ノイバラ山荘

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ぐるっとパスで回るミュージアム①

2011-02-01 18:51:15 | 美術
「ぐるっとパス」で回るミュージアム!
いただきもののパス大活躍です!

期限の3か月のうちにいったいいくつ回れるのでしょう??
年末年始の忙しい時期と重なって苦戦でしたが、
かなりの善戦といえるのではないでしょうか!
あと残すところ一週間となり、経過報告です。

①夢美術館「水木しげるの世界--ゲゲゲの展覧会」 12/19
②北区飛鳥山博物館 12/24
③古代オリエント博物館 1/21
④世田谷美術館「佐藤忠良展」 1/25
⑤泉屋博古館別館「中国青銅鏡」 1/28
⑥大倉集古館「きらめきの近代」 1/28


①まずは地元の夢美術館です。
 
夢美術館の前は国道20号線で、
甲州街道八日町宿の碑が立っています。

特に鬼太郎のファンというわけではありませんが、
テレビドラマの「げげげの女房」は面白かったです。

入り口のディスプレイ。
ここではテレビの水木しげる特集番組の放映もしていて、
1時間半の番組をばっちり最後まで観てしまいました。


「妖怪道五十三次」の出来がよくて、
広重の東海道に出現する妖怪たちを楽しみました。

実際に木版画で刷られたものもあり、
色彩など遠くから見るとそっくりです。

水木しげるさん自身、彩色に昔ながらの染料を
取り寄せて使ってらっしゃるそうで、これは
紙芝居を描いていらした時代からなのだそうです。

むちゃくちゃ絵のうまい方だったのだなーというのは、
少年時代からの画を見るとわかりますし、
10代後半に描かれていた絵本の挿絵などは、
今でも十分通用するファンタスティックな絵柄です。
戦前戦中にこのような世界を受け入れる余裕が
日本にはなかったのでしょう。

そのまま従軍し南方の島で亡くなられていたら、私たちは
水木しげるの世界を知ることができませんでした。
しかしこの方は強運の持ち主なのですね。
九死に一生を得て、左手を失いながらも右手で描きつづけ、
ゲゲゲの世界を作り上げられたのです。

こういう特集を見る良さというのは、
固定観念や思いこみで遠ざけていたのが、
狭い見かたであったのだと気づかされることなのだと思います。


②北区飛鳥山博物館は飛鳥山公園にあります。
    
実は隣接の「紙の博物館」が目的でしたが、
ぐるっとパスには月曜定休と書いてあったのに金曜定休で、
仕方なくこちらを観たのですが、期待を裏切られる面白さでした。
博物館というと面白くないというイメージですが、
展示に随所楽しませる工夫がしてあります。


このような舞台がしつらえてあって
 
幕があがると映像が映し出され近世の歴史を勉強することができます。


飛鳥山は江戸時代からの桜の名所なのだそうです。
広重をはじめとして浮世絵にたくさん描かれています。
吉宗が桜、松、楓を植えさせ、老若男女が集い賑わっていました。
当時イギリス人が水と緑の豊かな飛鳥山を訪れ、
風光明媚な郊外に感嘆しています。
茶屋や料理屋もあり、花見を楽しむ様子は
郊外のピクニックの楽しさを発見したばかりの
イギリス人の目には珍しかったようです。


近所には石神井川沿いの滝野川など渓谷と紅葉の名所もありましたが、
現在では当時の面影はないようです。


王子稲荷神社のキツネも有名、落語にもなっていて、
CDで落語を楽しむめるサービスもあります。


日本最大規模、中里貝塚の展示も壁面いっぱいの貝!

かわいい模様の土器です・・真似できるかな?


③古代オリエント博物館は池袋サンシャインビルにあります。
これも全く期待していなかったのですが、予想外に楽しく、
3時間も遊んでしまいました。
 
あちこちに遊び心がある展示で、たとえば何でもない鉄の扉に
マグネットのジグソーパズルが用意してあったりします。
楽しかった!
実は写真はNGですが、あまりに面白かったので・・(・ω・;A ごめんなさい

展示品でことに興味をひきつけられたのが、
交易のハンコとして使われた印章で、
普通の形のハンコもあれば、円筒型のものもあり、
これはハンコ作りのプロがいたのだろうと思わせられる完成度でした。

おみやげに買ったのは、
紀元前3000年の円筒印章のレプリカとエジプトの猫の置物。
この印章は馬と人と葡萄の文様で、
実際に使えるということですので、わくわくしながら買って帰りました。
さっそく先日、職場で陶土にころころ回しながら押して
たくさん見本の食器を作りました。
最近は「土とモノの出会い」をテーマにしていて、
拾った葉っぱやそこらへんにあるカッターなど文房具や
計量スプーンなどを押しつけて模様をつけているのです。
5000年も昔の模様との出会いなんて、ステキです!


④世田谷美術館は初めてではありませんが、
企画展の佐藤忠良さんは好きな彫刻家です。

ほとんどの作品は観たことがありますが、展示室入ってすぐ、
札幌オリンピックのために作られたという鹿は初めてみました。
砧公園を借景として、素晴らしい展示でした。


ここのお気に入りはレストラン「ル・ジャルダン」

広々とした窓から楽しめる公園の緑が気持ちいいのと、
サービスがさりげなくて、心地よいのです。
なかなかこんなレストランに出会うことはありません。
なんとかいう格付けの冊子には載らないかもしれないけれど、
私の★★★★★です。
 
この日のランチは子牛のクリーム煮。

洋梨のタルトをデザートに頼みました。
もちろんお料理も申し分ありません。

 
砧公園の梅も咲きはじめていました。


ミュージアムグッズのにゃんこと子猫のピッチのティースプーン。
にゃんこは左右の手足が紐でつないであって、動くのです。


⑤泉屋博古館別館は六本木一丁目下りてすぐ。
以前一度来たことがありますが、こじんまりとした建物もいい感じです。

ソファーのあるロビーでお茶のサービスが受けられるのも嬉しいです。
飲食禁止のミュージアムが多くて、2時間もうろうろしていると
結構しんどいものですが、たつぷりと水分を補給して、
たくさんの青銅鏡を見ました。
普段あまり見つけないので、各部の名称から勉強です。

紀元前の殷の時代から7、8世紀の唐の時代のものが何といってもいいです。
幼龍の螭(ち)やライオンのような狻猊(さんげい)、
一角獣の辟邪(へきじゃ)など、ヘンテコな生き物の文様が面白い。
時代が新しくなると普通の模様になってしまいます。


⑥大倉集古館は泉屋博古館すぐそばですが、初めてです。

ここは建物が素晴らしい!

昭和3年に完成した、中国風の建物の、

屋根は銅ぶきできれいな青銅色になっています。
戦災を免れたのですね。

隣接のホテルオークラもその青銅色を合わせてあるのだそうです。
ホテルオークラを見るのも初めてですが、
思っていたよりクラシックでいい感じです。
ここは昭和30年代に建っています。
  
最初にお庭から回りました。
龍がいっぱいいます。
龍は建物内部の漆喰の天上にもレリーフがあります。

   
お水やりをしていた職員の方が
いろいろな説明をして下さいました。
 
お庭の石塔の頭部などは「関東大震災で壊れた」そうで、
年季の入り方が違います。

設計の伊東忠太さんは築地本願寺を設計なさった方ではありませんか!
築地本願寺でも寺院らしからぬ
階段の手すりの異形の生き物に仰天したものですが、
ここもいますいます。

階段の手すりや屋根の上!
さきほど観た青銅鏡にいたような異形の生き物が!
 
庭の香炉には何やらユーモラスな蝙蝠!

 
バルコニー。

椅子まで設計されているそうです。
 
 
手すりの雲模様は、内部にも繰り返し使われていました。
展示品よりも総合芸術と言うべき建物の印象が強かったです。

あと一週間でいくつ回れるでしょうか??
体調に気をつけてがんばりたいと思います!









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