27 日露関係Ⅲ(1945.10~現在) -18-
ⅱ 1957-1984 -10-
■まとめと考察 3/4 の2 ベトナム戦争 ~まとめ表再掲~
1 「ベトナム戦争における、米(日)・ソ中の支援」の描き方
●「北ベトナム・南ベトナム解放民族戦線」へのソ連・中共の支援を書いていない。 → × 日本文教、学び舎。
※その事実を書かないとベトナム戦争の全体像が理解できない。書かない理由がわからない、なぜ?
●「アメリカが…南北統一を妨げました」という表現は完全な”偏向”表現。 → × 学び舎。
※《ベトナム人のうち、「共産主義」や「社会主義」に反対する人々》から見れば、「中ソが…南北統一を妨げました」と言うことができる。ベトナム戦争は、《アメリカ人がベトナム人全体と戦った戦争》ではない。上記表現は、明らかに「北ベトナム・中ソ側」の立場に立った偏向表現だ。
しかも、最近、第2次世界大戦後の現代世界で、世界秩序を乱す「侵略(的)行動」を再開しているのは、中露であることがはっきり分かっているのに…
●ベトナム戦争において、南ベトナムの人々・政府が(も)戦ったことを書いていない。 → △ 東京書籍。
※東京書籍の「…と、アメリカが戦ったベトナム戦争」という表現は学問的にまちがいであり、正しくは(=史実は)、「…と、南ベトナム政府とアメリカが戦ったベトナム戦争」だろう。
●日本の関与を書いていない。 → △ 6社:育鵬社、自由社、東京書籍、帝国書院、日本文教、清水書院。
※中学生(=日本国民)のための日本史教科書だから、史実である「日本の関与」は、書きたくなくても書かないといけないと思う。
2 「ベトナム戦争の終了」の描き方
●ベトナム戦争が終わったこと自体を書いていない。 → × 学び舎。
※《アメリカがした(悪い)こと》をたくさん書くのに忙しくて、忘れたらしい…?
●南ベトナム政府も「敗北」したことを書いていない。 → △ 清水書院。
※《北ベトナム側と戦った戦争主体、の片方》を無視してはいけない。
このように見てくると、東京書籍・日本文教・清水書院・学び舎の各社は「反米感情」が強すぎて、《学問的な、客観的で冷静な態度》を見失っているように見えますが…
~次回、まとめと考察4/4~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》
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