『令和の民俗学』汐留一郎

日本のグランドデザインを考える

ポストコロナの時代『元から斜陽だったタクシー業界』

2020-05-06 14:47:00 | 日記
金融マンが丸の内でタクシーに乗ったら運転手が当日の為替や債権の動静、株式市況までこと細かく説明したという話しがある。
なんでもつい先日まで肩で風切るディーラーだったらしいのだが大穴を空けて解雇されたらしい。
ウォール街や兜町の厳しさは平時でもドロップアウトは珍しくないが、コロナショックでの失職はタクシー会社でも求人が無い。

タクシーはステテコにランニングで務まる雲助の職業だと言われた時代もあるが昔は確かにガラの悪い連中もいた。
外国人は臭いからお断りと乗車拒否は普通だしメーターを倒さず闇営業も当たり前だった。
しかし今はナビで追跡されるし支払いもカードや電子マネーではチップも入らない。
「お釣りはいいよ」の身入りを含めての収入。非課税だしナビやらIT投資の持ち出しは業界が食い詰める原因のひとつである。
タクシーでひと財産築いた時代は戻って来ない。
わたしなぞは彼女を降車させてから彼女に解らないようチップを渡す男前だが、駅前で一時間も待ってワンメーターなら時給360円、このクソ婆あくらい言いたくなる。

バブル期から暫くは田舎の工業地帯なら隣の飲み屋に行くにもタクシーを待たせたり、深夜の中央高速で新宿から甲府まで社費で帰宅する。最終の鹿児島便に間に合うよう宇都宮から羽田まで試作品をデリバリーしたりITの時代は踏んだり蹴ったりで全然いい思いができない。

待機拘束時間が長いためギャンブルに嵌る。何よりあの座りっ放しの仕事は足が弱り続いて循環器系も耐力がなくなる。夏場のエアコンも全身が冷え込んで体調を崩す。悪いことだらけ。

客の取り合いで社員は仇同士だし「お釣りはいいよ」と渡された一万円札がどうもうんこ臭い、シートに漏らしてやがったとか。

ひと財産二財産築いた時代と違い現在のタクシー業界は全く旨味がない。

まあタクシーは今後も厳しいとは思いますが、ギャンブルの誘惑に負けず、ひとり待機時間に運転席で語学の学習をするとか強固な意志と目的があれば悪くない仕事です。






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