惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

蛍光灯

2024-03-10 20:45:41 | テレビ
ふつうは「留置場」と言うよなあ、と思ったのでした。

昨夜放映された「不適切にもほどがある」を、今日、録画で見た時に感じたこと。
未来(といっても1986年にとっての38年未来なので2024年なのですが)を訪れた小川純子が大暴れして警察のやっかいになります。で、もとの世界(1986年)にもどって「未来のどこがよかった?」と訊かれ、ちょっと迷ったあとで「牢屋……かな」と答えたのでした。

牢屋っていわれると、なんだか時代劇のよう。あえてそれを口にしたのには訳がある。
見た時にそう感じたのですが、その理由はすぐにはわからなかったのです。

わかったのは数時間後に散歩をしていた時のこと。
心にひっかかっていたのか、なんとなく思い出し、突然、「そうか『ローマの休日』か!」と腑に落ちたのでした。

ドラマでは、その前にオードリー・ヘップバーン主演のあの映画のことが話題にされていて、伏線になっていたのですね。
「ローマ」と「牢屋」。
純子が未来のイケメン理容師とデートしたすべての意味合いも氷解しました。

でも、なんというニブイ視聴者なのでしょう。とてつもない蛍光灯。
脚本の宮藤官九郎さんに叱られそう。この回では「伏線は回収すべきか否か」とさんざんやり合っていたのに……。
おみごとです。おそれいりました。


「夜来香幻想曲」

2024-01-04 21:32:23 | テレビ
NHKの朝ドラ「ブギウギ」。今日は羽鳥善一(服部良一)が上海で開いたコンサートが題材のひとつになっていました。

モデルになった実際のコンサートについては、上田賢一『上海ブギウギ 服部良一の冒険』(音楽之友社 2003年)や山口淑子『「李香蘭」を生きて 私の履歴書』(日本経済新聞社)などでわりと詳しくわかります。


山口さんの自伝にはコンサートのプログラムの写真が載っていますが、それによると、開催されたのは昭和20年6月23・24・25日の3回。場所は大光明大戯院(グランドシアター)。
コンサート名は「夜来香幻想曲」。

服部さんとしては「夜来香ラプソディー」としたかったのですが、「ラプソディー」という言葉は時局柄つかえなかったということのようです。
そして、メインとなった「夜来香」の編曲にはブギウギのリズムも使われ、これが服部さんがブギウギのリズムを打ち出してゆくきっかけとなったといいます。


螺子

2023-01-27 21:21:05 | テレビ

 YouTubeで「ねじの作り方」の動画をいくつか見ました。

 NHK朝ドラの影響です。
 今週の「舞いあがれ!」は新しいねじ作りに挑む町工場「IWAKURA」の物語。モノ作りが大好きな私としては、思いもかけぬうれしい展開で、わくわくしました。まさか朝ドラがねじ作りをテーマにするとはねえ。

 夫を亡くした後の、舞の母親・めぐみさんの経営者としての姿にもほれぼれします。
 なんとも素敵な女性像を描く朝ドラになりました。

 朝ドラというのは、「おしん」や「あまちゃん」を挙げるまでもなく、女性の生き方を見つめるものなんですね。そのことを改めて感じています。
 さて、来週からの展開はどうなるか。


ミツバアリとアリノタカラ

2022-11-15 21:06:22 | テレビ

 未明から雨で、日中もずっと降ったりやんだり。夕方になってようやく晴れ間が広がりました。
 今日は連載原稿の締切日なので、私はどうせ家に閉じこもるしかなかったのでした。

 NHKスペシャル「超・進化論」を、楽しく、興味深く見ています。
 一昨日の日曜の第2回のテーマは「昆虫」。
 飛び方、変態、アリと暮らす虫など、どの話題も驚くものばかり。中でも、ミツバアリとアリノタカラの共生には特にびっくりしました。

 この番組にも協力しておられる島田拓さんが主宰している「Ant Room」のブログに「ミツバアリとアリノタカラの深い関係」という記事があり、詳しいことがわかりますが、ミツバアリはカイガラムシの仲間であるアリノタカラが出す密を主食にし、アリノタカラはミツバアリの巣の中で植物の根の汁を吸って生きているんですね。両者は互いに頼り合っていて、一緒でなくては生きられない。
 そのため、女王アリが新しい巣を造る時は、1匹のアリノタカラを咥えて飛び立ち、新居でもアリノタカラと共生できるようにするとか。アリノタカラは単為生殖で増えるので、1匹いれば大丈夫なんですね。

 こういう進化も不思議ですよねえ。誰が手配したのだろうかと思わずにはいられない。
 何が不思議といって、地球の生きものほど不思議なものはないんじゃないでしょうか。


「カムカムエヴリバディ」

2022-04-08 21:05:20 | テレビ

 朝からよく晴れて暖かい一日。

 市民農園の年間使用料を払ったり、図書館の本を返却したり、蔵出し生ワインを買ったり、あれこれ出かける用があって時間を費やしました。
 でも、外を移動するのが心地よいお天気。

 今日、最終回を迎えたNHKの朝ドラ。楽しませてもらいました。

 私にとって印象的だったのは、このドラマが「夢はかならずしも叶わない。それでもいいことはあるんだね」ということを、何度も何度も伝えていたこと。
 大月錠一郎のトランペットが典型的ですが、それ以外にも勇の野球だとか、文四郎の時代劇俳優とかいった挫折の数々を優しく描いていました。最たるものが安子とるいの関係でしょうけど、これは最後にきっちり修復されました(お約束どおり)。

 餡子と英語という、日米双方のエッセンスを柱にしていることなど、脚本に感心することはたびたび。
 シナリオの藤本有紀さんという方のドラマはこれが初めて(基本的にテレビドラマは見ないので)と思っていたら、以前、「みをつくし料理帖」を見ていたのでした。黒木華さんがやたらに魅力的だったあのドラマも好きだったなぁ。

 朝ドラは「あまちゃん」と「おしん」を再放送・再々放送で見て以来、習慣となっていますが、「カムカムエヴリバディ」は「ひよっこ」以来の収穫だと感じました。