未来は見えないけど過去も見失っていまいか

　コロナ禍のメディア評やSNSの話を見ると、日本は人口の割に患者や死者が少ないとか、日本人はモラルが高いから大丈夫みたいな事をつるつる言う人がいるのはわりと怖い。

　パンデミックで大勢の死者がまだ出ていないのは、現場で立ちふさがってくれている人たちの努力のおかげであって、外野で喋っている人たちは何一つ貢献していない。
　自分の仕事や生活を切り捨て自粛した文化芸能畑の関係者や、家族との時間を割いて戦ってくれてる医療や物流を最前線で支えてる人たちの努力を軽く見ないでほんとに。

　と思ってふと、ひと月前まではここまでの深刻度はなかったよなと思ったし、2ヶ月前のダイアモンドプリンセス号の時は水際で止められるものだと半分以上信じていたような。

　話は変わるけれど4ヶ月前には、首相の広告塔だった元TBS記者の山口敬之氏の性犯罪が明らかになったんだ。ずっと性犯罪被害者が攻撃され続けた理不尽に疑問を投げかけに本でのMe Too運動の後押しになった事件だったよな。

　1年前には東大の入学式で、上野千鶴子先生が大学入試において女生徒に対する差別が明らかになって、その暗黙の差別があり続けた事、その理不尽が社会に認識されはじめた事をはっきり生徒たちに自覚的であるようにと話しかけたんだったな。

　私はこのトシになって、こんなに自分の考え方が揺さぶられた1年はなかったよ。

　そしてこの8年の間に、特定秘密保護法とか安保法とか国の信頼をいつでも壊せる法案を作りまくって何度もはっきり汚職と呼べる行為を繰り返して検察とつながり国営放送を党のプロパガンダ放送に使い市民から集めた税金を27兆円も海外に垂れ流しても、なぜか40％以上の支持率を維持し続けた首相に

やっとこ「なんか変なんじゃ？」と言い出す人が増えてきたのが、このコロナ禍なのか。

せめてもう半年はやく動いてくれていれば、非常事態に対応できたろうにと断腸の思いだ。
ばっちゃはとても怒っているよ。