ちゅう年マンデーフライデー

ライク・ア・ローリングストーンなブログマガジン「マンフラ」

ハードボイルドな哀愁をウォッカと味わうヘルゲ・リエントリオ

2007年02月02日 | 音楽
 ノルウエーのピアニスト、ヘルゲ・リエントリオの「to the little radio」がいい。タイトル曲は亡命ドイツ人作曲家で、ハリウッドで映画音楽など手がけながら赤狩りで追放され、東ドイツに帰還して作曲活動を続けたハンス・アイスラーの曲。ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムス、フレディ・ハバート ? なんだかかつてのVSOPかな、カーラ・ブレイといったコンテンポラリーな面々の曲と、「amapola」とかコール・ポーターの「so in love」、ハンプトン・ホーズの「sonor」といった佳曲ぞろいなアルバムで、1曲目「grandfathers waltz 」でいきなりしびれてしまう。このエヴァンス好みなジャズワルツのほかは、ほとんどがスローで演奏され、冬の午後にじっくり聴くと、so in love になってしまうのだが、決してセンチメンタルではなく、ずるずるひきずらないハード・ボイルドな哀愁が心地いい。やはりショットグラスでウォッカをキュッとひっかけたくなるのだった。アルバムジャケットも素敵です。

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