その雨も午前中には上がり、午後には日が射しました。
「明るくなったなあ」と、居間から庭を眺めていたら、サルスベリの根元にあるサツキの植え込みが何やら騒々しいのです。直径1メートルあまりの半円形の植え込みには、盛りは過ぎたものの赤い花が咲いています。そのあちらこちらで花や葉っぱが揺れています。
見当はすぐにつきました。たぶんカナヘビです。
我が家の庭にはカナヘビが何匹も棲息していて、暖かくなるとあちこちを動きまわるのです。サツキの葉には小さな芋虫がついていることがあるので、それを餌にしようとしているのでしょう。
しばらく見ていると、葉陰から姿を現しました。枝や葉っぱの上をガサゴソと這いまわっています。とても素早い。ここと思えば、またあちら……という感じで、植え込みの隅々まで餌を探している様子。
うまく虫をつかまえたかどうかはわかりませんが、暖かいし、赤い花の色も映えて明るいし、カナヘビも喜んでいるように見えました。