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2人死刑執行 安倍政権で8人に

2013-12-17 | 死刑問題
平成20年と平成12年に大阪で金を奪う目的で会社員の男性と中国人留学生の女性を殺害し、強盗殺人などの罪で死刑が確定した死刑囚ら、2人の死刑囚の死刑が、12日午前執行されました。
安倍政権で死刑が執行されたのは4回目で、合わせて8人となりました。

死刑が執行されたのは、▽平成20年に大阪で金を奪う目的で当時30歳の会社員の男性を殺害したほか、平成12年に大阪で当時24歳の中国人留学生の女性のバッグを奪ったうえ刃物で殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した加賀山領治死刑囚(63)と、▽昭和61年に山梨県で別れた妻の伯母を水風呂に沈めて殺したうえ、5日後には新潟市で別れた妻と交際があった当時26歳の男性を水風呂に沈めて殺したとして、殺人などの罪で死刑が確定した藤島光雄死刑囚(55)の2人です。
死刑が執行されたのはことし9月以来で、安倍政権では4回目で合わせて8人となりました。
また、今回の死刑執行で、刑が執行されていない死刑囚は129人となりました。
谷垣法務大臣は、記者会見をして「いずれの事件も身勝手な理由から尊い人命を奪った極めて残忍な事案であり、被害者や遺族にとって無念この上ない事件だと思う。裁判所において十分な審理を経たうえで確定したものであり、慎重に検討を加えたうえで執行を命じた。死刑について批判はあるが、日本では法定されているし、国民の支持もあると思うので、現状で死刑を維持していくことに変化を迫る情勢はない」と述べました。
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死刑執行された2人とは

加賀山領治死刑囚は裁判では「殺意はなかった」と主張しましたが、1審と2審はいずれも死刑を言い渡し、最高裁判所は去年7月に「2人の命を奪った結果は重大だ」と上告を退け死刑が確定していました。
また、藤島光雄死刑囚は、1審と2審はいずれも死刑を言い渡し、最高裁判所は平成7年に「6日間に2人の命を奪い、犯行の手口も残虐だ」として上告を退け、死刑が確定していました。


死刑執行は去年上回る

死刑が執行されたのはことしに入ってから合わせて8人となり、去年を上回っています。
死刑の執行はおととしは一度もありませんでしたが、去年は7人に対して執行されました。
また、ことしはこれまでに、平成16年に奈良市で小学1年生の女の子を下校途中に連れ去って殺害した罪に問われた死刑囚や、平成20年に茨城県のJR常磐線荒川沖駅で通行人などを包丁やナイフで斬りつけ1人を殺害し7人にけがをさせる罪に問われた死刑囚など、6人に対して死刑が執行されていました。
今回の死刑執行はことし4回目で、執行された死刑囚の数は合わせて8人と去年よりも多くなりました。


執行の判断基準は不明

12日に死刑が執行された2人は、判決の確定から執行までの期間が1人は1年4か月だったのに対し、もう1人は18年6か月と、大きな差がありました。
法律は死刑の確定から6か月以内に執行するよう定めていますが、法務省によりますと、平成15年から去年までの10年間で、刑の確定から執行までは平均で5年7か月となっています。
刑が確定してから40年以上がたっても執行されていない死刑囚がいる一方で、確定から1年たたないうちに執行されたケースもあります。
12日の執行について谷垣法務大臣は会見で、「犯罪事実に疑いがないかや、再審請求中などの事情があるかなどを検討して事務方が決めたものを自分でも記録を読んで判断した」と述べました。
しかし執行の順番や時期をどのように決めているのか具体的な判断基準については「答えを差し控える」として明らかにしませんでした。
日本では死刑囚の心情を害するおそれがあるなどとして死刑囚に関する情報はほとんど公開されておらず、国連の人権理事会は日本など死刑制度がある国に対して、情報の公開を求める決議を採択しています。

2人死刑執行 安倍政権で8人に

2013年12月12日[日本支部声明]国・地域:日本トピック:死刑廃止

アムネスティ・インターナショナル日本は、本日、東京拘置所の藤島光雄さん、大阪拘置所の加賀山領治さんに死刑が執行されたことに対して強く抗議する。安倍政権は発足2カ月後の2月に3人の死刑執行を行い、その後も4月に2人、9月に1人、そして4回目となるこの度の執行で、8人の命を奪ったことになる。安倍政権下で行われるハイペースの死刑執行は、再三にわたり死刑廃止を求める国際社会の要請と真っ向から対立するものである。

本年9月12日、執行後の会見で、法務省は死刑執行を選んだ時期について問われたが、「例えば再審に該当する事由はないかとか、あるいは刑の執行停止を命ずるべき事由があるのかないのかということを慎重に検討し決定した」との、常に概括的な回答をするにとどまった。

また、藤島さんについては死刑確定から18年以上が経過している一方で、加賀山さんについては、死刑確定からわずか1年5カ月弱で執行された。このような判決確定後死刑執行までの期間に死刑確定者間で大きな差があるという現状については、「個々の死刑執行をどうしていくかという問題」として死刑確定後執行までの経緯を一切公表しなかった。さらに、執行人数の基準についても、「ありません。一つ一つ検討していくということ」として何ら合理的な回答はなされなかった。

以上の回答は、法務省が「死刑は国家が国民の与り知らぬところで秘密裏に行うもの」と位置づけていることの顕著な表れである。

アムネスティ日本事務局長の若林秀樹は、「国家が一市民の人命を奪うに至るまでの過程を一切明らかにしないことは、主権者である国民の知る権利を著しく制約するものとして許されない」と述べた。

政府は死刑存置の理由として第一に世論調査での死刑制度への支持や国民感情を挙げるが、死刑がどのように決定され、手続きが進行し、執行に至るのかが明らかとなれば、国民の死刑制度に対する意識は大きく変化するであろう。わずか1週間前に成立した特定秘密保護法においても、国民の知る権利は著しく制約された。これらにみられる政府の情報統制の姿勢は、主権者である国民から政権運営の当否について判断する材料を奪うものである。このような、国民の意識改革の機会を一方的に奪い、健全な民主主義を骨抜きにする政府の行為を見逃してはならない。

また、法務省は、現在の死刑制度の是非についての検討状況および必要性について問われ、「特段のことが必要だとは思っていない」として、法務省内で問題提起すらなされていない現状を露呈した。

2008年、国連の自由権規約委員会は、「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべき」としており、さらに本年5月31日、国連の拷問禁止委員会は、日本審査の総括所見において日本政府に「死刑を廃止する可能性を検討すること」を要請した。しかし、日本政府はこれらの勧告に耳を貸さないばかりか、議論の必要性さえも否定し、国際社会の一員としての義務を放棄している。

世界の3分の2以上の国が法律上または事実上死刑を廃止している今なお、死刑制度を存置する日本には、その是非について論議を尽くす責務がある。かかる責務を果たすため、日本政府は死刑に関する情報を広く一般に公開するとともに、国内における死刑制度についての討論を活発化させるための方策を講じる重責を負っている。

アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。死刑は生きる権利の侵害であり、残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、死刑にたよらない刑事司法制度を構築する国際的な義務を負っている。アムネスティは日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として公式に死刑の執行停止措置を導入し、全社会的な議論を速やかに開始することを要請する。

2013年12月12日
アムネスティ・インターナショナル日本


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