昼休みに本屋で文庫本を渉猟しているとBGMで「バン・バン(BANG BANG)」が聞こえてきた。まるで、小林秀雄の「モーツァルト」のイントロではないか。交響曲40番ではなく「BANG BANG」だ。哀愁漂う懐かしいメロディ。シェールが歌い、その後ナンシー・シナトラがカヴァーしてヒット、さらに最近はタランティーノ監督の「キルビル」でテーマ曲のごとく挿入されていた。だが、歌っているのはシェールでもナンシーでもない。ピアノ・トリオをバックにしたジャズ・シンガーだ。聴いたことがある声。調べてみればこれも懐かしいアン・バートン。アルバム「バートン&バラード」に収録されていた。即購入。
デビューアルバム「ブルー・バートン」(1967年)が話題になり、これは1969年の2作目。70年代始めに日本でも人気者になった。いまでも、CDショップのジャズボーカル・コーナーでは、ブームの白人系女性ジャズボーカリストのさきがけみたいな感じで紹介されている。ジャズを聴き始めた頃は、ジャズは黒くなければいけないと思っていたので、ヨーロッパ系白人ボーカルには血が騒がなかった。頭で聴いていたからかもしれない。これが、いいと思えるのはやはり齢を重ねてからだ。
「BANG BANG」もいいけれど、1曲目「A LOVELY WAY TO SPEND AN EVENING」のささやかな宵の幸福感の歌い方、最後の「HERE THAT RAINY DAY」では、自嘲気味な失恋の歌詞の雰囲気をバートンの声が重くなく、軽くなくブルーに響かせる。雨の季節にぴったりな1曲だ。アン・バートンのいいところは、ドラマチックに歌わないところだ。誰もが声を張り上げて歌いたくなるさびの部分を、その期待を軽くいなしながら、その声には豊かに情感が込められている。で、すっかり気に入ってしまって、最近はこのCDを毎日聴いている。バックもルイス・ヴァン・ダイク・トリオですばらしい。
デビューアルバム「ブルー・バートン」(1967年)が話題になり、これは1969年の2作目。70年代始めに日本でも人気者になった。いまでも、CDショップのジャズボーカル・コーナーでは、ブームの白人系女性ジャズボーカリストのさきがけみたいな感じで紹介されている。ジャズを聴き始めた頃は、ジャズは黒くなければいけないと思っていたので、ヨーロッパ系白人ボーカルには血が騒がなかった。頭で聴いていたからかもしれない。これが、いいと思えるのはやはり齢を重ねてからだ。
「BANG BANG」もいいけれど、1曲目「A LOVELY WAY TO SPEND AN EVENING」のささやかな宵の幸福感の歌い方、最後の「HERE THAT RAINY DAY」では、自嘲気味な失恋の歌詞の雰囲気をバートンの声が重くなく、軽くなくブルーに響かせる。雨の季節にぴったりな1曲だ。アン・バートンのいいところは、ドラマチックに歌わないところだ。誰もが声を張り上げて歌いたくなるさびの部分を、その期待を軽くいなしながら、その声には豊かに情感が込められている。で、すっかり気に入ってしまって、最近はこのCDを毎日聴いている。バックもルイス・ヴァン・ダイク・トリオですばらしい。
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