「野里町歩紀 ~思いつくままに~」

野里町歩紀 ~摂河泉をゆく~ に次ぐ第二歩です

関西5珍名山を歩く3~清和源氏ゆかりの地と「舎羅林山」

2023-09-16 22:35:00 | 日記
訪問日:令和5年9月16日(土)
出 発:能勢電鉄「山下駅」
到 着:能勢電鉄「多田駅」

 思いがけない腰痛からの歩行困難と連日「熱中症警戒アラート」が発令されていたため休足中でした。おそらく今後は7、8月の歩紀は無理ですね。ちょっと考えないとね~。今日も暑いですよ。

 3座目は兵庫県川西市にそびえる(?)「舎羅林山」です。「しゃらりんさん」と読みます。200m級の低山で住宅地に囲まれていますので、所々急坂があるものの難路ではなく給水・トイレの心配もありません。ただ訪れる人が少ないのか踏み跡が貧弱でコースがわかりにくいのと、案内表示があったりなかったりなので結構迷いやすい山です。紙地図とYAMAPをダウンロードしておいた方が良いと思います。わが家から結構近いです。リハビリを兼ねて歩きました。


 能勢電鉄「山下駅」。阪急「大阪梅田駅」から「川西能勢口駅」で乗り換えて約40分(560円)。駅構内にベーカリーショップがあります(日曜日定休、午前10時開店)。今日は臨時休業のようです。


 午前10時、今日も元気に出発です。ここは「兵庫県川西市」。


 駅から少し歩けばスーパーがあります。10時オープンで何でも揃っているようです。ただ今日はコースの所々にコンビニや自販機があります。


 スーパーの前から道が狭くなりますが、駅前を真っ直ぐ進めばJAに突き当たります。すぐ右角には「東谷村道路元標」。この辺りはかつて東谷村と呼ばれたんですね。この突き当たりを左に曲がります。


 途中、交差点を渡りながら住宅街の細い路地をひたすら真っ直ぐ歩きます。


 「見野交差点」で国道173号線と合流しました。左へ曲がります。(午前10時9分)


 「タイヤ館」の手前に左へ入る小さな道があるので入って行きます。


 そのまま進めば賴光寺への看板があるので左に曲がりましょう。


 能勢電のガードをくぐります。


 ガードをくぐればすぐに「祥雲山賴光寺」に到着です。(午前10時18分)


 曹洞宗の寺院で看板にも書かれていたとおり「あじさい寺」としても有名です。


 約40年前の本堂建て替えに際して川西市観光協会から送られた100株のあじさいが今では約500株にまで増えたそうです。本当は6月下旬に訪ねるはずだったのですが、腰を痛めたことで見頃の時期は過ぎてしまいました。別ページ「のせでんに沿って」であじさいの時期に訪れていますので、そちらをご覧ください。


 源満仲の夫人である法如尼の発願で建てられたそうです。この辺りは「清和源氏」の祖である源満仲ゆかりの地なのです。


 先ほどの看板まで戻り左に進めば川西郵便局の前に出ますので高架下をくぐり右に曲がります。すぐ国道173号線と合流するので左折しましょう。角にセブンイレブンがあります。


 付近にはゴルフ場がたくさんあり、ゴルファー相手の喫茶レストランなのですがメインは「お好み焼き」。さすが関西ですね。


 ちょっとした峠を越えます。右には能勢電「一の鳥居駅」。能勢電はトンネルでくぐります。


 峠を越えれば左に「大阪青山大学北摂キャンパス」。(午前10時44分)


 ここにはお城の天守閣が建ちます。庭に立つのは左から塩川伯耆、織田信長、森蘭丸で「戦国三将の像」と言うそうです。


 ただ歴史的な城址ではなく「大阪青山歴史文学博物館」という大学併設の博物館なのです。体育館やテニスコートなどもあり一般に公開されています。この日も天守閣の前では体育会女子がトレーニングをしていました。


 案内に従い博物館入口に行きましたが、門は閉ざされていました。


 しかし模造とはいえ立派ですね。


 すぐ前の「一の鳥居交差点」で国道を横断し、さらに進みます。


 新名神高速道路と能勢電をくぐります。


 「しまむら」が見えてきますので、その手前の路地を入ります。


 そこは「多田平野湯之町温泉薬師庵跡」。ここは有馬温泉、一庫温泉と並んで「摂津三湯」と呼ばれた「平野温泉」が湧いていたところです。(午前11時11分)


 私が能勢電沿線に引っ越してきた頃にはまだ近くに温泉旅館がありましたよ。


 向かいにあるコーナンに行きたいのですが、国道は道幅が広く交通量が多い上、信号手前の下り坂を猛スピードで車が走ってきますので、すぐ先の「平野交差点」で信号を渡りましょう。角に「ほか弁」と「かつ&かつ」があります。


 コーナン前の橋で「塩川」を渡り店舗には向かわず左へ。橋の名前は「三ツ矢橋」。


 川沿いにはかつての温泉旅館跡があり、そこには今でも温泉が湧いています。温泉はパイプを伝ってそのまま塩川に流されており温泉の成分でコンクリートが赤く変色しています。鉄分なんでしょうね。「源泉かけ流し」ならぬ「源泉垂れ流し」ですね。もったいない。付近には硫黄の臭いが漂っています。


 旅館跡は廃墟のようです。


 かつての源泉である源泉地室は木々の中に埋もれていました。


 そして突き当たりには「三ツ矢サイダー発祥の地」。だから三ツ矢橋だったんですね。(午前11時28分)


 昭和29年に工場は移転し、今は「三ツ矢の塔」とその裏に「御料品製造所」や「三ツ矢サイダーの碑」などが残されています。コーナンができる前ここにはアサヒ飲料系列のホームセンターとファミレスがあったのですが、コーナンに変わってからは管理者が変わったからでしょうか残念ながら一般公開はされていません。


 門があり鍵がかかっているのですが、歩紀人は門の脇から入ることができます。その先には能勢電の踏切。「鉱泉裏踏切道」と言うようです。当時の名残ですね。


 踏切で能勢電を渡りましょう。ここから山道に入りますので当分コンビニ、自販機、トイレはありません。今の時期であればコーナンか店舗前の自販機で最低1リットルは給水しておきましょう。そのついでにお客用トイレを使用させていただきました。


 さあここからは「山歩紀」です。いつも能勢電の車窓から「この道はどこへ行くのかな?」と思っていましたが舎羅林山へのハイキングコースだったんですね。ただ最近開かれたコースのようでYAMAPにも載っていません。倒木を越えて進んで行きます。(午前11時31分)


 すぐ右に廃屋と崩れたコンクリートの建造物がありますが、脇道は私有地ですので入ることなくマナーのあるハイキングをしましょう。


 廃屋を過ぎれば右にコンクリートで固められた貯水槽。これは「鉱泉貯水槽跡」だそうです。


 貯水槽跡を過ぎれば右に「伊ノ谷川」を渡る小さな橋があります。ただ案内表示はありません。


 川を越えてどちらに進めば良いのでしょうか。案内表示はありません。右に踏み跡があったので右に入りました。


 途中、木の幹にテープが巻かれていたので進んで行きます。


 ところが途中で道がなくなりました。もう少し尾根に向かって登ってみたのですが道はありません。YAMAPでも出ません。完全に迷いました。元の川まで戻りましょう。途中目の前を70cm位のアオダイショウが横切りました。ヘビは嫌いなのですがそんなことは言ってられません。息は上がってるし、道を間違ったのは私です。何もしなくても勝手に逃げてくれるのでそのまま元の道に戻ります。


 先ほどの場所から今度は左に進みます。すぐに道が現れました。左に砂防ダムの堰堤が見えますが、ポイントでも目印でもないのでスルーします。(午前11時53分)


 やがてトラロープも見えてきました。やっぱりこちらだったんですね。「案内表示が欲しいな~。」


 急な坂を上り切ると、しっかりとした踏み跡が現れました。


 しっかりした道ですが倒木等も多いので軍手か百均手袋があった方が良いですよ。


 「スペイン坂分岐」に着きました。この下には住宅地があり地中海風に建てられた住宅が分譲されたため、住宅地を走る坂道がスペイン坂と呼ばれているそうです。案内表示に従い左に進みます。下れば住宅街を抜け、先ほどの平野交差点に戻ります。(午後0時)


 どんどん進んで行きます。


 チェーンソーで真っ二つに切られた倒木がありました。その間を進んで行きます。


 少し進めば左に岩が見えます。そこに上れば景色が開けました。ここは「展望の岩場」といい、住宅街の向こうに北摂の山々が一望できます。最高の眺めです。


 すぐ下にはバブル崩壊で放置されたままの広大なニュウータウン造成地跡が見えます。近々アマゾンの配送センターができるそうですよ。


 時間は午後0時10分。道に迷い10分ほどロスをしたので今日も腹時計は正確です。景色を眺めながら昼食にしましょう。


 今日は平野交差点角の「ほっかほっか亭」で買った「のりスタミナ弁当」(490円)です。ちょっと冷めていますが、冷めても美味しいのが弁当です。冷めたものを食べる習慣があるのは日本人くらいだそうですよ。だから「弁当文化」があるんでしょうね。日本人でよかった。


 食事を終え出発。岩場のすぐ下に温度計がありました。こんな風通りの良い山の上で「34.5度」。それも9月ですよ。(午後0時35分)


 案内表示はありませんので、岩場を左に見ながら進んで行きます。鉄塔があれば道は間違っていません。


 鉄塔をくぐってから案内表示がありました。「舎羅林山頂」方向に進みます。案内表示は早めに欲しいですね。


 いくつか倒木を越えて行きます。


 左の高台に進んで行くと「舎羅林山頂」に到着です。標高は264m。仏教寺院は町中のお寺であれ海辺のお寺であれひとつの「山」とみなされ「〇〇山〇〇寺」と称されるそうです。そして天徳2(958)年、源満仲がこの地に「舎羅林山石峰寺」というお寺を建立したことが山名の由来と言われています。3つ目の珍名山征服です。(午後0時41分)


 周りは木々で覆われており展望は効きません。ただ木の間から午前中に訪れた大阪青山歴史文学博物館の天守閣が見えました。


 さあ下山です。しかし案内表示はありません。山頂の前にしっかりした下り坂が見えるのですが、その道に進むと展望の岩場に戻ってしまいます。左の道に進みましょう。「案内表示が欲しいな~。」


 後から後から案内表示が現れます。神社方向に向かいます。迷う前に「案内表示が欲しいな~。」


 赤いリボンの向こうにケルンが組まれています。その先に右に入る分岐があるので入りましょう。


 少し進めば案内表示が。このTの字を右に曲がったのです。どうして曲がる前に案内表示がないのでしょうか???「あっそうか。逆コース専用の案内表示のようです。」舎羅林山は時計と反対回りに登らなければならないんですね。私は「逆行」していたようです。


 こんな熊笹道を進んで行きます。ヘビが出そうで嫌だな。


 やがて十字路に出ました。左に曲がります。(午後0時57分)


 角に案内表示があります。「お地蔵様」方向に進みます。


 広いしっかりした道です。


 「火の用心」の標識に書かれている数字は鉄塔の番号です。「33号鉄塔」方向に向かいます。


 少し進めば案内表示がありました。この後、案内表示の「上ケ芝霊園」方向に曲がります。


 右にお地蔵さまがありました。「オン カカカビ サンマエイ ソワカ」


 分岐点が現れました。真ん中に「招き猫」がいるのですが、どちらに招いているのでしょうか。案内表示がないのでわかりません。(午後1時4分)


 取り敢えず右に進みYAMAPで確かめました。間違っていなかったようです。握りしめているのは「スズメバチ撃退スプレー」です。あと能勢電ハイキングの地図も持ってきました。今回はこの地図とYAMAPに助けられました。


 途中右に川西市方面の住宅地が見えます。


 33号鉄塔が見えてきました。


 その先に表示がありました。「鼓ケ滝」方面ではなく右に曲がります。


 右に目をやれば「上ケ芝霊園へ」の表示がありました。進みましょう。


 赤いテープが見えましたので間違いないでしょう。


 坂を下っていくと何やら広場のような場所に出ました。


 その先にあった標識を見ると「しゃらりんの森」。ボランティア団体の皆さんが里山を守るために整備されているそうです。


 罠によるイノシシ・シカの駆除をしているようです。


 地図、YAMAPのとおり大きな池がありました。


 「あぶない」の看板にはヘビの抜け殻。1mくらいありましたよ。一皮むけてまた大きくなったんでしょうね。


 もう少し歩けば道が開けます。振り返ればここにも「しゃらりんの森」看板。(午後1時22分)


 砂利道ですが車が入っているようです。


 個人墓なので撮影は控えましたが、右に墓地が見えてきました。


 霊園を過ぎれば舗装道に出ます。ここで「山歩紀」はおしまいです。左に曲がりましょう。


 向こうにはよく買い物に行く「イズミヤ」が見えます。この突き当りを左折。


 坂を下るとすぐ右に大きな屋敷が現れます。電柱「邪魔」ですね。(午後1時27分)


 「東多田夢勝庵」という旧庄屋宅で国の登録有形文化財に登録されています。


 長屋門も立派ですね。蔵は江戸時代に建てられたそうですよ。


 振り返って稲刈り前の黄金田越しにもう1枚。


 この先で道が二つに分かれるので右へ。少し進めばさらに分岐しますので右へ。東多田公民館の前を進んでいきます。


 こちらからも黄金田越しに東多田夢勝庵が見えます。


 そのまま住宅街の狭い道を真っ直ぐ進めば駐車場のある角で右から道が合流してくるので左に進みましょう。その先には能勢電の踏切。渡ってから線路沿いを右に進みます。


 すぐに能勢電「多田駅」に着きます。ここは本日のゴールなのですが、もうちょっと歩きましょう。(午後1時44分)


 駅の前には「多田御社道」と刻まれた石標が立ちます。横の案内表示が示す「多田神社」にお参りします。1.2kmだそうです。先に見える「多田駅前交差点」で国道173号線を横断します。


 お地蔵さんを左に見ながら進みます。この道は春になれば桜がきれいですよ。


 ベリタスという病院を過ぎます。うちの娘はここで出産しましたが産婦人科はもうありません。


 車がすれ違うのもやっとという狭い道を進んでいきます。


 住宅街を抜けると右にこんもりとした森が見えてきました。


 石垣に沿って進んでいけば右に「多田神社」。石段を挟んで右に社号標が立ちますが、左には「多田院」の石標。(午後2時5分)


 石段を上り途中で後ろを振り返れば「御社橋」という赤い橋が猪名川をまたぎます。石段を上ってしまうと電線が邪魔になりますよ。


 階段を上れば「南大門」。兵庫県指定重要文化財です。


 南大門をくぐれば左に手水舎。コロナ禍以降、龍の口から水は流れていません。竹筒から出る水で身を清めましょう。


 社務所を過ぎれば「随神門」。江戸中期に建造された国指定の重要文化財です。


 「拝殿」に着きました。多田神社は第56代清和天皇の曾孫である源満仲が天禄元(970)年、天台宗の寺院として建立し、明治初期の神仏分離令により神社となったそうです。だから石段下に多田院の石標があったんですね。


 奥には「本殿」。江戸中期の寛文7(1667)年に建立された国指定の重要文化財です。源満仲を祖とする「清和源氏」はその後繁栄を極め、満仲ら五公がここに神として祀られています。神々しい雰囲気ですね。暑さが吹っ飛びます。


 さあ参拝を終え南大門まで戻ります。すぐ横には参拝者用トイレと休憩所。その横に自販機がありました。ここで帰り支度をします。(午後2時18分)


 同じ道を多田駅まで戻ります。


 そして先ほど通った本日のゴールである能勢電鉄「多田駅」に到着です。時間は午後2時56分。本日の歩紀「18995歩」(12.91km)。歩数・距離的には少ないですがYAMAPでは240mほどの高低差がありました。市街地に囲まれた低山ですが結構荒れたコースで案内表示も不十分です。途中誰ともすれ違いませんでしたし、絶好のビュースポットで弁当を食べましたが誰も通りませんでした。山を「独り占め」してたんでしょうね。それなりの準備と心構えで山に入りましょう。ここから川西能勢口駅で阪急に乗り換え「大阪梅田駅」まで約35分(510円)。腰を痛め一時左足が動かなくなりましたが何とか回復したようです。これからも無理をせず歩きたいと思います。


 今日はゴールが早かったので晩ごはんまでちょっと時間があります。軽くビールでも飲んでひとり打ち上げをしましょう。多田駅前交差点の角には「餃子の王将」があります。ここは国道173号線沿いの広い駐車場がある大きな店舗です。


 国道沿いにありながら駅前でもあります。生ビールセット(902円)で乾杯~。
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