ああ、たるたる人生  -スペイン版ー

素晴らしい、たるたるな日々のつぶやきを。現在、アンダルシア新婚&育児生活編。

わたしは大卒?

2007年01月22日 | スペイン生活
昨日アカデミーのボスのおうちに遊びに行って、おしゃべりをしてたとき、わたしが教育学者だ(スペインだと大学卒業するとエキスパート的呼び方をします。ちなみにマヌちゃんは物理学者。)、という話になったとき、「じゃ、日本語だけじゃなくて教育学の授業もできる???」ときかれました。

できないっすよ!!!

4年の大学生活でそんな世界共通なアカデミックな教育学どんだけ勉強したかしら??いくつかの必修授業で少しさわった程度??なによりわたし立派な学生ではなかったし。。。話を聞くところによるとこちらではもっと~論とか~法といったアカデミックな内容や実用的理論をがっつり勉強するみたいですね。

なので「教育学科卒」というと「じゃ、子育ては問題なしだね、日本語の先生も問題なしだね、子供の扱いばっちりでしょ、教え方知ってるでしょ」と当たり前に言われます。ちなみにわたしの答えはすべてノーですけど(笑)。

そもそもこっちの学部は5年、そのうち3年が日本で言う学部に相当、最後の2年がそれ以上のもの(大学院?)に相当するようなので、同じ「大学卒業者」でも中身はさっぱり違うよう。なので比べること自体おかしいんだけど。

ちなみにわたしの学位、英語じゃbachelor、日本語じゃ学士(だよね?)。これ、スペインでは短大卒くらいの意味しかないらしい。とりあえず大卒扱いされないのです。だから本当はpedagoga(教育学者)という権利はないはず。ちなみにマヌちゃんはスペインの大学を卒業してリセンシアド、英語で言えばlicense?を持ってます。

けど日本では学部は4年、ほとんどの人がこの4年で「大卒」なので、社会的意味はスペインでのリセンシアドと同じだ!というわけで、マヌちゃんのアドバイスでわたしはいっつも「リセンシアダ(女性形ね)、ペダゴガ(教育学者)」で通してます。(西和辞書にはリセンシアド=学士、大学卒業者とでてるし。)


ちょっと話が変わるけど、EUとの兼ね合いからこのへんのシステムの差の問題が最近浮き彫りになってきたみたいです。

スペインでは(理系の場合)最低5年でリセンシアドになれて、その後ドクトラド(ドクター?)に進む権利が生まれるわけですが、EU他国の合わせるために今年度から中途半端にリセンシアドとドクトラドの間にマステル(マスター?)という制度が導入されました。しかもその採用および内容は各大学に任せる、とかなり適当な導入。

で、中身をよくみると、マステルに相当する内容は学部最後の2年に含まれているらしく、あえてする必要はない。。。じゃ、なにこれ??と混乱が起きてるんですね。

ちなみにマヌちゃんは時間労力の無駄とマステルは無視。問題なくドクトラドに登録してあります。マヌちゃんと一緒に卒業した友達の中には先生や奨学金なんかの兼ね合いでマステルを選んだ子もいるそうです。

スペインでは大卒=リセンシアド→ドクトラドだけど、EUの他の国に大卒がいつもリセンシアドではなく、たとえば日本みたいにbachelorというタイトルがまずあって、その後マステル→ドクトラドと進む国があったりするのでしょう。多分。

事実マヌちゃんがギリシャの奨学金に応募するとき、「マステルのタイトルは持ってる??じゃないとこのプロジェクトに参加する資格がないのだよ」といわれたそう。「スペインではリセンシアドであればドクトラドができるから、マステルという名の学位は持ってないけど、事実上含まれているはずです」と答え、実際に勉強した内容や研究の説明をして「じゃ、大丈夫だね」といわれたそうです。ああ、めんどくさい。


ともかく、ヨーロッパの学生はみなよく勉強します。日本の大学生とは大違いですね。いやいや、おいらも元おばか学生だし。事実学歴詐称してるし(リセンシアダ→うそ。ペダゴガ→うそ。)。きゃー!英文の学歴証明書、誰にも求められませんように!

今や大学進学率がむちゃくちゃ高いスペインだけど、日本と違い専門とその後の職業が直結しやすいせいか、大卒のタイトルは日本より具体的に重みがあるように感じます。みんな「僕はリセンシアドで~学者だよ。~のことなら何でも聞いて」とみんな胸を張っていいますもの。ちなみに重要なのは何を勉強したかであって、大学名はその次の次。あたしの「とりあえず大卒」とはちがうんですよね。いまさら学歴コンプレックスか??

ともかく日本の学歴はこっちじゃちっとも通用しない、ということですね。日本じゃあたしの学歴決して悪くはないと思ってたけど、自分がリセンシアダじゃない、スペインじゃ大卒以下、と知ったとき正直ちょっとがっかりしたもんな。

各国システムは違えど、スペインで言うドクトラドをとっちゃえば、世界共通でドクトラドとして認められるそう。なのでマヌちゃんファミリーはしきりにドクトラドや、せめて簡単らしいマステルをやれとすすめてくれるけど、正直興味はないし、学者気質じゃないのでいまのとこする予定はありまぬ。「日本じゃ立派な大卒なのよ、もんくある?」でしばら通していくつもりです(笑)。


ま、これもお国の差、システムの差。うちのチビが大学生になって留学したいとか言い出したらちゃんと調べさせないとね。

先生デビュー!!

2007年01月22日 | スペイン生活
覚えてるでしょうか?マヌちゃんが家庭教師の広告をネットにのっけたときについでにわたしの日本語教室の広告ものっけた、という小話。

その後、5、6件は問い合わせがありました。けど日本語を勉強したいという人はあくまで興味があるかも??程度でイマイチ本気じゃない感じ。「値段が安くて、グループで、(超郊外に住んでるくせに)うちまで来てくれて、時間も自分の空き時間に合わせてくれて~。。。だったらやってもいいかな??」くらいのもの。

ま、わたしとしても車なし妊婦、という身なので「授業の場所は移動しやすいうち、またはグラナダ中心街」という条件は譲れず、中心街だったらカフェテリアや大学構内の自習スペースでするしかないなと思ってました。そりゃなかなかかみあわないよね。なので結局実現に達したものはありませんでした。

一時期問い合わせが続いてあったけど、その後はぱったり。日本語の先生の話はベビーが生まれてからかなと思ってました。

ところがマヌちゃんが働き出した新しいアカデミー、オープンしたてのぴかぴかで、すべて試行錯誤中。でマヌちゃんがボスに、「うちの奥さん日本人なんだけど、日本語クラスなんてどう?」といったところのりのり!早速日本語クラスの広告まで作ってくれてたのです。

で、先日その広告を見てアカデミーに問い合わせが!時をあわせたように、マヌちゃんののっけたネットの広告にも問い合わせが!しかも「やる気だけはあります!」だって。どちらも完全初心者でこりゃグループできちゃうね!二人だけど。

というわけで新たに日本語クラスの可能性が上がったわけです。

わたしがOK出したので、ボスは早速問い合わせしてきた人にコンタクトをとるね!とのこと。うちらもメールをくれた人に「ここのアカデミーでやってるから連絡とって」という返事を返しました。

ボスは「日にちはいつがいい??水曜でもいいかな?」

おお!こんなに実行の速いスペイン人はじめてみた!

というわけで、わたしのスペインでの初めてのお仕事実現しそうです。ああ、どきどき。