起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

未払の配当を請求されたら?

2005-09-30 00:32:16 | 商法
株主が増えてくると、所在不明の株主が現れ、中には配当金の受取りを何年もしない株主が出てくることがあります。
それでは、何年も配当を受取っていない株主から過去の配当を支払うように要求されたら、何年まで支払う必要があるのでしょうか?


突然思い出したように配当を受取る株主はあまりいませんが、こんな例がありました。
何年も配当を受取っていない株主がいましたが、この株主(法人)が倒産してしまいました。破産管財人が配当を何年も受取っていないことに気づいて配当を支払うように要求してきたケース。
会社は、未払を3年分計上していましたが、3年経過して支払を請求する株主はほとんどなかったので雑益として処理していました。


基本的には、民法上の債権の消滅時効は10年なので、最高10年分支払う必要があります。
しかし、10年も未払配当を管理しておくのは大変です。
そこで、定款で除斥期間を定めておくという方法があります。

定款で除斥期間を定めていれば、それまでの配当のみ支払えばOKです。
定めがなければ、10年分です。
定めをしていない会社は、定款に記載しておきましょう。



(参考)
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<民法167条(債権等の消滅時効)>
1 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。


<定款の記載例> 
第XX条 利益配当金が支払開始の日から満3年を経過しても受領されないときは、当会社はその支払義務を免れるものとする。利益配当金には利息をつけない。

<株主への通知の記載例>
当社は定款により、配当金のお支払期限を支払開始から3年としており、支払開始から3年以上経過した配当金については除斥期間を経過したものとして、ご請求いただいてもお支払いすることができません。配当金はお支払い開始後お早めにお受け取りください。 それぞれの配当金の支払期限は、株主様にお届けする「郵便振替支払通知書」の裏面に記載しております。


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