ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

関口鉄夫先生講演会(1月14日)-2

2013-01-20 04:51:18 | イベント
●農水省データより●

鮫川村の土壌濃度は3~6万ベクレル/㎡とされている。
針葉樹は葉に吸着しやすく、落穂によって汚染が土にも分散される。
広葉樹は汚染が土に集中する。
重量データを見ると下草、落ち葉 12m×12m=445.6キロとなっている。
村全体でいったいどれだけになるのだろう?数千、数万トンになるはずでは?
つまり焼却予定は600トンではないのではないか。600トンはあっという間に終わり、他から持ってくるということになれば、恒久的に燃やすことになるのでは?

現場監督に「基礎コンクリートに鉄筋を入れているそうだね。地盤が弱いからでしょう?そもそも反永続的にやるの?」と聞いてみた。すると、そうではない。地盤もゆるくないと言う・・・
こんなやりとりは意味がなく、本来は環境省がきちんと皆さんに説明することだ。
国がデタラメなら自治体が住民を守らなければならない。ただ国に追随するような首長はリコールすればいい。

●本来あるべき手続きの流れ●

◆自治体の取り組み◆

 環境基本計画 ⇒ 廃棄物処理計画 ⇒ 廃棄物処理施設設置計画 この後にどんな施設が必要かを検討する。

許可申請のフロー
 事業計画協議 ⇒ 地元説明会など
 事前確認手続き
   ↓
一般廃棄物処理施設設置許可申請(環境アセス結果添付)
◎すべて公開 住民参加の委員会に諮問
 広告縦覧 審査会
 などなどを経て ⇒ 許可、着工

 ★3.11後、放射性物質汚染対処特措法でこれらをすべて否定した。

 
●地形図から見た汚染の流れ●


(赤色部分)等高線が開き並行になっていない:なだらかな地形でありどちらへも汚染する。
◆煙突◆ 煙突の役割は、いくらフィルターをつけていてもダイオキシン、重金属など有害物質がとりきれないため、大きな大気の中で少しでも薄めて希釈させるもの。もしこの煙突が低かったらどうなるか?今回焼却炉の煙突はたった6mしかない。煙は周囲の森林に当たり煙突の役割を果たさない。
全国でもほとんどの焼却炉の周囲の樹林は枯死している。

◆帯水層◆ 小さな湧水、沢水が同じ高さの層からあちこちに顔を出している。帯水層があり、掘ればどちらの方向にも流れるということ。

◆除染土砂の保管場所◆
  

断面を見ると、いくつもの穴が帯のように地面に並行に広がっている。腐葉土の少し下に水の流れる道(パイピング)がある。この場所に除染土壌をどんどん埋めていると聞いた。このような場所でこの保管方法には疑問がある。きちんと調べなければならない。

◆セメント固化◆ 町田市の例ではセメント固化焼却灰を地下に埋めた後1~2年でボロボロになった。セメントと言っても、その質に大きな差がある。粗悪なものは「エコセメント」で、無機塩類 重金属などが含まれて使い物にならない。
もしそんなものをここで使ったらどうなるか?事業者は何度℃で、どういう材質で固化するのかなども示さなければならない。

◆逆転層◆
 明け方太陽の光で大気が一列に流れているのが見える。その下に汚染物質が滞留する。酸性物質があると強い酸になるので、吸引すると健康被害が出てくる。

無風状態のとき、排気ガスは排出元の土地に溜まり、沢に沿ってずーっと流れていく。
環境省は過去にある施設からの排ガスによって7キロ先まで臭いがして健康被害が出たという報告書を出している。
揮発性の高分子化合物は条件が合えば10キロ先まで飛散する。
ためしに萱炊きしてみるといい。逆転層による汚染の滞留で人が漬物状態になるのが分かる。気象条件によって滞留条件は変わってくる。
水滴が小さいほど濃度の高い酸になる。酸性霧によって自転車のメッキが剥がれる事例もある。

◆国とゼネコン◆
これまで、都道府県がいい加減な事業をやると住民が環境省に苦情を申し立てたが、環境省は何と言ってきたか?

『個別案件には関わらない』

現場を知り勉強するチャンスを逃している。
ところが今回、高度な汚染(指定廃棄物)は国が責任を持つと言う。
知識も経験も技術もない、現場を知らない人間が一体どんな責任を持つというのか?

技術と運用をゼネコンに丸投げし、コンサル、ゼネコン、メーカーという天下りと一体となって自分たちの都合のいいようにやりたいようにやってきたのではなかったか。

(つづく)


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