ジョルジョ・ナポリターノ

2006年10月26日 | Weblog
日本共産党が何を考えているかは、よくわからないが、この党は以前より、そして今も、自民党の最大補完勢力だろう。先日の補選において大阪9区で共産党が候補者を立てなければ、民主党が勝って、安倍自民党を1勝1敗にし、増長を少しは止められた可能性がある。

さらに、同日行われた滋賀県栗東市長選の結果に注目したい。この選挙は、東海道新幹線の「南びわこ駅(仮称)」建設の是非など、争点も明確、市民の関心も高かったようだ。投票率も63.93%と、最近の選挙にしてはわりと高めだった。建設推進派の自民党推薦・国松正一氏と、反対派の民主党推薦・田村隆光氏と共産党推薦・杉田聡司氏とが争っていた。結果は以下の通り。

  国松正一(自民)  12,082
  田村隆光(民主)  11,053
  杉田聡司(共産)  5,992  (嗚呼、負け犬の遠吼え日記さん 参照)

共産党が候補者を立てなければ、新幹線の無駄な駅を作らずにすみ、その分の予算を共産党が普段主張している福祉や医療に向けられたのかもしれないに、非常に残念だ。

聞くところによると、このところ『赤旗』の発行部数も漸減しているらしい。国会などではサラ金問題や偽装請負問題などでいい質問を与党に対して行っているし、主張の中には耳を傾ける価値のある事も言っていると思うが、選挙戦略があまりにも稚拙だ。京都や、都市部など共産党の強い地域に立候補者を立てるのはかまわないし、議席を持っている地方議会で活躍している現役議員にはそれなりにがんばって欲しいとは思うが・・・

日本共産党にイタリア共産党の柔軟さを求めるのは無理な注文なのだろうか。ブローディ氏が政権についたイタリアでは、かつての共産党の重鎮で左翼民主党のジョルジョ・ナポリターノ氏が名誉職の大統領になった。

日本で言えば、宮本氏や不破氏が衆議院議長や参議院議長になるようなものかな。保守派の人々からすれば卒倒しそうな事態だろうが、欧州の政治は懐が深いというか、共産党系でも自分たちの現実の政局での価値の高め方を知っていると言う印象がある。

来年の参院選でも日本共産党は独自路線を突っ走るのだろうか。またまた新自由主義にアシストするのか?