惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

六地蔵(プラス1)

2011-04-30 21:03:18 | まち歩き
 夕方、久しぶりに町田市小野路まで出かけました。
 バイクを多摩市境にある一本杉公園に停め、布田道を下って小野路宿へ。いったん尾根へ登って牛舎の牛たちに挨拶をし、万松寺の方へ下ります。

6jizo1104 写真は万松寺そばにある小野路六地蔵。
 どう数えても1体多いんですよね。なぜこうなっているのか、よくわかりません。
 ちなみに「六地蔵」とは、『平凡社世界大百科』によれば――

 六道のそれぞれにあって衆生を救済するという6体の地蔵菩醍。六地蔵の信仰は,中国などには先例がなく,六道思想の発達に刺激されて日本で形成されたものである。六地蔵の始源には諸説あるが,11世紀中ごろの実睿(じつえい)斤《地蔵菩醍霊験記》のなかで,〈六道の衆生のために六種の形を現せり〉として各尊の持物や印を説明しているのが,六地蔵に関する最初の具体的記述である。(以下略)
 とのこと。
 小野路は鎌倉時代以前からの要衝の地なので、それなりに由緒あるお地蔵さまなのでしょうか。

 万松寺谷戸を奥に向かい、小野路城址へ。
 里山はフジの花がそろそろ終わり、シャクナゲの季節になろうとするところ。見事なシャクナゲを見ました。
 ジュウニヒトエも咲いていたな。それから、キンラン。こちらはつぼみが膨らんで、今にも開こうとするところでした。

 城址からまた小野路宿に戻り、尾根の一本杉公園へ。ひとまわり約1時間です。下り道でポッカールを使わなければ、あと30分以上、余計にかかると思います。


十二単

2011-04-29 20:56:02 | 草花
12hitoe1104 ジュウニヒトエだと思うのですが、自信がありません。たぶん初めて見かけたのではないでしょうか。
 場所は都立桜ヶ丘公園。ずいぶん立派な群落で、花穂も大きく、たくさん花がついています。もしかしたら、誰かが栽培したのかも。

 シソ科の多年草。
 花が重なって咲く様子を大昔の女官の衣装に見立てての命名だそうですが、ちょっとイメージが重なりにくいですね。まあ、かなり派手な花ではあります。

 〈小説推理〉6月号発売中。担当しているSFレビューで次の4作を取り上げました――

  • コリイ・ドクトロウ『リトル・ブラザー』(金子浩訳、早川書房)
  • 平田真夫『水の中、光の底』(東京創元社)
  • 小川一水『青い星まで飛んでいけ』(ハヤカワ文庫JA)
  • サム・ウェラー『ブラッドベリ年代記』(中村融訳、河出書房新社)
 『ブラッドベリ年代記』は古くからのSFファンには堪らない一冊でしょう。アメリカSF草創期のプロとファンたちの様子が生き生きと描かれるブラッドベリ青春期の叙述が素晴らしい。

失せもの

2011-04-28 21:24:38 | 日記・エッセイ・コラム
 昨日の夕方のこと。
 自転車で買い物がてら、飛行場そばの新しく整備された公園へ出かけたのでした。サッカー場や野球場などの運動施設のほか、庭園、武蔵野の森をそのまま残しているような部分などがあり、そこそこ楽しい。(本音をいえば、管理の行き届かない原っぱのような昔のたたずまいが好きでしたが)

 そこで調子にのって、ひと月ほど前に買った新しいショルダーバッグの機能を試してみようとしたのがマズかったのでした。
 そのバッグはオプションで自転車の前ハンドルにも吊るせるようになっているのです。久しぶりに自転車に乗ったことだし、ひとつ試してみようかと思いました。

 で、ハンドルに吊るしてみた。
 吊るせることは吊るせるのですが、バッグが垂れ下がって前輪に触れてしまいます。こりゃダメだと思って、こんどはバッグを持ち上げ、ハンドルに載せてみました。すると割といい感じ。安定して載ったままでいます。その態勢で家まで乗って帰ることにしました。

 ところが、今朝、バッグを点検してみると、小銭入れを兼ねたキーホルダーが中にないのです。色々考えて、昨日、バッグをハンドルに吊るしたり、のっけたりした時、地面にこぼれてしまったのではないか、という結論に。
 慌てて、昨夕のルートを走って探したり、公園の管理事務所に「落し物はあがっていませんか?」とたずねたりしましたが、×。もう出てこないとあきらめました。

 でもね、午後になってそのバッグを置いてある横の、もうひとつのバッグの上にくだんのキーホルダーがあるのを発見したのです。
 その時はうれしかったのですが、よく考えるとすごく自分が情けない。たぶん、自分で出してそこに置いたのだと思うのです。
 どうしてそれを忘れてしまうのか……。まったく思い出せなかったのはなぜか……。老化現象ではないのか……。

 あれこれ落ち込んだことでした。


「原子力と日本人」

2011-04-26 21:20:17 | 国際・政治
 SF界では星新一さんにならって「原子力」を「はらこ・つとむ」と読むことになっていますが、ここでは「げんしりょく」。

 今日の朝日新聞朝刊に中曽根康弘元総理へのインタビューが載っています。
 質問は震災復興のことなどにも触れていますが、核心は日本への原子力技術導入の立役者である元総理に、今回の事故や今後について聞くこと。日本の原子力開発は昭和29(1954)年の国会において中曽根さんが抜き打ちで原子力予算をつけたところから始まります。「原子力基本法」の成立はその翌年。

 法案提出の経緯について、中曽根さんは次のように言っています――

 「少数の同志と相談し、昭和29(1954)年度予算案に原子力予算を入れようと研究をはじめた。党の幹部には内々相談したうえ、衆院予算委員会に突如、2億3500万円の予算を提出し成立させた。事前に一般に分かると、無知の妨害が起こる可能性もあった」
 国民的議論は抜きにして、自分の信じる政策を通すことに邁進したということですね。「無知の妨害」という言いかたに目を見張ります。

 唯一の被爆国である日本が、原子力を「未来への灯」としてきたことが私には不思議でなりませんでしたが、いってみれば「上からの押し付け」でそう思わされた側面もあったということなのでしょうか。
 確かにエネルギーを取り出す原理さえ考えれば原子力は素晴らしいものです。しかし、そのことに捉われると他のマイナス要因は排除、あるいは軽視されてしまいます。人間は自分の判断や行為を合理化し、正当化する生きものです。

 中曽根さんは原子力の今後について次のように述べています――

 「これを教訓として、原発政策は持続し、推進しなければならない。世界の大勢、国の前途、日本のエネルギー、科学技術を考え、今回の災害や困難を克服し、雄々しく前進しなければならない。それが今日の日本民族の生命力だ」
 政治家とは反省しない人たちだと思い知らされます。

紅蜆

2011-04-24 20:42:32 | 動物
 4日ぶりの晴天で温度も上がりました。
 近所の野川べりには若草の上を歩く人がたくさん。私もその一員として紛れ込みました。

 春もこの頃まで進んでくると虫たちがしっかりした営みを始めています。
 岸のギシギシにたかったアブラムシにはテントウムシの成虫や幼虫がとりついて餌にしています。
 日当たりのよいコンクリートの護岸では、ハチたちが体を温め、巣作りにいそしむアシナガバチもいました。

Benishizimi1104 カキネガラシの花にはベニシジミがじっととまっています。
 成虫のまま冬を越したのでしょう、羽の先端がギザギザに傷ついている様子。
 どこでどうしていたのでしょうね。気になります。