ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

関口鉄夫先生講演会(1月14日)-1

2013-01-18 06:39:13 | イベント
1月14日(月祝)

早朝から雪。関口先生がいわき市で講演されるこの日、午前中に焼却炉現場を見て、周辺の測定や実験をすることになっていましたが、生憎の天候で実施を断念。
関口先生には、問題に取り組むようになった10月からご相談に乗って頂いており、11月1日に現地調査および塙町でご講演頂いています。

先生と一緒に工事現場に着くと、作業員がぞろぞろ引き上げていくところでした。
いつものようにゲートを潜り抜け堂々と中に入って行くと、現場監督に「足元が滑るから」と静止されましたが、「大丈夫、大丈夫」とかわして勝手に進むと、親切な現場監督は私たちに何かあっては大変と、後ろからボディガードについてきてくれるのです。心強いなあ。
この監督、因みに白河市から1時間以上かけて通っておられる日立造船の社員さんです。凍てつく寒さの中、殆ど休みも与えられず工期を急かされているそうで、ご苦労様でございます。

凍えそうになりながら、監督と30分くらい話してその場を後にしました。鮫川、北茨城、いわきの方々も合流。

いわきは予想外の雨でしたが中通り、茨城は大雪。何だか変な天候のようです。
そんな中でも、会場は満員の大盛況ぶりでした。

「鮫川村放射性廃棄物焼却施設の建設を考える」講演会
講師 関口鉄夫先生





【動画】もぜひご覧ください

【パワーポイント資料】

(要約)

今回の鮫川村焼却実証実験に際して、次のことを思い出した。
平成10年に廃棄物処理法が改訂され、規制対象となる炉の火格子面積が3000㎡以上になった。これによって前年の平成9年に建設申請ラッシュが起きた。法適用を逃れる2999㎡で申請する業者が続出した。
鮫川村の資料は当初処理能力200kg/時となっていた⇒のちに199kgに手直しされた。
本来はミニアセス、地域への説明を含めて手順を踏まなければならないにも関わらず、こうした脱法行為を環境省自らがやっている
本来なら半分の100kg/時であってもきちんとした手続きを踏み、自治体に範を示すことが法の執行者である環境省の役割ではないか。しかし実際は法を熟知しているからこそ脱法行為をやる。姑息な業者と何ら変わらない。

●工事現場監督の話●
「ここは水源涵養地ですよね」と聞くと、「いや、地下水はなく100mの深さから引っ張っている」と言った。地下水がない?焼却炉を冷やすための井戸を掘ってあるのに? 
ならば、「地質柱状(コア)を見せて欲しい」というと「いや取り置きしていない。」
コアを捨てたなど信じられない。税金を捨てているのと同じだ。
安定水量を得るには地下100mかもしれないが、腐葉土の真下からいくつもの水みちが顔を出しているではないか。いくつもの帯水層があり、豊富な水を蓄える涵養源であることは一目瞭然だ。こういう場所で生活環境影響評価(アセスメント)もせずにやろうとするからデタラメな説明になる。

●実証実験とは何なのか?●
バグフィルターで99.9%放射能カットを実証したいのなら、クリーンルームでやらないと正確なデータは取れない。現場を計ると雪の中でも0.18マイクロシーベルトだった。周囲が汚染された場所で信頼性のあるデータなど取れるものか。
焼却灰を10万ベクレル/kg以下に抑えて管理型処分場で処分する?全く意味がないし不可能だ。
杉の葉、落ち葉、木の枝すべて質、水分量が違う上、助燃剤も使う。灯油は高いので重油にする。重油も優劣あり、質の劣るものは重金属類が出てくる。 

●問題の本質は何か?●
住民が混乱している間にさっさと運用してしまう方法は何か?それはとても巧妙にできている。まず地方自治体を捕まえる。そして集めた放射能ゴミを処理する方法を教えるし、おカネも出すから、これ(焼却炉)を作らせろと言う。そうしたら簡単に(組長が)手を挙げた。そういう市町村は沢山ある。がれき処理についてもそう、過大な焼却炉を作ったものの燃やすゴミがないからとか、そこに交付金がついてくるので飛びついてくる。
組長を釣り上げて住民をだまらせる。むしろこの問題の本質はそんなところではないか。

除染現場で計測していたら、突然ゼネコン連中に取り囲まれた。担当省庁へ電話したら、たらい回しにされた。仕方なく山の線量を図ると車で執拗に追ってきた。そんな除染はあるか?


(つづく)

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