図書館からの帰り道。途中の児童公園でベンチに腰を下ろしました。
そこそこの広さがある公園で、近所の子どもたちのほかに、放課後の学童保育の児童たちも遊びに来ていて、ちょうど引き上げようとするところ。引率の先生(といっていいのか、世話する大人)が、「帰りますよ」と声をかけています。
ほぼ全員が出口近くに集合しましたが、1人、機嫌をそこねたらしい男の子が、反対側の隅にしゃがみこんだままです。
先生が近寄って、何か声をかけています。一緒に帰りましょうと言っているのでしょう。
子どもはしゃがんで両手で顔をおおったまま。
先生はいったんその場を離れかけましたが、すぐにもう一度、引き返して説得を続けています。
子どもは同じ姿勢のまま、動こうとしません。
集合している子どもたちのうちの1人が気づいて、しゃがんだ子のところに駆けてゆきました。女の子です。もう、1人、やはり女の子がその後に。
しゃがんだ子は仲間の声にも聞く耳をもたないようです。
どうなるんだろうと思いながら公園の木立の上を見ると、綿をちぎったような雲が空をゆっくりと動いていました。
今日はひさびさの良い天気で、散歩の途中、公園で少し時間を過ごそうと考えたのも、このお日和を味わいたかったからです。
気持ちよさそうな空だなあと思いながら、どれくらい見上げていたでしょうか。
空から目を下ろし、公園を見渡すと、もう学童保育の子どもたちも先生もいなくなっていました。しゃがみこんでいた子の姿もありません。
私も腰を上げ、帰宅の途につきました。