ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『ニンファ・モデルナ 落ちゆくドレープについて』(森元庸介訳、平凡社、2010.9)
ユベール・ダミッシュやルイ・マランに学んだフランスの美術史家の著作。
この書名はどうしてもヴァールブルクとヨレスの未完の断片”Ninfa Fiorentina”を想起することとなり、したがってこの著者の名著『残存するイメージ アビ・ヴァールブルクによる美術史と幽霊たちの時間』との関連が期待される。
ミシェル・フーコー編著『ピエール・リヴィエール――殺人・狂気・エクリチュール』(慎改、柵瀬、千條、八幡共訳、河出文庫、2010.8)
かつて『ピエール・リヴィエールの犯罪』として訳出されていたものが、新訳改題で出たもの。
19世紀フランスの寒村で自分の家族を殺害するという事件を資料から事件や裁判の結果を明らかにしながら、フーコーをはじめとする多彩な論者が論じていくというもの。フーコーが青年の手記に出会ったことで生まれた論集で、例によって「アルケオロジー」の手法で、犯罪と精神医学の関係について論じていったもの。訳注など最新の成果を期待して是非読んでみようと思う。
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