『令和の民俗学』汐留一郎

日本のグランドデザインを考える

もうひとつの「思えば遠くへ来たもんだ」

2019-01-23 00:31:23 | 東北
相田みつをの書籍と
その師、武井晢應老師の追悼本「華蔵浄巖」


書家相田みつを氏の禅師匠、武井晢應老師
履歴によれば
秋田県雄勝郡羽後町に明治43年出世
大正14年に得度、中を飛ばして
昭和10年角館町雲巌寺住職 高橋舟嶽の室に入りて伝法とある。

ここにも角館が登場する。
曹洞宗雲巌寺。
和賀山塊の麓、白岩という観光コース外だが素顔の角館をしることができる。
確か名だたる剣人の揮毫もあったと記憶している。

羽後町、角館にしても豪雪地帯。
日本海沿岸部のように突風が吹く事はなく内陸部は温かいとも言われるが日照時間の短さ空の重さは深刻である。

「我思う故に我あり」ひたすら思考を積み重ね真実に近づこうとする哲学

「只管打座」ただひたすらに座禅に打ち込む

人の存在理由にアプローチする手段は人の数だけあり、南国の活発なる舞踊にしても同じではないかと考えたりする。

書家相田は長く、関東の寺院に縁あった武井氏に師事、昭和10年代、除雪車もない雪に閉ざされ深閑とした禅堂にて培われた師の哲学を熟成させた。
インターネットで情報がすぐに取り出され自己学習が可能な時代
ただ座り、ひたすら日々反復と師資相承。
敢えて遠回りする必要はないという考えが支配的な現代社会においても
技芸や実践的な哲学、また明石海峡大橋のようなミリ単位の精度を要求される技術の継承
これらは人から人でないことにはロストテクノロジーになってしまう。

何も無い辺鄒の地で向き合う自己、活性化する思考。角館は秋田が生み出したエアポケット。


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