『令和の民俗学』汐留一郎

日本のグランドデザインを考える

北の図書館

2020-11-26 20:01:00 | 東北
鉛色の空に一筆書きのような青空が出現し掻き消すように雲天に戻る。つい数ヶ月前のねぶたの熱狂は異界の出来事だったろうか。

五所川原正午で5度夕刻には冷凍庫。寒さに慣れている津軽民もさすがにこたえるだろう。

イオンモールつがる柏


大型店舗の進出、高速道や新幹線なら一日で東京にアクセスできる時代となった。雪に閉ざされ10日もお日様を見ず、憂さ晴らしに呑む酒と暇潰し博打に興じた時代も忘れ去られていく。それは何時ぞやではなく、つい先日の話しである。

イオンやマックスバリューは商店街を駆逐した悪の象徴のように言われるが北東北に限ってはそうとも言えない。山間に点在する村々の萬屋は衰退したがこれはモータリゼーションの普及により地方銀行の支店がある町にアクセスできるようになった事も大きい。

北の図書館

「イオンモールつがる柏」にテナントとして入居している公立図書館、隣接してつがる市役所の出張所もある。縄文関係の書籍はさすが地元充実している。平日はリタイア組の老人がちらほら。借りたい本はネット予約できる時代だがわざわざ借りに行く手間と時間はなかなかとれない。その点スーパーはルーチンの行動で毎日行くから隣接する図書館は至極便利。イオンが撤退してもスーパーの後釜は見つかるだろうし

またまた津軽を考える
新鋭作家、三島由紀夫が30代の太宰に噛みつきまあまあと笑ってかわしたという逸話がある。太宰治という人は三島と対極の心情、自分の弱さをこれでもかと曝け出した人だった。読んでてこちらが恥ずかしくなるような内容だ。
太宰は特別変わった人間だったのか。それとも典型的な津軽人であったのか。この津軽という辺境の土地ていつも考える。
人口密度も低く寒さとひもじさで絶望的になることも日常、貧困の苦しみは語りきれない。たとえ東京に「上京」してもその土地の人の香りは消えず何十年も東京にいても「あなた○○の出身ですか」とすぐにわかる。

太宰治にとって呪縛であり誇りであるところの「津軽」
甲州勝沼の葡萄の丘に匹敵する津軽平野の林檎畑・・と鯵ヶ沢のイカ。

鯵ヶ沢

津軽とは
詰まる所、極めて内省的な思考を喚起する土地
だから図書館は思考のおもちゃ箱




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