ノイバラ山荘

花・猫・短歌・美術な日日

映画月イチ歌舞伎「幽玄」「ヤマトタケル」から「永遠の門」まで

2019-11-15 17:00:00 | 映画
みなさま、こんにちは(^ω^)

台風の10月、穏やかな11月、いかがお過ごしでしたか。

ノイバラは短歌の歌会、勉強会と
母の病院付き添いなどをしつつ、
鎌倉、犬山、常滑を訪れ、
久しぶりに落語を聞き、
絵画を見て過ごしました。

その間に見た映画4本。


月イチ歌舞伎「幽玄」
坂東玉三郎と太鼓芸能集団「鼓童」のコラボ。


橋本MOVIXでやっている月イチ歌舞伎、
玉三郎の出ている回はなるべく見ようと、
特別鑑賞ムビチケカード3枚セット(5,400円)
を買いました。1回2100円なので、お得です。

 
「幽玄」では能の代表的演目「羽衣」「道成寺」「石橋」を題材に、
力強い太鼓の音を融合させて、日本の美を描きます。


玉三郎は舞台の主演・演出に加え、
映像編集・監修をつとめ、
新たな世界を作り出しています。
素晴らしかった~。さすがだわ~。


月イチ歌舞伎「ヤマトタケル」
「古事記」を題材に哲学者、梅原猛が
三代目市川猿之助(現 猿翁)のために書き下ろした、
日本神話のヤマトタケルの波瀾に満ちた半生。
初演は昭和61(1986)年、
猿之助(現 猿翁)自身の演出によります。
来夏には「スーパー歌舞伎Ⅱヤマトタケル」も上演されるそうです。


市川猿之助演ずるタケルが熊襲征伐のため、
大和の女に扮するシーン。
し、しかし・・「美しい」と言われても、
私にはがっちりした中年男性にしか見えず
かなりの想像力が必要となりました。
コメディでもあったのか?(違)
(ファンの方ごめんなさい)


次に注目されるのは何と言っても
香川照之こと市川中車と初舞台の市川團子親子でしょう。
中車がタケルの父(景行天皇)、團子が子(のちの仲哀天皇)として出演しています。

 
父に命じられ、南へ北へと休む間もなく
闘いに明け暮れるタケル。


最期は大和を望む鈴鹿峠のふもと能褒野で
「やまとしうるはし」と亡くなります。


白鳥となって大和へ帰るタケル。
華麗かつ感動的な舞台に最後は泣きました(´;ω;`)
素晴らしかった~。
(歌舞伎はよくわからないので、語彙が少なくなる)


「真実」
是枝裕和監督作品。ということで見に行きました。


カトリーヌ・ドヌーブ演ずる女優とその娘が
家族の絆をとりもどすまでの葛藤が描かれています。

「万引き家族」の密度と比べると
映像はきれいだけど物足りなさを感じました。、
ドヌーブファンは彼女を見ているだけで満足でしょう、
ドヌーブのドヌーブによるドヌーブのための映画です。
娘役のジュリエット・ピノシュ、よかったです。


「永遠の門」

何度も映画化されたゴッホの映画。
死後出版された書簡をベースに、
新たに発見されたデッサンのことも折れ込まれ、
最期は「自殺ではなかった」という衝撃のラスト。


アルルでは戸外での制作に打ち込むゴッホ。
ゴッホ役のウィレム・デフォーは
第75回ヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞、
他の賞にもノミネートされています。
今まで怪しい悪役として見ることが多かったですが、
まさにこの狂気を孕んだゴッホは、はまり役でした。


テオとフィンセント。アルルの病院で。


ゴーギャンと「黄色い家」でジヌー夫人を描く。


有名な「耳切事件」。

自殺ではなかったというのは、銃弾の入る角度が
自分で撃ったにしては不自然ということらしいのですが、
確定的な証拠はないようです。
「私は銃を持ったことはない」というゴッホの
医師への最期の言葉は映画の中だけのものでしょうか。

すべては謎ですが、
私には事故死であった方が
与えられた境遇と闘いぬいた彼の最期として
ふさわしいものと思えました。
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9月から10月 所用と台風、読んで作って書いて

2019-10-25 15:33:52 | にゃんこの寄り道
みなさま、こんにちは(*'ω'*)

10月は台風19、20。21号と毎週台風にやられていますが、
みなさま被害はございませんか。

9月下旬は怒涛のスケジュールでした。

東京歌会、校正、堺歌会訪問、高野山、
勉強会2つ、研究会、英語勉強会同窓会・・。
そのための歌会記・訪問記執筆、勉強会のための歌提出・・。
読んで作って書いて、読んで作って書いて・・(・ω・;A ふーふー

10月に入ってからはいくぶん楽でしたが、
それでもルーティンの用事があります。

母のグループホームに隔週で通い、
着替えや靴、薬、雑誌をもっていったりきたり、
2つの病院に連れて行って帰って・・。
信綱の語彙研究も月2でやっているので、
自宅でノルマの品詞分解をしておかねばなりません。
毎月の勉強会と隔月の勉強会、3か月に一度の勉強会の準備。
それに加えて今月から毎月歌評をすることになりました。
また読んで作って書いて・・(・ω・;A ふーふー

しかし、台風の時に無理してでかけなくていいのは、
仕事をやめたおかげです。
大雨ごとに国道が通行止めになり、
水が漬いた道を使って迂回すれば混雑で遅れ、
電車を使おうとすれば間引かれ、
今月の台風ではついに電車もストップしました。
職場あたりに避難勧告も出ています。
ああ、こんな時に行かなくてもいいんだと
心底有難い気持ちになりました。

体力の遅々とした回復と相談しつつ、足を労わりつつ、
なるべく出かける用事は減らしているのですが、
それでも家人ノイバラ、歌人ノイバラ走り回っております。

いろいろな場面でみなさんとお目にかかり、お世話になりますが、
どうぞよろしくお願いしますにゃん。(´・ω・`)



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母の帯状疱疹

2019-09-14 11:23:44 | 日常
みなさま、こんにちは(*'ω'*)

長かった残暑も一息ついて、秋らしくなりましたね。
朝晩は長袖でもいいくらいの涼しさ。
いかがお過ごしですか。

「帯状疱疹」ってご存じですか。
水ぶくれがうわーっとできて、ひどく痛むということ、
お年寄りがなるということ。
・・くらいしか知らなかったのですが、
この度、母が帯状疱疹となりました。

どの説明を見ても、最初はちくちく痛んで、
体の左右どちらかに帯状の発疹が出て、
水ぶくれになってひどく痛む、と書いてあるのですが、
年齢が進むと個人差が大きくなるらしい。
母は頭痛から始まり、顔右半分に発疹はでたものの、
ほとんど水ぶくれもなく、皮膚が痛むということは全くなかったようです。

最初の頭痛の段階で、
まずホームかかりつけの内科医に脳溢血を疑われ、
「脳神経外科に行ってください。」
MRI検査をしたけれど異常はなく、
「神経痛でしょう」との診断。
「頭の神経痛ってあるのかぁ」と痛み止めをいただいて
ホームに送り届けた数日後、
顔に発疹が出たので、ホームの方が
先のかかりつけ内科医に診せてくださったところ、
帯状疱疹特有の症状ではないので診断がつかず、
今度は「皮膚科へ行ってください」

以前母がかかっていた皮膚科に連れていって、採血。
顔の発疹にはステロイド軟膏をいただき、
1週間後、再び受診。
水疱瘡の抗体がほとんどないということで、帯状疱疹確定。
やっと飲み薬をいただきました。

この飲み薬を1週間飲んで、落ち着いたようなので、
こんどは1ヶ月、再び痛みがでないように違う薬を飲ませます。
その薬を飲み終わったら、再び採血。
一週間後の結果で抗体ができているようなら、
それで終了らしい。

残暑厳しい8月下旬から3週間の間に4度、
家→ホーム→病院→ホーム→家を繰り返し、
一段落したところです。

通院はこちらでさせねばならないのですが、
軟膏を塗ったり、薬を飲ませたり(+常時飲ませている薬と目薬)は
ホームの方がやってくださるので、何と楽なことでしょう。

しかし心労と過労のため、今度はノイバラが体調不良。
よろよろと行った内科で「帯状疱疹ワクチン」があるのを知って、
体調が整ったら接種できるよう、予約してきました。
私までもが帯状疱疹になるわけにはいかない。

今週末からハードスケジュール・・。
お薬2種類飲みながら、よろよろは続きます。

何とか、元気でいてくれ、母よ。

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映画「Sir(あなたの名前を呼べたなら)」から「引っ越し大名」「トールキン」まで

2019-09-10 20:53:33 | 映画
みなさま、こんにちは(*'ω'*)

この2ヶ月にみた映画6本です。
美術館の暗さと字の小ささに目が追い付かなくて(´;ω;`)
しかもこの作品は昔観たことがあるな~と思うと、
猛暑の中でかける気力もなく・・。
映画館は座っていていい、目が楽、
観たくなければ寝ていてもいいので、
体力の落ちた私には何よりの娯楽です。


「あなたの名前を呼べたなら」
まずはBunkamuraル・シネマ。


原題は「Sir」というのですが、
こちらの方がずっといいです。
「あなたの名前を呼べたなら」だと、甘ったるい恋愛ものか~
それならインド映画だから、突然踊りだしたりするのかな~
と思って観たら、全然違いました。

ずっと「Sir」と呼んで仕えていた御曹司を
最後の電話でやっと「アシュヴィン」と呼んだラトナ。

階級の差、貧富の差をのりこえようとする意志が
その一言に現れていて、すごくいいタイトルと思います。

ムンバイ出身の女性監督ロヘナ・ゲラが
経済発展著しいムンバイを舞台として
女性の自立を描いたラブロマンス。


「カーライル」@Bunkamuraル・シネマ

ニューヨークの五つ星ホテル
「ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル」の魅力を
ホテルを愛したセレブたちや従業員の証言で描き出すドキュメンタリー。


ジョージ・クルーニーは見たような気がしますが、
あとは寝てしまっていたので、よくわからない。
出演するセレブをよく知らないし・・
五つ星には縁のない私・・。


「命みじかし、恋せよ乙女」@立川キノシネマ


これは樹木希林の遺作というので、観たかった作品です。
「万引き家族」「あん」「モリのいる場所」「日日是好日」、
そして「命みじかし、恋せよ乙女」と最期の映画はどれもよかった。

 
死んだ人が出てくるのですが、かなしくて美しくて。
希林さんは説得力のある演技でした。


「引っ越し大名」@立川シネマシティ


「のぼうの城」の犬童一心監督の作品というので、
わくわくしながら見ました。


しかも星野源主演。高橋一生が幼馴染役、高畑充希が妻役。
及川光博が大名松平直矩役・・今が旬の役者さんばかりで、楽しかった~。


江戸時代、国替え(引っ越し)を命じられた
大名を中心とするお侍たちの七転八倒を
ユーモアたっぷりに描いています。
お金がないのを知恵と真心で乗り切ったのは
「のぼう」と似ているかなぁ。


国替えの距離が半端ないです~。
この映画は兵庫から大分の引っ越しですが、
このあとも東北を行ったりきたり。
大名松平直矩、幼少時は江戸に残ったこともあったようですが、
彼の代に7回も引っ越したらしいです・・。
参勤交代のみならず、国替えで
藩はどんどん貧乏になるのですね。
史実とは少し違うらしいけれど、
日本史苦手の私でも面白かったです。


「ディリリとパリの時間旅行」@恵比寿ガーデンシネマ
予告編でアニメーションの美しさに魅了されてしまいました。
昔のディズニー映画のような優美な動きです。


ベル・エポックと呼ばれた
19世紀末から20世紀初頭の美しいパリが舞台。
ニューカレドニアからやってきた
小さな女の子ディリリと友だちのオレルが、
パリで頻発する少女誘拐事件に巻き込まれ、
事件を解決に導くまでを描きます。


きら星のごとき有名人たち・・パブロ・ピカソ、
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックや、
オペラ座の人気歌手エマ・カルヴェ、大女優サラ・ベルナール、
科学者マリー・キューリーら素敵な女性たちが力を貸してくれます。
大好きな時代にタイムトリップできて、ああ、素晴らしかった。


「トールキン」@立川キノシネマ
『指輪物語』の作者J.R.R.トールキン。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」は見たものの、
彼のことはほとんど知りませんでした。


孤児となるも、母親の友人で後見人となってくれた
モーガン神父のサポートにより、
名門キング・エドワード校への入学を果たしたトールキン。
そこで3人の仲間と出会い、
「芸術で世界を変えよう」と互いに誓い合います。


妻となるエディスと。
第一次世界大戦より生還したジョンと結ばれます。

第一次世界大戦の戦闘シーン、
次々と親や親友を失っていく体験は壮絶で、
「指輪物語」のあの世界の深さは
こんな体験が反映されているのだろうな、
と思いました。いい映画でした。


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徳島全国大会、軽井沢、そして秋へ

2019-08-22 10:17:26 | 日常

みなさま、こんにちは(*'ω'*)
ご近所のたぬちゃんです。
よく遊びに来てくれます。


雷雨がしばらく続いて、
朝夕すっかり涼しくなりました。
猛暑日はもうないでしょう。


8月は短歌の歌会、勉強会がないので、
1ヶ月のんびりできると思っていましたが、
あまりのんびりした実感もなく、はや下旬。
結社誌、東京歌会の締め切りが近付き
さらに勉強会3つのことも考えねばならない状況。

ひとつひとつのことに以前より
エネルギーを消耗するようになったので、
充電時間が余計に必要となってしまいました。
まるで古くなったバッテリーのよう・・。
(実際古くなってますが)


7月26日(金)~29日(月) 徳島全国大会。
8月4日(日)~5日(月)   軽井沢の矢代朝子さん朗読会。
(余裕があれば後日記事をアップします。)
これら泊りがけの夏のビッグイベントを
何とか無事に乗り切りました!
そればかりか軽井沢では朝のお散歩も復活しました。

知らない土地のことを調べたり、
こまごまとした自分のスケジュールを考えたり、
切符の手配をしたりパッキングしたり
間違いなく集合時間に集まる団体行動も
いいリハビリになっているのだと思います  。

以前は何気なくやっていたことが、
これほど複雑なことだったのかと・・。


1年半前、脳みそがおそらく一度半壊して、
膨大な感情を処理することに忙殺され、
現実の目の前のことには反応できるけれど、
空間、時間をふくめて想像する、考える、
俯瞰するということができなくなっていました。

ですから、歌は作ることができるし、
歌集を楽しむことはできるのですが、
以前からあまり得意でなかった
歌集について何か書く、とういうことが
とてつもない拷問のように感じられました。


ダメな時には無理しても仕方ないです。
楽しいことをしながら
自然と回復するのを待つしかありません。
どこまで以前通りになるのか自信はないけれど、
できることからやっていきましょう。

季節の変わり目ですので、
みなさまもどうぞご自愛ください。





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映画「アラジン」から「シンク・オア・スイム」まで

2019-07-23 23:11:51 | 映画
みなさま、こんにちは(*'ω'*)

この2か月の間に映画5本を見ました。


ディズニー映画「アラジン」
1992年アニメーション作品の実写化。
ほぼアニメーションと同じストーリーと聞いていましたが、
ややっ、ジャスミンが国王になりたいとなっ!!
時代の流れなんでしょうね。
王子さまを待ち望むプリンセスから、
ついに国王となるプリンセスまで。
80年の時の流れは少女のあこがれのプリンセスを
作り変えてしまったのでした。


アラジンとジャスミン。


ランプの魔人、ジーニー。ウィル・スミスが演じています。
魔法のじゅうたんに乗って飛び回るシーンは
スピーディでスリリングでした。
時々「うん? インド?」という場面もあり、
もともとファンタジーの世界なので、フュージョンokなのでしょう。

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府中で月イチ歌舞伎の「鷺娘 / 日高川入相花王」を見ました。
玉三郎を見たいと思っていましたが、
ようやく6月になって行くことができました。
私が行った日は解説付きで、ラッキー。
「日高川・・」の方は特に
人形浄瑠璃を模しているということ、
聞かなければわからなかったと思う・・(・ω・;A


「鷺娘」美しゅうございました。
舞台中央、彼がひとり衣装を脱いで変化していくだけで
ストーリーがわかってしまいます。
よくできているな~、と感心。


「日高川入相花王」清姫が蛇になって川を渡る場面ですね。
映画は見やすかったです。
歌舞伎座では全体を中央から見るいい席には座れないです~。

        ***********



「アマンダと僕」
フランス映画。
夏のパリ。突然の悲劇で姉を失った青年と、
母を亡くした少女が、悲しみを乗り越えるまでを描く。


新しい「家族」が淡々と描かれていて、心にしみました。

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「マーウェン」

1ヶ月前、近場に映画館ができて、初めて行ってみました。
デパートの8階、こじんまりしていて、割と地味な作品をやっています。
椅子がデラックスで大変気に入りましたので、2作、午前午後に見ました。

あまり期待していなかった「マーウェン」、意外な面白さです。
フィギュアがリアルに動き回る画面に引き付けられました。
最後、マークが自ら作り出したフィギュアの架空の世界に癒されて
勇気をもって新たな一歩を踏み出したところで泣いてしまいました。

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「シンク・オア・スイム」

男性のシンクロだというので、コメディかと思ったら、
それぞれの男たちがかかえる事情が結構シリアスでした。
世界選手権に向けてハードトレーニングが始まったので
多少は体型が変わるのかと思ったら、
ずっとおじさん体型なのでした・・(・ω・;A
う~む、あの体型でメダルはとれないだろう、ふつう・・。
しかし、ファンタジーなんだよな、と納得して
しみじみとした結末に満足しました。

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母、グループホームへ

2019-07-18 14:29:19 | 日常
みなさま、こんにちは(*'ω'*)

ついにブログトップに広告がでてしまうようになり、
むむ、そうか、ついに60日やすんでしまったか・・(・ω・;A

怒涛の2ヵ月間でした。

5月の末、3月に見学した母のグループホームより
空きが出たと連絡があり、それからが猛烈な忙しさ。

さまざまな手続き、面接、
買い物、引越し屋さんの手配と荷造り、
紹介状と薬のために6つの病院をハシゴして、
6月の中旬に母を入所させたときには
へとへとでした。

頼まれたものや足りない家具をもって、
2度ほど通いましたが、それ以来、
「空の巣症候群」状態です。

朝になるとこれまでのように母の部屋などを見回って
「ああ、もう必要ないのだ」と、
しかし、日に何度もろうろしてしまいます。
庭も必要ないのに見回ったりしているうちに、
泣けてきます。

そのほかは何もする気力がおこらず、
夜もよく眠れなくなって、「これはいけない」と調べてみると、
介護のあとにも「空の巣症候群」はおこるそうで、
母の命をあずからなくなって楽になったはずなのに、
精神的に苦しいのはこのせいだったのか、
と納得しました。

母とは46年間一緒に暮らしました。
何度も何度も、母が認知症になってからのことを反芻し、
かかりつけ医に「もう限界でしょう、グループホームを探しなさい」と
言われたことを思い出し、グループホームをいくつも見学したこと、
引越し前後のごたごたを思い出し、
こうするより他にはなかったのだと
自分を納得させています。

子を失って体調不良が続く中で、
よくやったではないかと自分を納得させるのです。

しかし、そうして自分を納得させても
子と母が相次いでこの家を去ったことは
悲しみでしかありません。

がらんとした家は本当に「空の巣」です。
夫が仕事に行っている間は不安でたまらなくて、
なるべく外出しますが、家にいるときには
アルコールの力を借りて楽になります。

といっても、ビール一缶ほどの量で気分がよくなるので、
日によってワインやハイボール、いろいろと楽しんでいます。

体調不良が始まってから1年半ですが、崖をよじ登るように
少しずつ少しずつできることを増やしてきました。
それが1年前にもどってしまった感じです。

入所から1ヶ月たちましたが、
グループホームの方がよくみて下さるので、
母はすっかりなじんでいるようです。

「帰りたい」とホームシックになる方もいらっしゃる、
あるいは週に一度は連れて帰っている方も、
と聞いていたので、拍子抜けしてしまいました。

近くの保育園の子たちが遊びに来たり、
スタッフの方に買い物やお散歩に連れていっていただいて、
食事も作っていただけるし(配膳のみ)、
洗濯もほとんどやっていただき(畳むだけ)
ほかのこともできることはやらせるようにしていただいています。

みんなと一緒にいたいときはリビングで過ごし、
疲れた時は個室で過ごし、新聞を読んだり、お昼寝しているようです。
団体生活ではありますが、窓からは公園の大木が見えますし、
外出は自由なので、気が楽なのだと思います。

もう少し元気になったら、また顔を見にいこうかな。
スタッフの方には「なるべく来てあげると、忘れられないですよ~」と
言われるのですが、母が私を忘れる日は必ず来るわけで、
それが早いか遅いかの違いです。

忘れる、というのは、本人にとってストレスを減らすことでもあるので、
忘れることが母にとって楽になることならば、
忘れられるのもまたいいことかと思いました。


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蕗の葉おむすび

2019-05-18 13:53:13 | 飲食
みなさま、こんにちは(*'ω'*)


薫る風と青い空と。
お出かけも楽しいし、
家にいるだけでも幸せになります。
いかがお過ごしですか?


最近のお気に入りが蕗の葉おむすび。

蕗の葉で蕗みそは作ったことありますが、
わが家で食べるのは私だけ。
しかも最近お米のご飯の量と回数が減っているので、
蕗みそはほとんど消費できません。
よって、仕方なく葉っぱは捨てていたのですが、
「なんてもったいないことをしていたんだ!」
というお気に入りの食べ方を発見しました。

塩昆布、鮭など好きな具を入れて、
これもお気に入りの十二穀米のおむすびを作り
海苔の代わりの蕗の葉で包むだけです。


蕗の葉は「苦い」というイメージでしたが、
茹でて、しばらく水にさらすと全く苦みはなくなります。


葉を広げて塩を振って
サランラップで挟んで
冷蔵庫に保存しつつ、
大体3、4日で使い切ります。


この時は蕗と一緒に山ウドも買ってきました。
皮と固い葉、茎はすべてキンピラにしましたので、
捨てるところはありませんでした。


全部で蕗の煮物とウドの酢味噌和えとキンピラになりました。
いつものおうちごはんです。

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映画「日日是好日」から「ダンボ」まで

2019-05-10 12:48:55 | 映画
昨秋の「ボヘミアン・ラプソディ」以降の備忘録。
すでに上映終了しているものもあります。

2018年11月

「日日是好日」
森下典子が茶道教室での日々をつづり人気を集めたエッセイ
『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』を、
黒木華主演、樹木希林、多部未華子の共演で映画化。
お茶の先生役の樹木希林、素晴らしかった。
多部未華子も黒木華も好きな女優さんなので、好演うれしく。
お茶室での四季が静かに丁寧に描かれ、
主人公は人生での大切なことに気付いていく。
滝の掛け軸の前で滝を感じるシーンなど、
絵画の鑑賞に通じるところがあって、興味深く見た。


「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」
「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J・K・ローリングが自ら脚本を担当し
同シリーズと同じ魔法ワールドを舞台に、
魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの冒険を描いた
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」から続く物語。
黒い魔法使いとの対決が軸となっており、前編よりも戦闘的。
ファンタスティックな魔法生物に会えるのを楽しみにしていたので、
少しがっかりする。
「ハリー・ポッター」でもだんだんと戦闘主軸になって、
悲しくなったが、同じ感じ。

2019.2月

「メリー・ポピンズ リターンズ」
1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の20年後を描いた続編。
大恐慌時代のロンドンが舞台。
バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、
あのメリー・ポピンズが再び家族の危機を救う。
前編は見たはずだが、すっかり細かいことを忘れていて、
見ながら復習した。単純に楽しかった。

2019.3月

「翔んで埼玉」
魔夜峰央原作の「 翔んで埼玉」の実写映画化。
壇ノ浦百美役を二階堂ふみ、麻実麗役をGACKTが演じた。
監督は「テルマエ・ロマエ」シリーズの武内英樹。
魔夜峰央とキャスティングにわくわくしながら見にいき、
埼玉ネタにずっと大笑い。
この感覚は日本人だけにわかるものかと思っていたら、
地域格差は海外でもあるらしく、同じく大ウケ。
アメリカ・シカゴで行われたアジアン・ポップアップ・シネマで
観客賞を獲得したのに続き、
イタリアで開催された第21回ウディネ・ファーイースト映画祭で、
マイ・ムービーズ賞を受賞したという。


「ねことじいちゃん」
大好きな動物写真家・岩合光昭の初監督作品というので、
ぜひぜひと思い見に行った。
ねこまき原作の同名コミックを落語家の立川志の輔主演で実写映画化。
主演のにゃんこには大満足だったが、
タレント猫さんたちがきれいすぎるのに違和感を感じる。
仕方がないことだろうが。

2019.4月

「マイ・ブックショップ」
「ダンボ」を見るつもりが時間を間違えて行って
代わりに見た映画だったが、映像が美しく満足。
ロケ地は北アイルランドの Portaferry や Strangford らしいが、
イギリスの海辺の町サフォーク州ハードボローが舞台。
自然と町並みが美しい。
愛する人を喪い、親しい人に裏切られながらも
最後のシーンで灯った希望。
精神状態不安定の今の私には辛くて
「ハッピーエンドにしろ!!」な感じだったが、
秀作と思う。


「ダンボ」
子供の頃、アニメで見た「ダンボ」を実写で見られるとは。
長生きはするものである。
ネズミさんたちの活躍が見られなかったのは残念だが。
代わりにサーカスの子供たちが重要な役をつとめる。
子供たちを対象にした作品なので、
子供たちを励ましたかったのだろう。
アニメよりも人間臭い作品になっていたが、
これはこれで楽しめた。



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新茶

2019-05-08 20:28:28 | 日常

みなさま、お久しぶりでございます(*'ω'*)


いつの間にか時代は令和。


お元気でいらっしゃいましたか?


ノイバラはぼつぼつと日常を送っています。


無理しても仕方ないので、
相変わらず「参加を目指す」レベルですが、
それでも先日は徳島まで2泊3日、
全国大会の下見に行ってきたので、
昨年よりも回復していると思います。


ダメならダメなりのペースがあるものです。


1日に2つ以上の予定を入れない。
外出はものすごく無理しても3連荘まで。
1日がんばったら1日休む。


これならば寝込まず、うつ状態にならずに
過ごすことができます。


今月は4つの歌会があり、それぞれの準備を
少しずつやっています。

 
10連休後半はお庭の草むしりをしました。


裏庭にお茶の木が4本あったのを忘れていました。
八十八夜には少し遅れましたが、新茶を摘みました。
130グラムの収穫でした。


お祖母ちゃんがやっていたのを思い出し・・まず蒸します。


フライパンで炒って、揉みます。
ああ、いい匂い。


さらに気長に炒ると、何やらそれらしいものができました。
ネットで検索してみると、
どうやら茎はとらないといけなかったらしいですが、
一緒にしてしまいました。

 
それでも、淹れると香り高い新茶です。大成功。
数日楽しむことができますね。


徳島土産の「笹がすみ」でお夕食。
鰹のたたき、モッツァレラチーズとトマト、
寒天サラダ、ワサビの花。
連休中は遠出はせずに、近くの公園でお弁当食べたり、
こんなふうにお酒を楽しんだり。


これはね、酒の肴の豆腐の奈良漬。
奈良漬の酒粕をすてるのがもったいなくて
とっておいたのに、一日お豆腐をつけておいたら、
乙な一品になりました。

こんな感じで毎日暮らしております。
この美しい5月を皆さまもどうぞお元気にお過ごしくださいね。

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湯島天神から上野へ

2019-02-27 14:10:22 | 楽しいところ

みなさま、こんにちは(*^_^*)

そうだ、梅を見に行こう !
思いたって、湯島天神に行ってまいりました。

近所の梅はもう散り始めているから、
湯島はとっくに散ってしまったかなぁ・・
と心配しつつ行ったのですが・・。


あ、見つけた。
湯島駅からすぐなのですが、建物の陰で分かりにくいです。

 
女坂。こちらは神社北側にあたるらしいです。

 
よかった~。まだ蕾がいっぱいです。

 
広重の絵によれば、昔は最上段より振り返ると
不忍池が見えたらしいです。


男坂。


本殿。湯島天神、正しくは湯島天満宮というらしいです。
ただいま、梅まつり開催中。

 
受験生のお願いがたくさん下がっています。


ひゃ~、お参りするだけで並ぶのですか~。
並ぶのが苦手なノイバラは、遠くからお参りしました。
心のひろい神さまはきっと見ていてくださるに違いないっ(´・ω・`)

 
銅鳥居。

 
梅園は梅のいい香りで、人がいっぱい。

   


確か、ここは枝垂れ梅だったと思いますが、
鈴なりの絵馬のために切り詰められています。

 
牛さんは菅原道真公の乗り物なのか~。

 
あっ、本殿裏で猫発見。


お昼は「鳥つね」で親子丼をいただきます。
ランチメニューは親子丼のみ。

 
ここの親子丼は甘めの汁だく。
鶏のお吸い物と食べ放題の胡瓜のお漬物つき。

メニュー1種類のせいか、おどろくべき早さで出てきます。
マクドナルドより早いくらいです。


ここから不忍池までは歩いて5分。
不忍池から湯島方向を振り返ってみました。


蓮も枯れていますにゃ。


おっ。

 
ここで鵜・鴨・鷺以外の鳥と遭うのは珍しいです。

 
嘴も脚も赤いので、ユリカモメだと思います。

   
北の方から渡ってくる冬鳥なのだそうです。


上野公園内を散策。河津桜が咲いていました。


初めての五條天神社。桜と梅が同居しています。

 
あまりいいお天気だったので、
ベンチでコーヒーと桜シューアイスを。
これは神代植物園で食べたバラのシューアイスと同じシリーズです。


おみやげ。桜のお菓子と湯島の揚げ饅頭。
風もなく暖かく幸せなお花見でした。

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役立たず

2019-02-27 12:30:20 | 日常

毎年、ヒヤシンスを買っています。


水をやるだけでいいので、ノイバラでも大丈夫❤


玄関やお部屋の芳香剤代わりになります。

 
お花が終わったら、お庭に植えておくと、
翌年くらいまでは立派に咲きます。

 
ご近所のお庭のミカンをいただいたので、
マーマレードにしました。


セロリともやしのナムルをにゃんこカップに入れてみました。
このにゃんこ食器は100均のセリアで見つけたものです。
描かれているにゃんこがにゃんともいえない愛らしさ。

ぽわぽわとした感じがネルに似ているなぁと
いろいろ買いそろえました。


これは「シレトコドーナツ」の猫の日限定のドーナツ。
くまごろんの代わりににゃんこが入っているだけなんですけどね。

猫の日過ぎても売っていてくれたのが嬉しい❤
上野のecute、大好きです。

カルディの猫の日スイーツはうれしかったけれど、
猫の日すぎたらぱっと雛祭りに切り変えるのが気に入りません。
猫派にとっては1年365日が猫の日です。


「フェリシモ猫部」も臨時のショップを出していたので、
愛用のリップを買いました。
赤色のリップ、かわいくて好き。


この日の買い物のうち、一番の「役立たず」。
傘の握り手にくっつけるだけなんです。
たとえば、テーブルに掛けるためとか
そういう役に立つものではありません。

役立たずなところが気に入って、
この日一番の買い物です。


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ピエタ

2019-02-24 21:00:02 | 夢と死

世の中、いつ何どき何が起きるかわからないが、
体験しなくてすむこともある。

一人子を亡くすなんていうのは、
できれば経験したくないことのひとつだ。

しかし、一人子をなくしたのは私が初めてではない。
古よりたくさんの母たちが経験したことだ。
戦争で、病気で、まだ若い子を亡くした母はたくさんいる。

柳原白蓮は息子と娘がいたが、息子が戦死した。
一晩で白髪になったというが、あり得ることだと思った。
それほどの衝撃なのだ。

世界が粉々に打ち砕かれたようだった。
衝撃を受けた直後は何が起こったかわからず、
わかった直後は衝撃に耐えるために叫んだ。
体が引き裂かれるようで、立つことも坐ることもできず、
四つん這いになった。
四つん這いになって叫び続けた。

古代の葬儀に悲しみを表す儀式「匍匐礼」というのが
あると聞いたことがあるが、
四つん這いになって這いまわるのは、
究極の悲しみに耐える姿なのだと初めて知った。

突然、子に死なれていいことなどはないと思うが、
ぼんやりした頭で、戦争などで子をなくした
母の気持ちが理解できるようになった、と思った。
古代の儀式が単なる形式でなかったことを知った。

     *

20年前、父を亡くした。
腎臓病で透析を長くしていたし、
入院させていたので覚悟はしていたが、
それでもおとうさん子だった私には
たいそうなショックだった。

しかし、10代の子の子育て、
夫の事故・病気、私自身の仕事も忙しく、
悲しみにひたる間もなく、
ショックに蓋をしたまま年月がたった。

親の死は乗り越えられるものだ。
半身をもぎとられたように悲しかったのに、
もう今では、父が生きていたことすらおぼろだ。

今回は母たちの介護があるので、
泣く暇もなく保佐人の仕事と介護に奮闘している。

しかし20年の歳月は、私の回復する力を奪った。
体力が子が亡くなる前の半分になった。

直後は3分の1くらいと思ったので、
それよりも回復していると思うが、
仕事への復帰はかなわなかった。

母が退院してから子がなくなるまで2ヶ月、
仕事と母の保佐人の仕事と介護を何とかこなしていたのだ。
目が回るような忙しさだった。
体力も限界に近かった。

あのまま続けていたら、
間違いなく私が病気になっていただろう。

母の認知症も確実に進行していて、
1年前にできていたことがもうできなくなっている。

何よりも辛いのは、忘れるということではなく、
母が母でない人になっていくことだ。

忘れることはメモを書いたり
やり方を工夫すればカバーできる。
しかし、人格の変化は耐えがたい。

かかりつけの先生に、そろそろグループホームを考えては、
と背中を押されて、見学に行った。
「心の傷が深くならないうちに」と言われて、
そうか、そういうことなのかと思った。

順番待ちというので、よさそうなところに申し込んできた。
そこで終末を迎えることはできないが、
認知症専門なので、私のような素人が看るよりも
的確な介護をしてくださるのだと思う。

今日、2度目の保佐人としての報告も終わった。
初めての確定申告も終わった。

すっかり日差しが春めいて、まぶしい。

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胎児は踊る

2019-02-23 23:33:33 | 夢と死

子供には5歳くらいまで胎内での記憶があるという。
20余年前のことになるが、TV番組でやっていたのを見て、
翌日、息子にたずねてみたことがある。

「ママのお腹の中にいた時のこと、覚えている?」

「うん、覚えているよ。」
(あたりまえ、という返事である。)
「ママのお腹の中は暖かでいい気持ちだった。
でも、真っ暗で、お目々を開いても閉じても何も見えなかった。
僕はこういう格好をしていたんだ。」
(と、いわゆる胎児のポーズをしてみせる)
「ママの声も聞こえたし、パパの声も聞こえた。
僕もお話しようと思ったんだけど、
声が出せないことがわかった。
ママの考えていることは、何でもわかったよ。」

「どうやってわかったの?」

「心の中でね、わかったの。」

「今はどう? 今もわかる?」

「ううん、もうわからない。」

「他に覚えていることはない?」

「ママが喋ったり、笑ったり、静かにお勉強していると、
僕うれしくて、手と足をばたばた動かしたりしてね、踊ったんだよ。」

「生まれた時のこと、覚えてる?」

「うん。寒くて、僕ママのお腹の中に帰りたいなぁって思ったの。」

「ママのお腹の中にいたこと、わかっていたの?」

「うん。わかっていた。」

「じゃあ、生まれた時にはママもパパもわかった?」

「うん、お目々は見えなかったけど、
心の中の鏡に映って、誰かが教えてくれたから、
だっこしてくれたのがパパだとわかったの。」

「いつお目々は見えるようになったの?」

「お洋服を着せてもらった時から。」

「体を洗ってもらったこと覚えている?」

「うん。ごしごしするから痛くって。
でも、洗い終わったら気持ちよかった。」

まず、生まれてすぐに私と対面。
それから、ごしごし体を洗われて、
気持ちよくなったところでパパと対面。
服を着せられて、キャスター付きのベッドに寝かされて
新生児室に連れていかれたらしい。

「パパは途中で帰ってしまったので、さびしかった。」
のだそうである。
パパは仕事をお休みしてつきそってくれたが、
陣痛の最中に、「腰をもっと強くさすって」などと
手伝わされて、さすがに疲れたのだろう。

生まれたのが11月8日夜中の11時15分。
明け方に破水して、陣痛促進剤を打ってから
半日近く苦しんでいて、
その間に同室の妊婦さんが次々に出産。
「この波の乗って生んでしまわないと
明日になってしまいますよ~」という
看護婦さんの励ましで、ぎりぎり8日のうちに生まれた。

日付が変わって木曜日。パパは夜更けの道を
きれいなお星さまを見ながら帰ったのだそうだ。

出産直前までツワリに苦しんでいた私に
赤ちゃんがお腹にいる実感はなく、
超音波の画像で見たり、お腹を蹴られたりしても、
「母親」の自覚はあまりなかった。
そんな私の考えていることが、わかっていたとは。

お腹をけられても「元気がいいなぁ」くらいにしか思わなかったが、
嬉しくて動きたくて、踊っていたのだという。
これは犬猫が突然言葉をしゃべりだしたようなショックだった。

ふにゃふにゃと生まれてきた赤ちゃんはただ泣いて
何故泣くかわからない新米ママを困らせたのだけれど、
何でも感じられるのに言葉で伝えられないのが
じれったくて泣いていたのだろうね。

「僕はね、こんな豆粒みたいなのから、
ずんずんって大きくなったんだよ。ママのお腹の中で。」

「どうしてわかるの?」

「心の中でね、わかったんだよ。」

話してしまうと、息子はあくびをして眠ってしまった

胎児の心の鏡に映る、心の中でわかるって
どういうことなんだろう。
しかも、もしそのまま覚えてくれていたら、
性教育なんて必要ない。





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金色の神さま

2019-02-22 22:22:22 | 夢と死


五歳の息子にたずねてみたことがある。

神さまを見たことがある?

うん、あるよ。
神さまはね、金色の長いお洋服着ていて、
手にピカピカ光る剣を持っていて、
キラキラの冠をかぶっていた。

いつ、見たの。

ママのお腹にいた時、夢に見た。

何かお話した?

神さまは「偉い人になりなさい」って言った。


そうか、そうか、偉い人になってくれるのかと
楽しみにしていたのだが、
偉い人についぞなることはなく、息子は死んだ。

あるいは、「偉い人」の意味が、
私たちが考えるのと違ったのかもしれない。

息子は生きている間、私たち家族を大切にし、
職場では先輩や後輩、同僚を大切にした。
わたしたちの誕生日や父の日、母の日には必ず、
その時の経済状態に見合ったプレゼントをくれた。

私がキッチンに立っていると、何も言わずに
洗いものをしたり、盛り付ける皿を出したりして
あたりまえのように助けてくれた。
母子なので、何も言わなくても私の気持ちが
分かってくれるのだろうと思っていたが、
同じようなことを職場でもしていたと
同僚や後輩が話してくれてわかった。

大人になってから一緒に歩いていると
いつも息子は背後にいて、
それはとんでもない安心感だった。

そういうのを、「偉い」といってもいいのかもしれない。
当初の予定の「偉い」を究めたので、
息子は死んでしまったのかもしれない。

突然死んでから、彼はどこに行ってしまったのか、
考えるようになった。

この一年、息子が夢に出てきたのは母の日の一度だけだ。
息子の不在にひたすら耐えた。

一周忌は震えるほどの恐怖だった。
何もせずに家で過ごし、平静をたもった。
葬儀から一年たって、ようやく息をついた。

死後の世界の本も読みふけったが、
あまり深入りすることは避けた。
深入りすると、この世界にいることが
できなくなりそうだった。

その中で、神さまたちと人間の魂は、空の上にいて、
魂は自分で母親を選んで、神さまの許可を得て
生まれてくるのだという話を読んだ。

死んだら「ああ、楽しかった」と
この世での苦しみ多き生に感謝して
また空の上の世界に戻るのだという。

ああ、息子はまた金色の神さまのところへ
戻っていったのだと思った。

楽しく笑いながら、大好きなスイーツを
たくさん食べているに違いない。


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