年度末である。
同時に、現在はテレビの番組編成時期でもある。
テレビは見飽きたような内容の特番まみれである。そして、その中には、たいてい、一定の年齢の奥様方向けの内容のものが含まれる。そう、石原○次郎である。
例にもれず、私の母も彼を崇拝している。友達とツアーで北海道に旅行に行ったときは、一部別行動をとって一人タクシーを飛ばし、記念館に行ったほどだ。ちなみにその時彼女はTシャツ(黒地に一輪の赤い薔薇、その横に達筆な「YU○IRO」の文字)を買って帰り、娘たちの顰蹙をかったが、今も気にせず愛用している。
それはともかく、この時期流れる彼の映像は、私にかなり昔のあることを思い出させる。
あるとき、姉が母に名前の由来を聞いた。小学校の宿題で、自分の名前の由来を調べるというのが出たらしい。答えは、「美しい鈴のように育つように」というなんとも綺麗なものだった。ついでに語ったもう一人の姉の名は、半世紀前文学少女だった母の趣味で、教科書にも載っている某有名詩集にちなんだものである。
そこで母は何故か口を閉ざした。当然私のものが気になる。口ごもる母に何度も攻撃をしかけて、ようやく得た答えは、
「○次郎さんから」
は?
当時小学校低学年の私は意味がわからないのでもう一度聞きなおした。
「石原○次郎さんの○の字を取って」
はい~~?それだけ?
「それだけ」
私も小学校の宿題ででたら何てこたえたらいいんだろう、と真剣に悩んだ、小学生のあの日・・・。それからしばらくは、姉とのあまりのギャップにテレビで名前を聞くたび悲しくなっていたが、もし私が男だったら長男なのに○次郎と名づけられていただろうことを思うと、ぜんぜん平気になった。
が、名前の漢字を説明するとき、2回に1回は反射的に「石原○次郎の○」と答えてしまって相手に変な顔をされる。
同時に、現在はテレビの番組編成時期でもある。
テレビは見飽きたような内容の特番まみれである。そして、その中には、たいてい、一定の年齢の奥様方向けの内容のものが含まれる。そう、石原○次郎である。
例にもれず、私の母も彼を崇拝している。友達とツアーで北海道に旅行に行ったときは、一部別行動をとって一人タクシーを飛ばし、記念館に行ったほどだ。ちなみにその時彼女はTシャツ(黒地に一輪の赤い薔薇、その横に達筆な「YU○IRO」の文字)を買って帰り、娘たちの顰蹙をかったが、今も気にせず愛用している。
それはともかく、この時期流れる彼の映像は、私にかなり昔のあることを思い出させる。
あるとき、姉が母に名前の由来を聞いた。小学校の宿題で、自分の名前の由来を調べるというのが出たらしい。答えは、「美しい鈴のように育つように」というなんとも綺麗なものだった。ついでに語ったもう一人の姉の名は、半世紀前文学少女だった母の趣味で、教科書にも載っている某有名詩集にちなんだものである。
そこで母は何故か口を閉ざした。当然私のものが気になる。口ごもる母に何度も攻撃をしかけて、ようやく得た答えは、
「○次郎さんから」
は?
当時小学校低学年の私は意味がわからないのでもう一度聞きなおした。
「石原○次郎さんの○の字を取って」
はい~~?それだけ?
「それだけ」
私も小学校の宿題ででたら何てこたえたらいいんだろう、と真剣に悩んだ、小学生のあの日・・・。それからしばらくは、姉とのあまりのギャップにテレビで名前を聞くたび悲しくなっていたが、もし私が男だったら長男なのに○次郎と名づけられていただろうことを思うと、ぜんぜん平気になった。
が、名前の漢字を説明するとき、2回に1回は反射的に「石原○次郎の○」と答えてしまって相手に変な顔をされる。