ドドメ (桑の実) のこと 2015年05月29日 15時31分52秒 | 日暮らし通信 日暮らし通信日暮 らし通信■□ 撮影場所 □■空堀川沿いにて● 写真の上でクリックしてご覧ください ●桑の木の下でたわわに生るドドメ独りで空堀川沿いを散歩していたら、干上がった川底の近くの河川敷に生えている桑の木の下で、年配のおじさんが何かをしている? 立ち止まって見ていると、背伸びして枝を引きよせては手で何かをしている? 何をしているのだろう? よくよく見るとこの辺りの人が言う 「ドドメ (桑の実)」 を食べているのだ 後ろ姿だから無断で撮らせてもらったが、しきりにドドメを食べている 近くだったら 「美味しいですか?」 と、声を掛けたくもなるが、何回も口に運んでいるから必ず美味しいに違いないが、このおじさんも私と同世代かもしれない 先のプログでも書いたが、戦後の混乱期、甘い物に飢えたこの辺りの子供たちにとってはドドメは格好の果実だった 子供たちはドドメの紅い汁で口周りが真赤になっているのをお互いに見て笑いながら、一心にドドメを食べたものだったが、その甘さは子供にとっては魅力的な宝物のような味わいだった 私はまた歩きだしたが、そのおじさんはまだ桑の木の下から離れられないようだった 空堀川の河川敷には意外と桑の木があって、それも年ごとに大きくなっているが、増水時の妨げにはならないのだろうか? そして今どきにはドドメをたわわに付けている木もたくさんあることを知ったが、何か有効活用できないものであろうか? また違う日には今度は年配のおばさんがドドメをもいで籠に入れているのも見たが、そのおばさんはジャムか果実酒にでもするのであろう しかし、今は飽食の時代。何でも簡単に手に入り、何でも食べることもできるが、あの戦後の食糧難の時代を想い出すと、今は夢の中にいるような錯覚にも陥る どんなに歳を重ねても、あのドドメの甘さは今でも忘れられない ああ、私もドドメを食べたくなった