私はブリガムヤング大学に留学していた頃、家族寮でカリフォル
ニア州から届く興味あるラジオ放送をよく聴いていた。一人のキ
ャスターがラジオの聴取者と次々電話でやりとりする様子を音楽
と交互に流す番組だった。私が聞くようになったのは、その人物
の応対や語り口に知性と魅力的な人柄を感じたこと、視聴者も彼
に信頼をおき、親しみ、尊敬を抱いている様子がわかったからで
あった。話題も多彩で飽きさせることがなく、大変啓発される思
いがしていた。
そんなとき、ある聴取者が「あなたの評判は高く、大勢の人に影
響を与えている。大統領に立候補してはどうか?」と話しかけた。
するとこのキャスターは「私は大統領になるより、今のような形
で人々に影響を及ぼすことができるのなら、その方がよい」とい
う意味の答をしていた。私はなぜかこの人の答えがずっと記憶に
残っている。
権勢や地位によるのではなく、知性や説得力ある説明によるもの
で、そして何よりも信頼関係と友好的な雰囲気がなくてはならず、
正論であっても峻厳な理詰めでやり込め辛らつさが伴うのでは相
手に影響を及ぼすことはできないのではないか。イソップの太陽
と風の譬えのとおりである。また情勢をよく見抜いてタイミング
も考えなければならないかもしれない。
今はソフトパワーが軍事力よりも注目される時代である、影響力
行使もそのような形があるのではないか、と思う昨今である。
参考 「優れたコミュニケーションとは何か」
http://blogs.yahoo.co.jp/wasatch_15
「影響力の法則」アラン・R・コーエン他著
'Influenc without authority,' Cohen, Allan R.
http://www.mhigano.com/ 12/17/07
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>そして何よりも信頼関係と友好的な雰囲気がなくては
>ならず、正論であっても峻厳な理詰めでやり込め
>辛らつさが伴うのでは相手に影響を及ぼすことは
>できないのではないか
おっしゃること、大変よくわかります。
このことについて興味深い経験をしてきました。
私はここ8年以上もモルモン教会の改善すべき点について
あちこちで問題提起してきました。
当初は、話し合いの相手に敬意を払い、なにより同じ
末日聖徒同士なのだから落ち着いて話し合えば必ず
分かり合えるはずであると信じていました。
末日聖徒は柔和で物分りの良い人が多いと(何の根拠も無く)
信じていました。
ところが末日聖徒との話し合いで分かったことは、
こちらが譲歩すればそれに付け込んであつかましくなり、
こちらが敬意を払えば尊大になり、こちらにはキリストのような愛で
接することを要求するけれども、彼ら自身は何一つ行わない、
ということでした。
いつかは話が通じる日が来ると信じて何年もそうした態度を
通しましたが、やがて末日聖徒の心の奥底にあるものに気がつき
そうした接し方が何の効果もない、との結論にいたりました。
それで最近の数年は態度を改め、モルモン教会の問題について
末日聖徒と話し合うときには決して妥協しない、容赦しない、
一切譲歩はしないことにしました。
すると不思議なことですが、話の通じる人がちらほらと現れてきました。
今にして思えば、当初の私の対応は相手に媚びていた不誠実な対応
だったのかも知れません。
現在では、何かを言うべきだと思うときには、相手を傷つけるのでは
ないかなどと遠慮はしないで口を開くことがむしろ誠実なのではないか、
と考えます。
難しいところですが。
それぞれ経験ずみなわけですね。
米国西海岸に住むアーマンド・マース氏は、機会がある毎に(例えば日曜学校で)間違った神話が話されると(例、黒人差別は聖典に基づく)丁寧に説明するようにしている、と言っていました。多分、穏やかに聞き手がそうなのかと思うように典拠を示して説いているのだと思います。
私も含めてですが、普段よい間柄を保っていないと耳を傾けてくれませんから、注意を要するところだと思っています。
影響を及ぼすためには、接触していなければできないし、相手とのチャンネルが開いていなければならないので、容易ではない仕事です。
>(例、黒人差別は聖典に基づく)丁寧に説明するようにしている
モルモンにおいて、それは「神話」ではありません。
生ける予言者によって聖徒らに示された福音の真理なのです。
いかに尽力して「間違った神話を信じるのをやめましょう」と啓蒙しても
その間違いを噴出させている源泉がある限り、意味はないのです。
啓蒙活動はNJさんにお任せしますので、私は過ちの根源を指摘し、
追及していきたい、そう思っています。
残念ながら、小生とは大きな隔たりと交わることの少ない平行線をたどるように思われます。トゥゲザーさんのいう役割は限りなくアンチモルモンの立場に近く感じられます。
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