ストーリー自体は刈り込みすぎて説明不足の感もあるが、いずれにせよ他愛もないもの。90分前後のスクリューボール・コメディにまとめても面白い題材かも知れない。年忘れの一本としてはうってつけの映画だった。ストーリーよりは、むしろ味わい深いカントリーハウスや豪華な邸宅とともにイギリスの美しい田園風景を堪能するための映画なのかもしれない。貫禄のジュディ・デンチ、滑稽なブレンダ・ブレシンとトム・ホランダー、そして何より滋味あふれるドナルド・サザーランドの演技が素晴らしい。キーラ・ナイトレイのヒロインは若干、現代風の解釈か。
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小林秀雄の評価軸はどのようなものか。「モオツアルトを、音楽家中の最大のリアリストと呼びたいのである」と述べる小林秀雄は、その音楽について「単純で真実な音楽」だと断言する。この「単純」さを理解する鍵は「肉体」という言葉にあるだろう。
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