Mey yeux sont pleins de nuits...

読書、映像・音楽の鑑賞の記録など

アドルノとオペラ 2

2009-12-26 23:44:55 | オペラ
 先に「オペラとLPレコード」という文章の中でアドルノが聴き手として想定していたのは、アドルノが『音楽社会学序説』(1962)の中で「エキスパート」と呼んだ特定の聴衆ではないかと書いた。そこでアドルノの聴衆の型の7類型のうち、最後の「無関心な者、非音楽的な者、音楽嫌いな者」を除く6類型を簡単に整理してみる。 . . . Read more

アドルノとオペラ 1

2009-12-06 00:06:00 | オペラ
 レコードやラジオを聴取の退化をもたらすメディアとして批判したアドルノだが、晩年の1969年に書かれた「オペラとLPレコード」では、「長時間にわたる音楽を、その流れを中断することなく、その流れが有している意味の統一性を損なうことなくしっかり固定し記録する」技術によって、LPレコードについては一転して、「自分の都合のよい時間に鑑賞し、研究しようとする聴き手が、あらゆる音楽作品に限りなく真正な姿で接することも可能となろう。」と書き、「革命と呼んでも言い過ぎではない」とまで賞讃している。 . . . Read more