さらば菅直人

2006年04月07日 | Weblog
民主新代表に小沢氏 47票の大差で菅氏破る

 民主党代表選は7日、所属国会議員の投票の結果、小沢一郎前副代表(63)が菅直人元代表(59)を破った。小沢氏119票、菅氏72票で47票の大差がついた。「送金指示」メール問題で大打撃を受けた野党第1党の立て直しは小沢氏の「剛腕」に託された。小沢氏は直ちに執行部づくりに着手、10日の両院議員総会で新体制が発足する。挙党態勢の確立に向けた菅氏の処遇が焦点だ。(共同通信)

菅直人氏が三たび民主党の代表に返り咲くことはなかった。選挙前から小沢氏優勢が伝えられていたが、私の予想以上の大差だった。少し複雑な心境だ。私は日本の政治家の中では、毀誉褒貶はあっても菅直人氏には好感を持っていた。既存の野党にあきたらず、市民運動から出発し、社民連という小さな政党を経て、一歩一歩、今日の立場までたどり着いた。従来の利権の絡む自民党的政治には対峙しながらも、かといって旧社会党のような労組頼みでもなく、共産党のように頑迷でもなく、この国の政治を変えようとした30年間の国会議員活動だったと思う。さきがけ時代は、厚生大臣として薬害エイズ事件の解決にも真摯に取り組んだ。氏は鳩山由紀夫氏と民主党を結成した時から、あるていど保守的な議員を抱えながらも、リベラルな中道左派政権を日本ではじめて本格的に構想していたのだと思う。自分の理想とする「最小不幸社会」を実現する為には小異を捨てて大同に着く、日本版のオリーブの木を目指していたと思う。好き嫌いは別としても、野党議員として、彼ほどの存在感のある人は、近年はあまりいなかったのではないだろうか。
小沢氏が代表になって、これから民主党がどうなるかはまだわからないし、菅氏がどう処遇されるかも、今日(4月7日)現在わからない。党首選でTVに写った顔はさすがに少し年齢を感じさせた。多分、政変がなければ、菅氏が民主党の代表につくことはもうないだろう。
民主党はどこに行くのか。菅さん、おつかれさま。首相には、多分なれない。しかし、これからも活躍してほしい。リベラルな政治家の一つの典型を見せ、これからもリベラルな政治家の一つの手本にはなるだろう。若い政治家が総保守化している中、彼に続くのは誰だろうか。有権者に選択枝を与えてくれるのは・・・目ぼしい人はまだいないなあ。菅直人の一つの時代が終わったと考えるのは早計だろうか。