Number2 Style(2016年最終戦)

Number2 Style(2016年最終戦)

(脳内副音声は窪田等さんのナレーションでお楽しみ下さい。)

「戒律を捨て、新たな神話を始めよう。」
2016年Number2最終戦。マッサ監督がたどり着いた決断。

ナポレオンがオーストリアに打ち勝った(ナポレオン戦争1800.12.3)
2016年師走のこの日、東京の空は明るく澄み渡った。
Number2の選手たちは遅れ気味。「10時に集合って言ったじゃない!?」
監督だけが新木場の駅で待ちぼうけ。
いつものNumber2フットサルが始まる。

2016年はNumber2フットサルにとって輝かしい年となった。
マッサ監督がNumber2 westから今のポジションに返り咲き、
大会3連覇を成し遂げていたからだ。
4連覇がかかっていた。
しかし、選手たちの中には気負うものは誰一人いなかった。
「今、ここ。それを楽しむ。それ以外、何が必要?」とでも言いたげ。
この日、マッサ監督が指示したのは、いつもと同じ前半1人で攻め、
3人で守る。点を与えないフットボール。後半はガラリとメンバーを入れ替え、
攻め疲れた相手を一気に叩く。ウノ-セロを目指す、イタリア伝統のスタイル。

大会は5チーム総当たり戦だが、サッカー教室というチームがあり、
対戦の相手はやや変則的。そのためNumber2はこのサッカー教室とは当たらず。

1戦目は幕張F.Tとの対戦。このチームはやや年上の人生を楽しんでいる人々の集まり。
白い頭、女性。体系もばらばら。
しかし、Number2はその見た目に騙された。
監督の指示通りに守備からはいるも、その位置は高め。ピッチ内に広がる
「イケるんじゃない?」的な空気の中にエアポケットがあった。
前半、まさかの失点。
しかし、今年のNumber2は違う。慌てず騒がず、作戦を遂行する。
ハラが決め、同点。ノブトのゴールで逆転に成功。
万事休す。初戦が一番難しいと言っただろ。

2戦目はFC Cartaio。イタリアのホラー・サスペンスを冠するこのチームとの対戦は圧巻だった。
今年、一番のデキかも知れない。マッサ監督が言う。
1戦目では4度のシュートを阻まれ、苦汁をなめていたシンのシュートが2本に炸裂。
あっさりと勝ちをものにした。ピッチ内では相手のプレッシャーはほとんど感じなかった。
綺麗な勝利に満足、満足。

3戦目に今年、最大の試練が訪れる。相手はツエーゲン龍三郎。
この大会を6度も制し、勝率は50%を超える。しかも、1戦目をいきなり5-0の大勝。
「いつも通り」と送りだしたマッサ監督だったが、エースストライカーのシンに用意を指示。
当たりも強い。スピードもある。前半2失点。ベンチもすぐさま動く。
ゴトー、アウト。シン、イン。
前半に綺麗なパス回しから、カケヒが1点を返した。まだ足りない。
しかし、マッサ監督はこれが答えだと導き出した。
前半とばした相手は勢いがない。守りに入っている。後半開始直後、シンが決め1点差。
パス回しでディフェンスを剥がせ!!
一度下げたハラを再び投入。試合終了間際。
左サイドを駆け上がったハラに、シンから縦に。フリーでキーパーと1対1。ゴール!!
3-3の引き分けに終わったが、これだから最後まで何があるか分からない。

Number2の最終戦の前にまたしてもツエーゲンが5-0の大勝という悪いニュース。
我々はやるしかない。
マッサ監督が選手を集め緊急ミーティング、得失点差で優勝できない可能性がある。
ここで下した決断は
「戒律を捨て、新たな神話を始めよう。」
これまで勝ちを積み重ねてきたスタイルではなく、10点取る作戦に切り替えた。
もはや大量得点で勝つしかないのだ。
イノベーションが始まった。Hello's戦開始直後、5秒で先制。
この後も得点を重ね、前半で5得点。後半にも同じだけの時間が残されている。
しかも、若手温存だ。「負けるわけはないさ」
他のチームもこの試合を見て、スタンド大騒ぎ。
これだからNumber2はやめられない。

晴天にわかにかき曇り気温が下がってきた。
Number2の気持ちは勝利に向かって行ったが、後半は得点が伸びず6-0。
今年、最多得点の勝利だったが、優勝には2点届かず。

この悔しさは来年に。来年こそはすべての大会で優勝して魅せる。

本大会の活躍を受けて、大会本部は
「来シーズンNumber2は1つ上のカテゴリーに参加しなさい」と通達。

マッサ監督は
「来年、お金を賭けるならNumber2にかけてごらん。
オッズは高いだろうから儲かるはずだぜ」
とウィンクして見せたのである。