「青春ジャズ娘」(松林宗恵監督)という70年前の新東宝製作のジャズ映画がある。大学のジャズバンド合戦が物語の中心になっていて、キャストはフランキー堺、高島忠夫、片山明彦、トニー谷、プロ歌手として江利チエミやナンシー梅木、さらにジョージ川口とビッグ4など当時のトップクラスのジャズマンが演奏している、まあ珍品の映画ではある。ちなみにこのDVDは7,8年前に500円で買って1回見たきりだった。
この映画の中でトランぺッターの片山明彦の恋人でジャズシンガーをめざし、対抗戦でクリス・コナーばりの歌唱力と美貌を発揮しているのが新倉美子。彼女自身ジャズシンガーで「ALL OF ME」というたった1枚のアルバムを出している。
たまたまこのアルバムをYouTubeで聴いて、70年前、そう私が生まれた頃に、こんなにクールなジャズシンガーがいたのかと感激しきりだったのだが、そういえば買ったはずだと「青春ジャズ娘」を引っ張り出してきた次第。DVDカヴァーの右側の女性が新倉さん。「しんくら」と読みます。アルバムのメンツは、
トランペット:Bill Berry、テナー・サックス:尾田悟
ピアノ:秋満義孝、ベース:青木喬嗣、ドラムス:バイソン片山
演奏も素晴らしい。ぜひ聴いてみてください。
さらに、新倉さんはあの新国劇の名優辰巳柳太郎の長女なのだそうで、そういえば、国定忠治をTVで初めて見たのは辰巳の忠治だったなあ、とめぐりめぐる縁を思いつつ、「ALL OF ME」を聴いている夜なのであるよ。