 疲れてても忙しくても、変わらずちゃんと向かい合える力が欲しい。

 おぉ、それがもしや大人力ってやつか。

 

 ・・・・・・いつになったら手に入るんだよ、大人力。

 もうワタクシ、だいぶ結構な大人のはずなんですけど・・・・・・トホ

 

 さぁぁーもう少し、頑張りまっしょい!!!


小説世界と現実世界

2012-02-08 15:23:18 | 日記

 通勤中に沖縄が舞台の小説を、ガッツリ集中して読んでて。

 ちょうど台風のシーンで最寄り駅に到着。

 外に出ると、雪がちらついてて。

 その事に一瞬、非常な違和感を覚えました。

 

 何故今は夏じゃないのか。

 何故ココは冬で、雪まで降っているのか。

 何故台風じゃないのか。

 

 うーむ、完全にトリップしてたんだなぁ。

 幸せ。

 

 惜しむらくは、もうちょっと区切りのイイとこまで読みたかった。

 


花粉症で良かった

2012-02-07 13:13:01 | 仕事

 昨日仕事でミスした。

 そら人間だから誰しも永遠にノーミスというわけにはいかないんだろうけど。

 大体ミスする時って、自分が自分の事でいっぱいいっぱいになってる時が多いから、そのミスを素直に受け入れられない自分もいたりして。

 

 『こんなに頑張ってるのに』 って、絶対思いたくない気持ちなのに、そういうのも出てくるし。

 『こんなに忙しいんだから、間違えたって仕方ないじゃん』 ていう気持ちがあったり。

 

 もちろんそんな事、人には言わないけど。

 でもそう思ってる事を自分が一番よく知ってるわけで。

 

 となるともぅ、マイナス感情のスパイラル一直線(は、スパイラスは『渦巻き』だから『一直線』は変か…ってどーでもえーがな)ですよ。

 仕事ミスっただけなのに、なんだか自分の人間性までダメな気分に。

 するともう、なんだか泣けてくるのですよ。

 情けないやら情けないやらで。(情けないばっかりやんけ)

 

 花粉症で良かった。

 もとも鼻声だし目もうるんでるし、大きなマスクしてるから表情もよく分からんし。

 そうじゃなかったら、泣きかけてるのバレバレだったよ。

 初めて花粉症に感謝したよ。

 

 でも泣いてても凹んでても締め切りは待ってくれないんだから。

 マイナス感情のスパイラルをぐるぐるしながら、なんとか前へ進みましょう。

 そしてそのうち渦巻きの遠心力で、ポーンとプラスへ飛び出してみせましょう。おぅ


長生き競争!<黒野 伸一>

2012-02-05 10:43:48 | 

 すげーよ、殺人事件でもないのに、バタバタ人が死んでいくよ。

 何でそんなに死ぬかっつーと、年寄りだからなんですな。

 小学校からの幼馴染で現在76歳の6人(+エリ)で誰が長生きするか、自分たちの命をかけるっつーとんでもない話ですよ。

 とんでもないんだけど、なんか明るいのです。

 自分たちで 『老人版バトロワ』 とか言っちゃったりして。

 ってそれは多分この時点では彼らも、自分たちが死ぬ事ってを実感してなかったからだろうなぁ。

 

 いずれにせよ、ミステリーでもないのに人がバンバン死ぬ、老人度の高い斬新な話って感じでしょうか(笑)

 こんな老人たち(と若者たち)が、どこかに居たってイイじゃない!

 

 

 以下、ネタバレあり!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 老人たちが死んでいく話なんだから、もっと暗くてじめ~っとしててもおかしくないのに、このお話はカラリとしておりますな。

 葛藤やら悲しみやら色々あるにはあるんですが。

 若者たちとの交流がイイのかな、やっぱ。

 みんなそんなちゃんとしてない若者ばっかりだけど、ちゃんと交流できてるっていうか。

 そういうのが楽しい。

 

 さすがにエリちゃんが死んだ時は悲しかったなぁー。

 彼女だけだもんね、若くて死ぬの。

 でも多分こういう悲惨な話、現実にもあるんだ。

 エリはまだ白石さんに看取ってもらえたからイイけどさ。

 AIDSの最期って、あんな壮絶なんすか。

 苦しみで暴れて間接外れるって・・・

 それをはめるって・・・

 

 白石氏が最後じゃなかったんだねぇ。

 やっぱ女性の方が長生きなのねん。

 でも最後まで残っちゃうのはきっと寂しいから、最後じゃなくて良かったんだよ。

 ちゃんと芝桜の国にも行けたみたいだし。

 

 心温まるというのとはちょっと違う、なんと言ってイイかよく分からんけど、イイ話でした。

 

 

 

 

 

長生き競争!

小学館


封じられた街 上・下 <沢村 鐵>

2012-02-05 09:20:18 | 

 これって児童向けだったの?

 どうりで分厚い割に早く読めると思った。。。

 ま、いっか。

 オモロイもんはオモロイ!

 

 てなわけで30代でも楽しめる、ダークファンタジーです。

 主人公の小中学生達が、得体のしれない 『何か』 と立ち向かう姿は、読んでるうちにどんどん応援したくなります。

 これ同世代の子供たちが読んだら、応援じゃなくてすんごいドキドキするんだろうなぁ。

 うらやましい。

 

 さすがにあんまり恐怖は感じなかったなぁ。

 あ、でも 『上』 の中扉(って言うのか?)の絵が、1部と2部で同じに見えて実は影が近づいてるって気付いた時は、ちょっとぞっとしましたな。ひひ

 

 

 以下、ネタバレあり!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 やはりホラーというのは、正体が分からないのが一番怖いんですかな。

 もののべ様が礼美って分かってからは、もうあんまり怖くなくなったよ。

 たそがれの国での対決も、ゴンちゃんの活躍の所為か、むしろのんびりというか微笑ましかった。

 

 結局礼美は恐ろしい怨霊なんかじゃなくて、寂しいただの女の子だったんだね。

 そのマイナスの心を、たそがれの国のあのニョロニョロしたやつに捕まって、増幅されて、利用されてたのかな。

 ということは、子供たちは彼女をやっつけたというより、解放してあげたって事だよね

 だから彼女も最後に 『ありがとう』 って言ったんだと思うし。

 

 それよりも現実の世界での子供たちの方が、ずっと大変だったよねぇ。

 超常的な事は信じてくれない大人を相手に、自分たちだけで立ち向かわなくてはいけないんだから。

 子供ってただ守られているだけの立場のようでいて、実は何かと本気で対決しようとすると、結構不利な立場にあるのね。

 

 まぁそんな中でも彼らはまだラッキーつうか。

 ハジメの父ちゃんがイカしてたもんなー。

 フツーあの場面で 『よし分かった』 って、認められないと思うよ。

 秀平のお母ちゃんとかイラつくけど、あっちの反応のがフツーだろうなぁ。

 とにかく秀平君が生きててくれて、ホントに良かったっす。ほっ

 

 おふみちゃんも、しっかりしすぎてるけどなんか可愛くて良かった。

 

 

 

 ところで、ヨ。

 あのあとがき、イカすじゃないか。このこのぅ~ うししし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

封じられた街<上> (ポプラ文庫ピュアフル)
沢村 鐵
ポプラ社
封じられた街<下> (ポプラ文庫ピュアフル)
沢村 鐵
ポプラ社