訪問日:平成25年9月26日(木)
出 発:JR「弁天町駅」
到 着:JR「弁天町駅」
「東」「西」「南」「北」「中央」同様、地名ではない一般名詞を冠された「港区」。同名の区が東京都、名古屋市にもある。大正14年、西区から分区、新設された。人口約8万4千人。その名のとおり、大阪港を中心に発達したが、物流の中心が大型コンテナやタンカー、フェリーに移行してからは、専用埠頭を有する「大阪南港」「大阪北港」「堺泉北港」にその地位を譲り、現在は「寂れた」感が漂う。そんなちょっとレトロな港町を歩いてみた。
JR「弁天町駅」を午前9時30分スタート。
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付近は、元禄11年、新田開発され、開拓者の名から「市岡新田」と呼ばれた。その会所内に弁財天が祀られていたことが町名の由来とか。駅北側の「波除公園」内に「市岡新田会所跡」の碑が立つ(公園は、環状線で東西に二分されている。碑は西側の北西角に立つ)。
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そして弁天町駅高架下とすぐ東に隣接して「交通科学博物館」がある。東京の「交通博物館」同様、鉄道を中心とした交通関係の展示館として昭和62年1月、当時の国鉄により設置された(開館当時は「交通科学館」)。
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しかし、東京の交通博物館が、さいたま市にオープンした「鉄道博物館」に合併・吸収される形で平成18年閉館したのと同様、ここ交通科学博物館も平成28年をめどに京都・梅小路蒸気機関車館に新たに建設される鉄道博物館に吸収されるため、来年4月に閉館することが決定した。小さい頃何度か訪れた思い出の地も今回が最後だろう。
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「昭和の駅」が再現されている。
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「0系新幹線」というより「夢の超特急」だ。
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新幹線のほか特急などの運転席も公開されている。
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「交通」なので、鉄道だけというわけではない。
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「リニアモーターカー」が大阪を走る頃、私は生きているだろうか?
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屋外にも本物の汽車や車両が展示されている。
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私は、特に「鉄道ファン」というわけではないが、やはり「鉄道」や「国鉄」という言葉には哀愁のようなものを感じる。
交通科学博物館を後にして「ORC200」という高層ビルを左に見ながら国道43号線を北上。一つ目の交差点を左折するとすぐ右側に「ピアック東商店街」というアーケードが現れる。市営住宅1階と隣のビルの商店の間にかけられた40mほどの商店街で10ほどの店が並ぶ。
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「弁天」の町を抜ける。
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「寿温泉」と看板が掛かったお風呂屋さん(銭湯)。
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家並みを抜けると岸壁に出る。そして突き当たりに「弁天埠頭」。かつては九州、四国方面への定期客船が運航され、帰省客や観光客で賑わった。
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しかし、大阪南港にフェリーターミナルが開設され、現在はターミナルとしての役目を終えている。
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弁天埠頭向かい側の岸壁に沿って歩く。ここには民間の倉庫が並ぶ。ちょっと「ドブ臭い」海の香りがする。
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小型ではあるが船を間近に見ることができる。
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岸壁への通用門は、高潮や津波から町を守るための「防潮扉」も兼ねているようだ。
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ここからしばらく「田中」という町の中を歩く。
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5分ほどで大きな公園が現れる。「八幡屋公園」。
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以前、扇町公園にあった「大阪プール」と現在のNHKの場所にあった「大阪市立中央体育館」が移設されたスポーツ公園だ。
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体育館は、半地下式になっており、その上に植樹され「グリーンヒルズ」という丘になっている。
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公園から一旦「中央大通り」に出て「夕焼け橋」という歩行者・自転車専用橋で運河を渡る。
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頭の上には、阪神高速道路の「天保山ジャンクション」がカーブを描く。
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ここからは「築港」の町を歩く。ここは、「亀甲形」をした埋立地で、大阪港の中心だ。
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町は、防潮堤で囲まれている。
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水上消防署の角を曲がると「天保山公園」だ。
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ここには、日本一低い山といわれる「天保山」がそびえる?築山から山頂を見下ろす。
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山頂には、明治天皇が慶應4(1868)年4月、日本初の観艦式を行った際の「明治天皇観艦之所」の碑が立つ。
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そして、碑の裏に標高4.53mの二等三角点が。大阪人の「いちびり精神」で山岳会や山岳警備隊も設置されているとか。ただ、今まで1度も救難要請はないそうだ。
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公園の北側には「天保山渡船場」。大阪市内にある8つの渡しのひとつで安治川河口を此花区まで約5分で結ぶ。渡しで唯一「大正区」を発着地としない。(野里町歩紀~摂河泉をゆく~「みなとOSAKA」「市民の足『川底トンネル』と『八つの渡し』」参照)
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中央突堤から北側は、「天保山ハーバービレッジ」として再開発され、大観覧車や「海遊館」などの観光施設が並ぶ。
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その中のひとつ「マーケットプレース」2階には、「なにわ食いしんぼ横丁」という昭和の街並みを再現した飲食店街がある。
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作られた「昭和」だが、やはり懐かしい感じがする。
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突き当たれば海岸線に出るが、そこは以前「みなとOSAKA」で歩いたので、あえて街中を進む。ビル1階のお店の扉は「木製」。良い感じだ。
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やはり港に関連した店が目につく。
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中央大通りに出て右(海側)に曲がる。すぐに「商船三井築港ビル(旧大阪商船ビル)」。昭和8年頃の建築らしいが、その後、改築・増築され正式に「昭和**年築」とは公表されていないようだ。ただ、多くのレトロビル同様、取り壊しの運命にあるとか。もう高度成長期を過ぎた日本。何とか古いものと共存できないのだろうか。
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その隣には「天満屋」というレトロビルが並ぶ。このビルは、昭和11年の建築らしい。
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地盤沈下のため道路がかさ上げされ、「商船三井築港ビル」とともに、かつての1階が半地下になっている。
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大阪と奈良の府県境である生駒山をトンネルで抜けた中央大通りと地下鉄中央線(近鉄けいはんな線が乗り入れ)は、大阪平野を横断し、ここで海にもぐる。そして「大阪港咲洲トンネル」という海底トンネルとなって大阪南港の咲洲という埋立地の街(住之江区)に続く。さらに「夢咲トンネル」という海底トンネルで夢洲(此花区)まで続く。
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歩道橋で中央大通りと地下鉄中央線を渡り左に進むと古ぼけた(失礼)ビルが並ぶ。
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その内のひとつに「オーションビュー」という店がある。今日の昼ご飯は、ここと決めていた。時間は、午後0時15分。いつもの様に「時間どおり」だ。オムライス(700円)が有名な店でさっそく注文をした。ここのオムライスは、基本的にはケチャップをかけない。好みにより頼めば小さな器にケチャップだけを入れて持ってきてくれる。50円プラスで「大」もあるが、レギュラーサイズでも十分だ。
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このお店は、かつて「外洋航路」の船員さんたちを相手にしていたのか、店内には大蔵省認可の「両替カウンター」が残っている。
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食事を終え、海岸通りまで戻り左折する。ここの赤レンガ倉庫は、別の会社が使っているようだが「住友」のマークが残っている。
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そして、そのまま海岸通りを進んで行くと右に大きな赤レンガの倉庫が現れる。これが元「住友倉庫」だが、今は使われていない。
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横浜や神戸のように観光施設として活用する計画があるようだが、耐震化がネックとなっているようだ。
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倉庫前の広場から「港大橋」を望む。阪神高速道路の専用橋で、全長980m、世界第3位のトラス橋は、生駒山頂からも見える巨大な橋だ。
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住友倉庫の斜め向かいにある築港南公園の奥に「港住吉神社」。「住吉大社境外末社」とのことだ。昔、天保山にあったのそうだが砲台建設のため、最終的にここへ遷座したらしい。もちろん海の神様である「住吉四神」を祀る。
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今日、初めての神社で、いつものように「安全祈願」をする。参拝を終えて境内から出ようとすると、となりの中学校からサッカーボールが飛び込んできた。塀の向こうに投げ返してあげると、顔は見えないが「ありがとうございます。」という声が帰ってきた。
「難波津橋」で運河を渡り、阪神高速道路下の「第一突堤前」交差で左折。「浮島橋」で天保山運河を越える。「なみはや大橋(右)」と「千歳橋(左)」が見える。
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日本は、片田舎でも何でもない街中や道端でも自動販売機があり、給水には困らない。本当に助かる。
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携帯電話の普及により減ったが、公衆電話もそうだ。一部の外国人は、「日本は、道路に金庫が置いてある。」と言うそうだが、日本の治安の良さは、世界に誇れるだろう。
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500mほどでアーケードが現れる。
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八幡屋商店街。ちょうど「大」の字の形をした五叉路にあり、中央部の「ドーム」から放射線状にアーケードが延びる。
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付近には、市営住宅やマンションが建ち並び、買い物時には多くの人で賑わうのだろう。
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南に進みアーケードを抜け、入舟公園辺りから右に曲がり「八幡屋」の町を抜ける。
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突然、左にコンクリートの壁が現れる。階段があるので上ってみよう。
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何と、そこは「漁港」だ。三十間堀川という運河から250mほどドッグ状に堀込まれた舟溜まりで漁船が並ぶ。大阪市内には正式な漁港はないが、こうした舟溜まりがいくつか存在し、大阪市漁業協同組合という組織もある。ただ、統計上、港区内に住民票を置く人で漁業従事者は、ひとりもいない。
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結構、水はきれいだ。
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さらに「八幡屋」の町を抜ける。一体、何軒の世帯が入っているのだろう?
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ベイシティ大阪という高層マンションをぐるっと回り、人道橋で三十間堀川を渡る。「なみはや大橋(左)」と「港大橋(右)」が見える。
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「福崎」という町に入り、突き当たりを左折すると右に市バスの車庫や大きな倉庫群が見えてくる。ここは、かつて大阪環状線から引き込まれた貨物線の「浪速貨物駅」があった場所だ。
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「佐川急便」のフェンスに架かった、かつての看板や
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こんなところや。
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町内案内に名残が見られるだけだ。
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ところが、福栄橋という小さな橋で運河を渡ると、その右側に何やら。
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何と「線路」だ。「鉄橋」だ。私個人的には「近代産業遺産」級だと思う。
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ちょっと興奮してしまった。福栄橋から200mほどで「福崎住吉神社」。やはり港町だからか住吉神社が多い。
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参拝を終え南に進み、かつての貨物線の線路跡を越える。突き当たりに「甚兵衛渡船場」がある。
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尻無川という運河を渡る大阪市営渡船のひとつで、対岸は大正区だ。
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尻無川に沿って次の角を左折し、線路跡を渡って右折。貨物線跡は、雑草のグリーンベルトとなっている。
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途中で道は線路沿いから離れるが、次の角を右に曲がると元の線路跡に出る。そして、何とそこには「鉄路」が残されている。しかし、ここもいつかは線路が撤去され整地されてしまうのだろうか。
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こんな風景を見ると、二十歳のころに聞いた「鉄道草」という歌を想い出す。
♪小さい頃 私は 線路のそばに住んでた 朝夕に走る汽車に 子どもらしい 夢を見た
あの汽車に乗れば 何処かへ行ける それは 何処でもいいのさ ここより他の場所なら♪
感傷に浸っている場合ではない。もうすぐゴールだ。先を急ごう。
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国道43号線を越え、線路跡に沿って進む。ここらは高架のアンダーパスになっていたのだろう。石組みが時代を感じさせる。
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貨物線は、この先で大阪環状線と合流していた。
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左(北)に大阪環状線のガードが見えるので、そちらに歩き、手前の路地を左折する。目の前にはアーケードが。「繁栄商店街」
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130mほどの商店街を抜ける。
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「繁栄」とは、縁起の良い名前だ。
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しかし、やはり不況なのだろうか「シャッター街」化しているところもある。
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アーケードを抜けると国道43号線に出るので右折。交番の裏手から今日出発したJR「弁天町駅」まで280mほどの緑道が続く。
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午後2時50分。ゴールのJR「弁天町駅」に着く。地下には、地下鉄中央線「弁天町駅」も。本日の歩紀「27121歩」(23.32km)。
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弁天町駅前のビル最上階へ。特に展望台になっているわけではないが、廊下の窓から今日歩いた港区が一望できる。
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出 発:JR「弁天町駅」
到 着:JR「弁天町駅」
「東」「西」「南」「北」「中央」同様、地名ではない一般名詞を冠された「港区」。同名の区が東京都、名古屋市にもある。大正14年、西区から分区、新設された。人口約8万4千人。その名のとおり、大阪港を中心に発達したが、物流の中心が大型コンテナやタンカー、フェリーに移行してからは、専用埠頭を有する「大阪南港」「大阪北港」「堺泉北港」にその地位を譲り、現在は「寂れた」感が漂う。そんなちょっとレトロな港町を歩いてみた。
JR「弁天町駅」を午前9時30分スタート。
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付近は、元禄11年、新田開発され、開拓者の名から「市岡新田」と呼ばれた。その会所内に弁財天が祀られていたことが町名の由来とか。駅北側の「波除公園」内に「市岡新田会所跡」の碑が立つ(公園は、環状線で東西に二分されている。碑は西側の北西角に立つ)。
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そして弁天町駅高架下とすぐ東に隣接して「交通科学博物館」がある。東京の「交通博物館」同様、鉄道を中心とした交通関係の展示館として昭和62年1月、当時の国鉄により設置された(開館当時は「交通科学館」)。
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しかし、東京の交通博物館が、さいたま市にオープンした「鉄道博物館」に合併・吸収される形で平成18年閉館したのと同様、ここ交通科学博物館も平成28年をめどに京都・梅小路蒸気機関車館に新たに建設される鉄道博物館に吸収されるため、来年4月に閉館することが決定した。小さい頃何度か訪れた思い出の地も今回が最後だろう。
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「昭和の駅」が再現されている。
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「0系新幹線」というより「夢の超特急」だ。
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新幹線のほか特急などの運転席も公開されている。
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「交通」なので、鉄道だけというわけではない。
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「リニアモーターカー」が大阪を走る頃、私は生きているだろうか?
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屋外にも本物の汽車や車両が展示されている。
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私は、特に「鉄道ファン」というわけではないが、やはり「鉄道」や「国鉄」という言葉には哀愁のようなものを感じる。
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交通科学博物館を後にして「ORC200」という高層ビルを左に見ながら国道43号線を北上。一つ目の交差点を左折するとすぐ右側に「ピアック東商店街」というアーケードが現れる。市営住宅1階と隣のビルの商店の間にかけられた40mほどの商店街で10ほどの店が並ぶ。
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「弁天」の町を抜ける。
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「寿温泉」と看板が掛かったお風呂屋さん(銭湯)。
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家並みを抜けると岸壁に出る。そして突き当たりに「弁天埠頭」。かつては九州、四国方面への定期客船が運航され、帰省客や観光客で賑わった。
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しかし、大阪南港にフェリーターミナルが開設され、現在はターミナルとしての役目を終えている。
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弁天埠頭向かい側の岸壁に沿って歩く。ここには民間の倉庫が並ぶ。ちょっと「ドブ臭い」海の香りがする。
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小型ではあるが船を間近に見ることができる。
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岸壁への通用門は、高潮や津波から町を守るための「防潮扉」も兼ねているようだ。
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ここからしばらく「田中」という町の中を歩く。
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5分ほどで大きな公園が現れる。「八幡屋公園」。
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以前、扇町公園にあった「大阪プール」と現在のNHKの場所にあった「大阪市立中央体育館」が移設されたスポーツ公園だ。
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体育館は、半地下式になっており、その上に植樹され「グリーンヒルズ」という丘になっている。
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公園から一旦「中央大通り」に出て「夕焼け橋」という歩行者・自転車専用橋で運河を渡る。
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頭の上には、阪神高速道路の「天保山ジャンクション」がカーブを描く。
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ここからは「築港」の町を歩く。ここは、「亀甲形」をした埋立地で、大阪港の中心だ。
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町は、防潮堤で囲まれている。
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水上消防署の角を曲がると「天保山公園」だ。
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ここには、日本一低い山といわれる「天保山」がそびえる?築山から山頂を見下ろす。
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山頂には、明治天皇が慶應4(1868)年4月、日本初の観艦式を行った際の「明治天皇観艦之所」の碑が立つ。
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そして、碑の裏に標高4.53mの二等三角点が。大阪人の「いちびり精神」で山岳会や山岳警備隊も設置されているとか。ただ、今まで1度も救難要請はないそうだ。
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公園の北側には「天保山渡船場」。大阪市内にある8つの渡しのひとつで安治川河口を此花区まで約5分で結ぶ。渡しで唯一「大正区」を発着地としない。(野里町歩紀~摂河泉をゆく~「みなとOSAKA」「市民の足『川底トンネル』と『八つの渡し』」参照)
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中央突堤から北側は、「天保山ハーバービレッジ」として再開発され、大観覧車や「海遊館」などの観光施設が並ぶ。
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その中のひとつ「マーケットプレース」2階には、「なにわ食いしんぼ横丁」という昭和の街並みを再現した飲食店街がある。
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作られた「昭和」だが、やはり懐かしい感じがする。
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突き当たれば海岸線に出るが、そこは以前「みなとOSAKA」で歩いたので、あえて街中を進む。ビル1階のお店の扉は「木製」。良い感じだ。
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やはり港に関連した店が目につく。
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中央大通りに出て右(海側)に曲がる。すぐに「商船三井築港ビル(旧大阪商船ビル)」。昭和8年頃の建築らしいが、その後、改築・増築され正式に「昭和**年築」とは公表されていないようだ。ただ、多くのレトロビル同様、取り壊しの運命にあるとか。もう高度成長期を過ぎた日本。何とか古いものと共存できないのだろうか。
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その隣には「天満屋」というレトロビルが並ぶ。このビルは、昭和11年の建築らしい。
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地盤沈下のため道路がかさ上げされ、「商船三井築港ビル」とともに、かつての1階が半地下になっている。
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大阪と奈良の府県境である生駒山をトンネルで抜けた中央大通りと地下鉄中央線(近鉄けいはんな線が乗り入れ)は、大阪平野を横断し、ここで海にもぐる。そして「大阪港咲洲トンネル」という海底トンネルとなって大阪南港の咲洲という埋立地の街(住之江区)に続く。さらに「夢咲トンネル」という海底トンネルで夢洲(此花区)まで続く。
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歩道橋で中央大通りと地下鉄中央線を渡り左に進むと古ぼけた(失礼)ビルが並ぶ。
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その内のひとつに「オーションビュー」という店がある。今日の昼ご飯は、ここと決めていた。時間は、午後0時15分。いつもの様に「時間どおり」だ。オムライス(700円)が有名な店でさっそく注文をした。ここのオムライスは、基本的にはケチャップをかけない。好みにより頼めば小さな器にケチャップだけを入れて持ってきてくれる。50円プラスで「大」もあるが、レギュラーサイズでも十分だ。
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このお店は、かつて「外洋航路」の船員さんたちを相手にしていたのか、店内には大蔵省認可の「両替カウンター」が残っている。
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食事を終え、海岸通りまで戻り左折する。ここの赤レンガ倉庫は、別の会社が使っているようだが「住友」のマークが残っている。
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そして、そのまま海岸通りを進んで行くと右に大きな赤レンガの倉庫が現れる。これが元「住友倉庫」だが、今は使われていない。
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横浜や神戸のように観光施設として活用する計画があるようだが、耐震化がネックとなっているようだ。
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倉庫前の広場から「港大橋」を望む。阪神高速道路の専用橋で、全長980m、世界第3位のトラス橋は、生駒山頂からも見える巨大な橋だ。
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住友倉庫の斜め向かいにある築港南公園の奥に「港住吉神社」。「住吉大社境外末社」とのことだ。昔、天保山にあったのそうだが砲台建設のため、最終的にここへ遷座したらしい。もちろん海の神様である「住吉四神」を祀る。
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今日、初めての神社で、いつものように「安全祈願」をする。参拝を終えて境内から出ようとすると、となりの中学校からサッカーボールが飛び込んできた。塀の向こうに投げ返してあげると、顔は見えないが「ありがとうございます。」という声が帰ってきた。
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「難波津橋」で運河を渡り、阪神高速道路下の「第一突堤前」交差で左折。「浮島橋」で天保山運河を越える。「なみはや大橋(右)」と「千歳橋(左)」が見える。
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日本は、片田舎でも何でもない街中や道端でも自動販売機があり、給水には困らない。本当に助かる。
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携帯電話の普及により減ったが、公衆電話もそうだ。一部の外国人は、「日本は、道路に金庫が置いてある。」と言うそうだが、日本の治安の良さは、世界に誇れるだろう。
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500mほどでアーケードが現れる。
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八幡屋商店街。ちょうど「大」の字の形をした五叉路にあり、中央部の「ドーム」から放射線状にアーケードが延びる。
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付近には、市営住宅やマンションが建ち並び、買い物時には多くの人で賑わうのだろう。
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南に進みアーケードを抜け、入舟公園辺りから右に曲がり「八幡屋」の町を抜ける。
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突然、左にコンクリートの壁が現れる。階段があるので上ってみよう。
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何と、そこは「漁港」だ。三十間堀川という運河から250mほどドッグ状に堀込まれた舟溜まりで漁船が並ぶ。大阪市内には正式な漁港はないが、こうした舟溜まりがいくつか存在し、大阪市漁業協同組合という組織もある。ただ、統計上、港区内に住民票を置く人で漁業従事者は、ひとりもいない。
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結構、水はきれいだ。
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さらに「八幡屋」の町を抜ける。一体、何軒の世帯が入っているのだろう?
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ベイシティ大阪という高層マンションをぐるっと回り、人道橋で三十間堀川を渡る。「なみはや大橋(左)」と「港大橋(右)」が見える。
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「福崎」という町に入り、突き当たりを左折すると右に市バスの車庫や大きな倉庫群が見えてくる。ここは、かつて大阪環状線から引き込まれた貨物線の「浪速貨物駅」があった場所だ。
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「佐川急便」のフェンスに架かった、かつての看板や
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こんなところや。
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町内案内に名残が見られるだけだ。
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ところが、福栄橋という小さな橋で運河を渡ると、その右側に何やら。
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何と「線路」だ。「鉄橋」だ。私個人的には「近代産業遺産」級だと思う。
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ちょっと興奮してしまった。福栄橋から200mほどで「福崎住吉神社」。やはり港町だからか住吉神社が多い。
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参拝を終え南に進み、かつての貨物線の線路跡を越える。突き当たりに「甚兵衛渡船場」がある。
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尻無川という運河を渡る大阪市営渡船のひとつで、対岸は大正区だ。
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尻無川に沿って次の角を左折し、線路跡を渡って右折。貨物線跡は、雑草のグリーンベルトとなっている。
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途中で道は線路沿いから離れるが、次の角を右に曲がると元の線路跡に出る。そして、何とそこには「鉄路」が残されている。しかし、ここもいつかは線路が撤去され整地されてしまうのだろうか。
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こんな風景を見ると、二十歳のころに聞いた「鉄道草」という歌を想い出す。
♪小さい頃 私は 線路のそばに住んでた 朝夕に走る汽車に 子どもらしい 夢を見た
あの汽車に乗れば 何処かへ行ける それは 何処でもいいのさ ここより他の場所なら♪
感傷に浸っている場合ではない。もうすぐゴールだ。先を急ごう。
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国道43号線を越え、線路跡に沿って進む。ここらは高架のアンダーパスになっていたのだろう。石組みが時代を感じさせる。
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貨物線は、この先で大阪環状線と合流していた。
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左(北)に大阪環状線のガードが見えるので、そちらに歩き、手前の路地を左折する。目の前にはアーケードが。「繁栄商店街」
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130mほどの商店街を抜ける。
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「繁栄」とは、縁起の良い名前だ。
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しかし、やはり不況なのだろうか「シャッター街」化しているところもある。
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アーケードを抜けると国道43号線に出るので右折。交番の裏手から今日出発したJR「弁天町駅」まで280mほどの緑道が続く。
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午後2時50分。ゴールのJR「弁天町駅」に着く。地下には、地下鉄中央線「弁天町駅」も。本日の歩紀「27121歩」(23.32km)。
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弁天町駅前のビル最上階へ。特に展望台になっているわけではないが、廊下の窓から今日歩いた港区が一望できる。
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