病気療養中のおじいちゃんの顔を見に&だんなの顔を見せに、月2ほどのペースで高速をカチ飛ばしておじいちゃん宅にお邪魔していた時期があった。
フルタイム勤務の合間をぬってだったため、さすがに疲れを隠しきれなかった私に、おばあちゃんがいいものを作ってくれるという。
おじいちゃんが大好きで、暑さで食欲がなくてもこれだけは口にするという、野菜ジュースらしい。
カゴメの野菜ジュースは結構好きで、たまに飲んでいる私である。大好きというからには美味しいに違いない。どんなものができるんだろう、と、わくわくしながら待っている私の前で、おばあちゃんの手に、見覚えのあるごつごつした緑の物体が握られた。
ゴーヤだった。
驚く私の目の前で、男らしく真っ二つに割られ、これまた男らしく指でざっくりと種が取り除かれるゴーヤ。お料理本で苦いからのけろと書いてある白いワタの部分はばっちり残っている様子であるが、そのままミキサーへと入っていった。
っえええっ生ですかっ、とちょっと引いている私の目に次に入ってきたのはピーマン。
これまた二つに割られ、同じように種を取り除かれたが、そのままミキサーへ入れられることなく脇に置かれる。
それはどうするんですか、と問うた私に、鍋に水を入れながらおばあちゃんはこう言った。
「そのまんまじゃあ苦いばってん、茹でるったい!」
いや、もっと苦いものが大量に、しかもダイレクトに生で入ってますよ???
根本的な疑問は解消されないまま、おばあちゃんはミキサーに次々と食材を投入していく。
以下、その内容を列記してみよう。
・最初から入っていたゴーヤ(生)半分。
・りんご、半分。
・旬の巨峰、5つぶ。
・フレッシュな桃、半玉。
・おいしそうな赤梨、ふた切れ。
・ピンググレープフルーツ、ふたふさ。
・茹で上がったピーマン。
なんかもったいないという気持ちが湧き上がってきてたまらないのは気のせいか。
そこにさらに、仕上げの調味料が投入された。
・はちみつ、カレースプーン1杯。
・黒酢どぼどぼっと。
そしてミキサーのスイッチオン。
一挙に緑に染まるミキサー内。あからさまにゴーヤ色である。
攪拌が進むごとに、それはさらに深い色に変化していき、最終的に、どこかで見たことがあるような色になった。
かすかな記憶をたどると、それは、子供の頃、危ないから近寄るなときつく言われていた底なし沼の色であるような気もする。
そんな思い出にひたる間もなく、ついに完成、「野菜ジュース」。私の目の前で、未知の世界の蓋が開かれた。
とりあえずコップに移そうとミキサーのカップを傾けたが、いっかな流れていかない物体X。よく考えれば、材料の中で液体っぽいものは黒酢だけであり、当然の結末である。
溶岩のようにというべきか、アメーバ状というべきか、とにかく、もったりとしてとてもじゃないが「ジュース」と言ってもいい状態ではない。仕方ないのでスプーンでこそいでムリヤリコップに移した。
とりあえずコップ入れたけど、飲み物じゃないし・・・。
物体Xを前に固まっている私に、おばあちゃんが私にカレースプーンを差し出してきた。
「ほれっ、味見てみ!」
『絶望』という言葉が、私の頭をよぎった。
フルタイム勤務の合間をぬってだったため、さすがに疲れを隠しきれなかった私に、おばあちゃんがいいものを作ってくれるという。
おじいちゃんが大好きで、暑さで食欲がなくてもこれだけは口にするという、野菜ジュースらしい。
カゴメの野菜ジュースは結構好きで、たまに飲んでいる私である。大好きというからには美味しいに違いない。どんなものができるんだろう、と、わくわくしながら待っている私の前で、おばあちゃんの手に、見覚えのあるごつごつした緑の物体が握られた。
ゴーヤだった。
驚く私の目の前で、男らしく真っ二つに割られ、これまた男らしく指でざっくりと種が取り除かれるゴーヤ。お料理本で苦いからのけろと書いてある白いワタの部分はばっちり残っている様子であるが、そのままミキサーへと入っていった。
っえええっ生ですかっ、とちょっと引いている私の目に次に入ってきたのはピーマン。
これまた二つに割られ、同じように種を取り除かれたが、そのままミキサーへ入れられることなく脇に置かれる。
それはどうするんですか、と問うた私に、鍋に水を入れながらおばあちゃんはこう言った。
「そのまんまじゃあ苦いばってん、茹でるったい!」
いや、もっと苦いものが大量に、しかもダイレクトに生で入ってますよ???
根本的な疑問は解消されないまま、おばあちゃんはミキサーに次々と食材を投入していく。
以下、その内容を列記してみよう。
・最初から入っていたゴーヤ(生)半分。
・りんご、半分。
・旬の巨峰、5つぶ。
・フレッシュな桃、半玉。
・おいしそうな赤梨、ふた切れ。
・ピンググレープフルーツ、ふたふさ。
・茹で上がったピーマン。
なんかもったいないという気持ちが湧き上がってきてたまらないのは気のせいか。
そこにさらに、仕上げの調味料が投入された。
・はちみつ、カレースプーン1杯。
・黒酢どぼどぼっと。
そしてミキサーのスイッチオン。
一挙に緑に染まるミキサー内。あからさまにゴーヤ色である。
攪拌が進むごとに、それはさらに深い色に変化していき、最終的に、どこかで見たことがあるような色になった。
かすかな記憶をたどると、それは、子供の頃、危ないから近寄るなときつく言われていた底なし沼の色であるような気もする。
そんな思い出にひたる間もなく、ついに完成、「野菜ジュース」。私の目の前で、未知の世界の蓋が開かれた。
とりあえずコップに移そうとミキサーのカップを傾けたが、いっかな流れていかない物体X。よく考えれば、材料の中で液体っぽいものは黒酢だけであり、当然の結末である。
溶岩のようにというべきか、アメーバ状というべきか、とにかく、もったりとしてとてもじゃないが「ジュース」と言ってもいい状態ではない。仕方ないのでスプーンでこそいでムリヤリコップに移した。
とりあえずコップ入れたけど、飲み物じゃないし・・・。
物体Xを前に固まっている私に、おばあちゃんが私にカレースプーンを差し出してきた。
「ほれっ、味見てみ!」
『絶望』という言葉が、私の頭をよぎった。
ぜんぶがゴーヤに負けてました・・・・
黒酢さえも・・・
フルーツ、そのまま食べたかったっす・・。
ゴーヤは苦いよ、半端じゃなく・・
実家のばあちゃんも今年は豊作だってくれるけど
近所に横流しするもん。
ちなみにだんなの、ですよー。
そういえばさっき、ほうれんそう(生)も入ってたことを思い出しました(怖)。
「苦いは薬」のお家柄だからか、一族みんな苦いのには超耐性があるようで・・・。
ゴーヤ生とか、とても口に入れようとは思わないですよね!!!
だんな一族、おそるべしです。