『令和の民俗学』汐留一郎

日本のグランドデザインを考える

小松

2019-04-05 23:00:19 | 北陸
料亭の女中さんに「北國銀行支店は閉鎖したのか」と聞いたところ「きたぐにではなく、ほっこく銀行って読むんだよ」
そんなことはどーでもいいだろ。
きたぐにでもほっこくでも知ったこっちゃない。俺のメインバンクは天下の武富士銀行だ。

日本アルプスを越え北陸へ

やはりこの辺り、難所

新幹線の跨線橋を建設中


小松市内回遊
「空とこども絵本館」

旧警察署を改装したという、内部は絵本のみ、ゆとりのある読み聞かせスペースあり

「小松市住民の人となり」

風が強く砕ける波の音も凄まじいが、これでも穏やかな方だという。老若男女問わず穏やかで無口だが自分の意見ははっきり言う。
やはり重々とした歴史と知識が集積した土地は違う。田舎でも粗野でなく物腰というか語り口にトゲのない分、得をしている。
「能登と金沢と加賀は違うんですよ。商売の付き合いや距離的に京都大阪が近いからよく出かけますけど東京に行きたい人も多いみたい」

小松市は首都圏と比較すればかなりの田舎なのですが大型書店には、これはと言う書籍もある。
もともと古代世界では朝鮮半島経由の支那の文物や人が釣り針のような能登半島に引っかかり先進地域であったことは誰でも知っている。

サイエンスヒルズこまつ

駅前、旧コマツ工場後にあるパビリオン
やはり知的欲求がなければ、こんなカネのかかる施設は作らないだろう。

黒川紀章デザイン「本陣記念美術館」

築後30年も経過しますと随分くたびれて来ます。周囲を取り囲む外堀をイメージした池はポンプ故障により空堀のまま。これからどこの自治体も維持できない施設がどんどん出てくる。

「虎の尾を踏む男たち」
いつもボーっとしていると謙遜しているが細かい心配りをするご婦人たち、金沢は大都会、田舎者と自称するが郷土を誇りにする男たち。
源平どちらが好きかと意地悪な質問をした。
「富樫が一番好き」なんだそうだ。
この土地の住民は義侠心溢れる富樫に何処か通じるものがある。



安宅の関


市役所内九谷焼 勧進帳


日本列島は火山帯や中央構造線など地殻的な線引きに影響されながらも、文化的には東北をハートランドとする東京の縦軸、神武東征から始まる京都大阪を重心とする横軸。そして北海道から北陸、南西諸島と繋がる斜め軸という構造と、四海よりある程度ふるいにかけられた文化が波状的に集積した。斜め軸のほぼ重心上に加賀、北陸があり都とは距離を置き自前の文化を育み、裏日本と揶揄されながらも文化的価値は低下せず、食い詰めもせず高い教育と産業の集積により本州にありながら存在感を示現している。源平どちらと二択を迫られても富樫と即答するバランス感覚、北陸は今後も国土展開の鍵を握ると思う。

「小松の真髄」
日に幾人も使用しないであろう公衆トイレに置かれた一輪の花

豪華絢爛を謳う地域であるが、この繊細な計らい、これが小松の真髄であると思う。嘘ではない、わたしはそういう人たちに沢山お会いした。

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