惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

根粒

2014-05-31 21:32:16 | 自然

 最高気温 32.6℃(隣町アメダス)。ますます暑過ぎ。

 昨日、写真を掲載したキキョウソウ。
 今朝、向かいの空き地を見たら、根元でちょん切られて投げ出されていました。
 何者のしわざ? 犬が噛み切ったりすることもあるのでしょうか?

Konryu1405  これも昨日、掘りあげたエンドウですが、根をじっくりと眺めてみました。生物の時間に習ったとおり、ところどころに根粒が出来ています。大きさは2ミリ程度。

 根粒は根粒菌がマメの根にすみついてつくるコブ。
 マメは光合成でつくった炭水化物や微量元素を根粒菌に与え、お返しに、根粒菌が窒素固定でつくったアンモニアをもらってアミノ酸などの原料にする。共生の典型として覚えています。

 もう少しくわしく調べてみましょう。

 まず根粒ができる過程ですが、マメの根毛(根の表皮細胞の一部が外に向かって細くのびた部分)から特別な誘引物質が出て、土中の根粒菌を集める。
 集まった根粒菌は増殖して、根毛から分泌されるトリプトファンを使ってインドール酢酸をつくる。このインドール酢酸が根毛に作用して一部を増殖させるのだそうです。
 その先端部から根粒菌がインドール酢酸とともに内部に侵入、内部で増殖すると同時に根毛の組織をさらに増殖させて根粒ができます。

 ただし、根粒が増殖しつづけると、せっかく窒素固定されたアンモニアも菌の組織づくり利用されてしまいます。
 そこでマメは根粒菌の増殖をストップさせる物質をつくり、それ以上、アンモニアを利用しないようにさせ、自分にまわさせるのだそうです。

 マメと根粒菌の共生は、もともと根粒菌側が一方的に寄生していたものを、マメの方でコントロールして共生関係にもちこんだものだとか。最初からお互いが利益を供与し合ったのではなく、奪ったり、奪い返したりした末の妥協策といっていいみたいです。

 以上、多田多恵子さんの『したたかな植物たち』(SCC)などを参考に勉強してみました。


桔梗草

2014-05-30 20:51:47 | 草花

 最高気温 30.1℃(隣町アメダス)。暑過ぎ。まだ5月なのに。

 スナップエンドウの収穫が終わったので、栽培していた鉢を整理。土に手を加えて、緑のカーテン用の苗を植える準備をしました。
 今年はアサガオとフウセンカズラの混成へ、さらにゴーヤを加えてみようと思っています。
 初めての栽培なので、ちょっとドキドキ。土はどうすればいいのか。植え方にコツはあるのか。水遣りはどうか。芯止めはどれくらいですればいいのか。……考え出すときりがありません。

Kikyoso1405  今日の雑草はキキョウソウ。キキョウ科の1年草。北アメリカからの帰化植物です。

 別名ダンダンキキョウ。下から段々に咲いてゆくので。

 そんなに見かける機会はなかったのですが、今年は向かいの空き地に咲いています。
 去年まで家が建っていたところ。どこからどうやって種が運ばれてきたのか、不思議な気がします。よく観察して、種の付き方なども調べてみたいところ。

 花の色はさまざまですが、紫の花にはドキリとすることがあります。目立たないようでいて、すごく気になってしまう。
 虫たちにはまた別の見え方をしているのでしょうが、人間にとっての色合いも、植物の盛衰に影響を与えているのでしょうね。なんだか紫の花が咲く草はおろそかにできない感じで、大事にしてしまいそうな。


貫通

2014-05-29 20:54:05 | 草花

 朝から気温が高く、半袖ポロシャツで過ごしました。しかし、また涼しい日もあったりするので、油断はなりません。

 午後、ガムを噛みながら読書していたら、口の中で違和感が。
 インプラントの被せもの(人工歯)がとれてしまったのです。

 手に取って見てみると、人工歯根に差し込む穴もそのままで、どこも壊れてはいません。
 歯医者さんに連絡すると、すぐに入れてくれるそうです――「忘れずに被せものを持ってきてくださいね」。もちろん。
 行って歯医者さんに、「被せものは接着剤でとめてあるんですか?」とたずねると「接着剤みたいなものです」とのこと。

 みたいなものとは何だろうと、ネットで見てみると「セメント」と呼ばれる仮止め剤のようですね。あまりくっつきすぎて、人工歯根から剥がれないのもまずいということで選択されるようですが、外れやすいのも嫌ですねえ。
 今回は長持ちしますように。

Kantsu1405  写真はタンポポの綿毛とペンペン草(なずな)。

 よく見ると、球状の綿毛の中をペンペン草の茎が貫いています。
 どういう事情でこうなったのか。あれこれ考えると、楽しくなってきました。

 〈小説推理〉7月号発売中。担当のSFレビューで次の4作をとりあげています――

  • 仁木稔 『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』 (ハヤカワSFシリーズJコレクション)
  • イアン・マクドナルド 『旋舞の千年都市〈上・下〉』 (下楠昌哉訳、創元海外SF叢書)
  • ロラン・ジュヌフォール 『オマル 導きの惑星』 (平岡敦訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
  • 柴野拓美 『柴野拓美SF評論集 理性と自走性――黎明より』 (牧眞司編、東京創元社)

 『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』は、「亜人」と呼ばれる人造人間の誕生から始まる連作中短編集。間違いなく、今年の収穫のひとつです。


苦菜

2014-05-28 20:51:17 | 草花

 雨の季節を前に、昨日今日と家のまわりを片付けました。
 昨日は裏側にたくさん生えているドクダミを刈り取り、砂利敷きの地面が見えるように。ヤブ蚊が減ると思います。

 今日は、家の西側の壁にそって積み上げてあった材木の整理。
 日曜大工用に集めたものですが、ただ積み上げてあったり、壁に立てかけてあったり。あとからあとからどんどん足してきたものですから、どう手をつけていいのかわからない状態になっていました。
 これでは利用するにも不便なので、棚を作って取り出しやすいようにしました。地面からの湿気を逃れることもできるようになってひと安心。
 これで、かねてからの懸案が片付いて気分ともどもすっきり。また日曜大工を楽しめます。

Nigana1405  今日の雑草はニガナ。この時期から夏にかけて花をつけるキク科の多年草です。
 タンポポに似て、舌状花が集まって頭花を形成します。ふつう5個の舌状花がいっしょになって、まるで5弁の花のように見えますが、写真の花はひとつ多くて、6個の舌状花から成っています。

 頭花の直径は1.5センチぐらいと小さいのですが、アップで大きく見てもらうのは、メシベの柱頭が両側でくるりと巻いて羊の頭部のような模様を作っているから。思わぬ形が隠れていました。


オネガイシマス

2014-05-27 21:55:59 | まち歩き

Dogcare1405  散歩の途中で貼り紙を見かけました。
 犬のオシッコを電柱にかけないよう、飼い主に訴えています。

 犬が電柱にマーキングするのは本能といっていいでしょうね。
 でも、臭くなるし、電柱の根元が劣化して倒れることだってあり得ます。
 そこで、マナーのステッカーが「電柱などにしたオシッコは水で流しましょう」と飼い主に呼びかけているのですが、それでは手ぬるいと思った人がいたのでしょう。

 しかし、文がぐちゃぐちゃして、結局おかしなものになってしまいました。
 どう直してやればいいのでしょうか?

 「させないで」と、飼い主に呼びかける部分を残すのなら、「犬にオシッコをさせないで」としなければなりません。さらに「電柱に(場所)」させないでとも言いたい。
 単純に付け加えれば「犬に、電柱にオシッコをさせないでください」となって、これはこれで間違った文ではありません。でも、「に」が2回出てきてすっきりしませんねぇ。美しくない。

 貼り紙の文が「犬を……」となっているのは、そこらへんの美意識があったからでしょうか。

 ただ、よく見ると、黒く塗ったところは「が」となっていたみたい。「犬がオシッコをさせないで」は、なおさら変。犬がオシッコをするのを、飼い主にとめてもらいたいという気持ちはわかりますが……。

 散歩をつづけながら、この貼り紙にもっともふさわしい文案はどうなんだろうと考えつづけました。
 使役対象の「に」と、場所の「に」がダブらない方法はないものか? 「電柱に」ではなくて「電柱へ」とするのはどうか?

 結局、ちょっと逃げるかたちですが、「犬の飼い主さんへ オシッコを電柱にさせないで」とか、「ワンちゃんへ 電柱にオシッコをしないでね」とかに落ち着いたのですが、もっと良い案があるような気もします。