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鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

鮫川村仮処分5回目審尋 結審まで2回延長 -ご支援のお願い-

2015-04-18 13:02:24 | 仮処分

4月15日(水)地権者の方の仮処分 5回目の審尋が郡山地方裁判所で行われました。その後記者会見で報告がありました。

2015/04/15 【福島】鮫川村―焼却実証実験の停止を求める仮処分 第5回審尋後の記者会見(動画)

鮫川村焼却炉問題連絡会として次の意見を表明しました。


 

私は、仮設焼却炉から2キロに住む者で、自宅は(債権者)Aさんとほぼ同距離に位置しています。しかし私は塙町の人間であるということで焼却炉の建設計画から一貫して排除され続けています。

2012年9月にこの計画を知り、10月に取り組み始めてから丸2年半が経ちました。今県内で仮設焼却炉は19市町村、推定24基が建てられることとなり、このうち13市町村ですでに次々と稼働され、うち2カ所はすでに運転終了となっています。鮫川村はこの7月末にも終了される予定です。

この間環境省のやり方を見てきて、鮫川村に留まらず、同じように卑劣極まるやり方で建設を押し通してきていることが分かりました。

例えば、ただの一度も住民説明会を開いていない相馬市であるとか、県内に仮設焼却炉があるにも関わらずわざわざ香川県の施設を視察旅行したという事例もありました。飯舘村蕨平です。このときは蕨平区長以下何名かを同県直島町の産廃処理施設に連れて行き、バグフィルターの性能を説明して「放射性セシウムより小さなダイオキシンがこんなに取れているから安全です」と言って安心させ、焼却炉を受け入れさせました。

富岡町でも、地区限定説明会を1~2回実施しただけで、住民が反対しても運動が起らないのをよいことにさっさと着工してしまいました。

避難区域では全て住民が避難しているスキを狙うかのように、殆ど説明もせず反対運動がなければ住民が了承したものとして建設しています。

中間貯蔵施設も全く同じです。先週の報道では地権者2300人の半数が所在不明ということが明らかになりました。鮫川村と同じではないでしょうか。呆れてものが言えません。地権者が不明なのに「一時保管場」を設けて「中間貯蔵施設が出来た」と喜んで(汚染廃棄)物を搬入している。茶番としか言いようがありません。

今、環境省の計画に立ち向かっている各地の住民運動をされている皆さんにぜひお伝えしたいと思います。

鮫川村の事例をよく見て下さい。いくら環境省が「必要な施設です、安全にやりますので安心して下さい」「国が責任を持ってやります」

などと体裁の良いことを言っても、この鮫川村で起きていることが実態です。

「地域の皆様にはご負担をお掛けすることになるが、市全体、町全体のためには必要です。復興のためです」

と言いながら、市や町全体には説明しない。これが最大の矛盾であり、デタラメだと思います。

ですので、ここを徹底的に追及していただきたいと思います。都路も、二本松も、双葉も大熊も、県外5県の最終処分場候補地の皆さんにも。

もし環境省が説明しないなら、自分達が受けた説明、そして情報を開示請求でどんどん取って、それを公開して頂きたいと思います。「こういう説明がありました、こういう資料があります、担当者がこういうことを言いました」そうやって、地区限定の問題にしないこと、(市や町)全体に情報を広げて環境省のやり方の酷さを周知していくことが必要だと思います。


<鮫川村焼却炉7月末終了について>

今回7月末までということですが、本来は昨年秋に終了しているはずでした。なぜなら、燃やすものは環境省の発表する450トンではなく240トンしかないからです。

除染対象世帯は、2012年度の時点で170世帯でしたので、これを元に340トンと計算されていましたが、その後反対運動によって計画が延期となり※、いざ本稼働というときに再度線量を測り直したところ、線量が大幅に下がり、最終的に対象世帯は68世帯に減ったため、稲わら類をあわせて240トンという計算になります。

しかし、あまりに早く終わってしまうと7億円の予算をつけた根拠が薄れてしまうため、当初予定していなかった公共施設の除染を行い無理やり除染廃棄物を増やしたのです。しかし、それでも当初の予定であった10月までの分は集められず、今回さらに7月末に短縮されたものと思われます。

今焼却データを見ると、何と90ベクレル台のものから数百ベクレル台のものまで燃やしています。燃やす必要など全くありません。

一方、避難解除地区(小高や都路など)では「線量が下がらないので(避難)解除しないでほしい」と反対していました。そういう汚染の高い地区で(再)除染をせずに、(鮫川村のように)線量の低い所を除染して、不必要に燃やしている。こんな予算の無駄使いは許されません。

結局、実証事業と言っても実証できたのは、爆発した焼却炉の危険性と、(目的は)灰を薄めて10万ベクレルにして既存の管理型処分場に埋め立てる、それだけではないのでしょうか。

今各地で保管されている指定廃棄物が(自然減衰によって)8000ベクレルを切るところが出てきて「指定を解除しよう」という動きが出てきています。解除すれば「一般廃棄物と同じように既存の焼却炉で燃やして、灰が10万ベクレル以下なら一般廃棄物の最終処分場に埋立てられる」と言っています。

鮫川村で実施していることの意味は何だったのか?と思わざるを得ません。(追記:鮫川村の指定廃棄物はわずか28トンしかなく、残り422トンは8000ベクレル以下のものです)

この鮫川村の「実証事業」については、予算も含めて後に徹底検証されなければならないと思います。


※動画では爆発事故も延期の理由に挙げていますが実際には爆発事故前に450トンと発表していました。正しくは上記になりますのでお詫びして訂正します。

 

<お知らせとお願い>

今回で結審のはずだった仮処分の審尋が、7月まであと2回追加されることとなりました。

原告である債権者とご家族の精神的、経済的負担は相当なものとなっています。

私たち支援者のほとんどは被害当事者福島県民であり、人数も少なく、他の活動も数多く抱えているため経済的な御支援がほとんどできておりません。

どうか心ある皆様のご支援をお寄せ頂きますよう心よりお願い申し上げます。

特に地元、鮫川村の皆様からの御支援は、債権者ご本人にとって何十倍もの価値があるはずです。

1000円でも、2000円でも構いません。どうかよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 


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