のそのそ日記

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11年前のこと

2015-02-19 14:50:00 | ノンジャンル
 しばらくもんもんしていたこと。(もんもん話でごめん)

 先月、邦人がISに誘拐され殺された事件の後で、友達が「(被害者の)母親がやたら出たがりで気味が悪い」と言い出した。

 いや、だって2004年のイラク人質事件の時、被害者の家族がテンパって表に出なかったら、ものすごいバッシングの嵐が吹き荒れたじゃない。あれ以来誘拐系の事件の時は、家族かまたは弁護士とかの代理人が必ず表に出てコメントを出すようになったんじゃ。

…と答えたら、その時はふーんで終わったけれど、直後に来た他の友達に「被害者も母親も変な宗教やっているからこういう事になったよね」と話していて、話をふられた友達もその通りだねと受け答えていたので、10年たってもやっぱり自己責任バッシングはあるんだな、と気持ちが真っ暗になった。

 こういう話が気になるのは、多分私が新聞ひねり読みを始めたきっかけが、似たような納得いかないバッシングだったからだと思う。
 小さい頃に金大中拉致事件があって、中学生の頃読んだ関連報道からは「韓国の野党のトップが日本の暴力団に拉致されたけど、これが韓国政権側のアクションかどうか日本側からはつっこめなくて苦慮」って感じの事件だと思っていた。
 ところが近くの大人たちが、なぜか被害者の金氏をたたきまくっていたので混乱したのね。国内のごたごたに日本を巻き込みやがって的な。なぜ加害者をたたかないかというと、明らかに加害者は隣の国の大統領だから、弱いほうの当事者をたたいておけと。
 これは真に受けたらえらいことだな、と子供心にびびった出来事だった。

 ちなみに2004年のイラク人質事件の時は、読売系が全力であおっていたってのを後で図書館で調べてみて知った。
 調子にのった議員が「人質解放には20億かかった」とか「被害者家族に請求も考えてる」とか言ってたけど、実際かかった費用は1千万で全部被害者家族が都度支払い済みだったって話も最近知った。

 なによりあの狂ったようなバッシングが急に消えたのは、日本の報道の加熱ぶりを怪しんだアメリカのパウエル国務長官に「日本人は、イラク人のために危険をおかして現地入りする市民がいることを誇りに思うべきだ」とちょめっと言われたからだったとな。

 前に「相棒」の最初の映画が、この2004年の事件をモデルにしているなと思ったんだけど、現実の幕引きはフィクションよりずっと残念なものだったのだな。

 今回、理不尽に終わった事件はほんとにいたましい、だけどヨルダンもエジプトも日本のトップも勇ましく報復してやると吠えているなかで、後藤さんちのおばさんだけが「報復の連鎖にしちゃいけない」といい続けてるのを無視してええんか。
 どんな活動にも是非はあるから、本気で被害者を非難したい人もちゃんといると思う。(たとえば家族に海外で活動ししているジャーナリストがいるお宅とか)でもなんとなく勢いで拳をあげるんじゃなく、その都度都度に自分はこれが正しいと思うか嫌じゃないのかとか、外野なりに考えるのは必要だなと思ったのよ。

コメント
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