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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

音楽教室と著作権

2017-02-18 07:40:34 | 日記

ヤマハや河合楽器のような楽器メーカーが、学校教育とは違うレベルで音楽文化の普及に果たしてきた功績は、敬意を表するものです。しかし、「音楽文化が廃れてしまうのではないか」という世論の風潮に乗る形で訴訟という拳を振りかざしているとしたら、それはないんじゃないかと。

法廷闘争云々という言葉をお使いになっている以上、こちらも対応する必要がありますので、弁護団と様々な相談をしています。ただ、お互い手間暇かけて世間を賑わしたところで、不毛だと思っています。JASRACとしては、訴訟は全く望んでおらず、話し合いで円満に解決したい。

そもそも、2004年に、名古屋高裁で社交ダンス教室内のレッスンでの音楽利用が、著作権法22条の「公の演奏」に該当することが認められています。最高裁が上告を棄却したことで、確定されているのです。公衆がいる場所であれば、鑑賞しているかどうかは関係ない。また、誰から見て「公衆」かと言えば、運営事業者から見た場合です。生徒さんが1人だけレッスンを受けている場合であっても、それは「公衆」になります。

これは、すでに法曹界での常識と言っていい考え方です。これを覆すということであれば、相当なエネルギーが必要になると思います。


頑張れ岡山!!(地域団体商標)

2017-02-18 07:36:56 | 日記

湯郷温泉(ゆのごうおんせん) 商標登録第5230403号
湯郷温泉旅館協同組合
(岡山県美作市湯郷323番地2)
岡山県美作市湯郷及び岡山県美作市中
山における温泉浴場施設を有する宿泊
施設及び温泉浴場施設の提供
連 絡 先:0868-72-2636
関連HP:http://www.spa-yunogo.or.jp
岡山県美作三湯のひとつ、湯郷温泉の歴史は古く、今から1,200年前の平安時代、慈
覚大師円仁法師が白鷺に導かれ発見したと伝えられる。
別名「鷺の湯」と呼ばれ、全国に知られた名湯です。温泉はナトリウム、カルシウム塩化
物泉で、効能は皮膚病、消化器病、神経痛、リュウマチ、貧血症、婦人病などに効果があ
ります。また、美肌づくりの湯としても女性に人気の温泉です。
権 利 者
指定商品又は指定役務
湯郷温泉


霜降り肉と商標

2017-02-17 09:05:31 | 日記

ブログによれば、先日、明治13年創業の老舗すき焼き店「ちんや」(東京都浅草)が提唱したことで、話題を集めた「適サシ肉」(全体の約30%と適度な脂肪量の霜降肉)。同店がその商標出願を行い、他店でも無料で利用できる名称として運用する方針を明らかにしました。

最近「牛肉は脂肪が多ければ多いほど良い」という考え方が広まり、霜降肉の脂肪量が過剰になったせいで、消費者の“霜降離れ”が発生していると訴えていました。

日本人が霜降肉を重視する傾向が生まれたのは1980年代のこと。日米貿易摩擦の解消を目的に米国産牛肉の輸入規制が撤廃され、畜産業者がその対抗策として、日本で生産しやすい脂肪の多い牛肉を高級品として扱う格付けを導入したのだとか。そもそもは、国際競争を戦うためのアイデアだったわけです。

しかし、その後、牛をあえてビタミンA不足にさせる「ビタミンコントロール」という飼育法が採用されるようになったことで、脂がのっていてもおいしくない霜降肉が出回るように。また、現在、霜降肉とされるロースの脂肪量は平均50%、最高75%にまで達していることも味の低下や胃もたれの原因になっており、消費者が避ける傾向が現れているといいます。一方、「ちんや」が提唱した「適サシ肉」の脂肪量は約30%。

これは1975年ごろの霜降肉の水準に該当し、専門家からも消費者からもおいしいとされるバランスなのだそうです。「使用料を得るより、むしろこの言葉と考え方を普及させたい」という意図から、「適サシ肉」はその条件を守っている店舗が無料で使える表現として活用される予定です。

なお、あくまでも「弊店に以前から見えている、お客様の御口に合う肉を仕入れたい」という動機で始めた取り組みであり「違う個性のお店さんが独自のやり方で繁盛なさることについて、何の意見も持ち合わせません」とのこと。


インドの話

2017-02-16 09:28:04 | 日記

ムンバイ発によればフランスの自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)は、1月に提携したインド財閥CKビルラ・グループの自動車メーカーからインドで有名な国民車「アンバサダー」の商標権などブランドを買い取った。

CKビルラ・グループ傘下のヒンドゥスタン・モーターズがアンバサダーの商標権などをPSAに譲渡したと明らかにした。譲渡額は8億ルピー(約13億6千万円)。アンバサダーは1950年代に登場し、長くインドの国民車として知られてきた。

インドの旧宗主国だった英国譲りの古典的な外観が特徴だが、最近は生産が落ち込み、2014年に生産を停止していた。PSAはCKビルラ・グループと提携し、90年代に撤退したインドに再参入すると発表した。

南部タミルナド州に1億ユーロ(約120億円)を投じて、車両工場などを設ける計画。販売車種は明らかにしていないが、インドで知名度があるアンバサダーのブランド力を利用する可能性がある。商標権売買の一例である。


地方創生

2017-02-15 09:26:23 | 日記

特許庁と中小企業庁は中小企業の知的財産の取得、活用支援で連携を強化する。47都道府県に配置する「知財総合支援窓口」と「よろず支援拠点」の連携について成果目標(KPI)を設定し実効性を確保。

縦割りになりがちな行政組織において知財を“触媒”に、各地域の実情に応じた組織横断的な支援体制を整備する。中小企業の海外展開や技術革新、地域ブランドの創出・保護を支援し、地方創生につなげる。

特許庁の間宮淑夫総務部長と企業庁の高島竜祐経営支援部長が連名で、知財相談支援窓口の実施機関やよろず支援拠点のチーフコーディネーターに連携強化を依頼した。組織をまたいで通達するのは珍しい。

特許庁の「地域知財活性化行動計画」では、連携件数について2015年の700件から19年に1500件に引き上げる方針を掲げる。

いずれも中小企業の経営強化を目的としているが、一部地域で連携が進まず、異例の通達につながったという。行政の横割り支援は珍しい。