
川口松太郎著「お与津御寮人」
御水尾帝・四辻与津子・文智女王・一絲文守ら歴史上の人物を
著者がそれぞれの性格等を想像して書いた小説であるそうだ。
著者によると、白洲正子さんが文智女王の伝記を貸してくれたことと、
池田弥三郎さんが後水尾さんの正伝を寄贈してくれたこと、
そして北小路功光さんがこの時世の膨大な資料を貸してくれたのがきっかけとある。
東福門院和子を主人公にした小説を読んで、
お与津御寮人にも興味がわいた。
東福門院和子が後水尾天皇に嫁ぐ以前から、後水尾天皇の幼友達で
後水尾天皇のそば近く仕え、皇子・皇女がいたお与津御寮人の一生と
その皇女である文智女王の話。
初めから正史ではないと断り書きがあるが、
お与津御寮人が御所を去って岩倉で暮らす生活のあたりが、
岩倉御所・幡枝御所・のちの修学院離宮などのたたずまいの記述に
大いに楽しませてもらった。
光源氏再来と謳われた猪熊教利が若い公卿たちと
後陽成天皇の寵姫をはじめ禁裏の官女らを誘って大いに羽目を外し、
本人は死罪、官女たちは島流しになった猪熊事件というのが歴史上あるが、
この小説では、その猪熊教利や島流しの一人の官女が実は生きていたという
設定になってお与津御寮人に関わってくるのが面白かった。
私はこの小説を読むまで恥ずかしながら、一絲文守(1608~1646) 定慧明光佛頂国師を
知らなかったのだが、この方も大変美しい僧で、
あまりの美しさに女性たちが寄ってくるのでいつもしかめっ面をしていたそうだ。
まさに仏頂面というのも面白かった。
また、当時の禁裏の御料が一万石で、京都所司代は五万石だったというのにも
ビックリした。
小説といえどもある程度歴史を踏まえて書かれたものは本当に面白く、
あっという間に読めてしまうのも嬉しい♪
御水尾帝・四辻与津子・文智女王・一絲文守ら歴史上の人物を
著者がそれぞれの性格等を想像して書いた小説であるそうだ。
著者によると、白洲正子さんが文智女王の伝記を貸してくれたことと、
池田弥三郎さんが後水尾さんの正伝を寄贈してくれたこと、
そして北小路功光さんがこの時世の膨大な資料を貸してくれたのがきっかけとある。
東福門院和子を主人公にした小説を読んで、
お与津御寮人にも興味がわいた。
東福門院和子が後水尾天皇に嫁ぐ以前から、後水尾天皇の幼友達で
後水尾天皇のそば近く仕え、皇子・皇女がいたお与津御寮人の一生と
その皇女である文智女王の話。
初めから正史ではないと断り書きがあるが、
お与津御寮人が御所を去って岩倉で暮らす生活のあたりが、
岩倉御所・幡枝御所・のちの修学院離宮などのたたずまいの記述に
大いに楽しませてもらった。
光源氏再来と謳われた猪熊教利が若い公卿たちと
後陽成天皇の寵姫をはじめ禁裏の官女らを誘って大いに羽目を外し、
本人は死罪、官女たちは島流しになった猪熊事件というのが歴史上あるが、
この小説では、その猪熊教利や島流しの一人の官女が実は生きていたという
設定になってお与津御寮人に関わってくるのが面白かった。
私はこの小説を読むまで恥ずかしながら、一絲文守(1608~1646) 定慧明光佛頂国師を
知らなかったのだが、この方も大変美しい僧で、
あまりの美しさに女性たちが寄ってくるのでいつもしかめっ面をしていたそうだ。
まさに仏頂面というのも面白かった。
また、当時の禁裏の御料が一万石で、京都所司代は五万石だったというのにも
ビックリした。
小説といえどもある程度歴史を踏まえて書かれたものは本当に面白く、
あっという間に読めてしまうのも嬉しい♪