ニホンオオカミの正体!

1905年に絶滅したはずなのに、生き残りの噂が絶えないニホンオオカミのことについて考えます。

そもそも。

2011-08-03 14:59:18 | ニホンオオカミ
ひさしぶりに、投稿します。このブログを書いてきて、いろんな方にご意見をいただき、そのうえで、思っていることを書きます。そもそも山犬と呼ばれていた動物をニホンオオカミと呼んだことが問題を難しくしました。オオカミと呼ぶと、どうしてもハイイロオオカミに対してどうかという話になります。(亜種など)でも、この動物の特徴をあげてみると、ハイイロオオカミとは思えないんです。いくつかあげてみましょう。頭骨の神経孔が1つ多い。ストップがほとんどない。口蓋後縁部に突起がなく窪んでいる。聴胞が丸く膨らまない。体型としては前足が短く、背中が亀の甲羅のように盛り上がる。未確認ですが、オスの成獣の口角に黒いスジがあるなど。亜種レベルの変化としてはあまりにも多くの違いがあります。結局この動物はハイイロオオカミの亜種ではなく、別の犬科の動物で、昔から呼ばれていたようにヤマイヌとしたほうが良いと思います。

さて、1910年福井での記録を最後に確認されていないヤマイヌ、残念ながら種としては絶滅です。無論、犬との混血はいると思います。でもそれはヤマイヌの血が入った犬であり、ヤマイヌではないということです。オオカミ犬の説明の中で、オオカミ犬同士をかけていくとどんどん犬に近づいていくそうです。たとえ、両者がhigh%だとしてもです。そして定期的に100%のオオカミを交配しないと、姿が維持できないそうです。ということは、犬の血が入った動物同士が日本の山の中で交配していくと、犬になってしまうということです。最後の記録から100年が過ぎ、もはや手遅れですね。

残念ですが、ヤマイヌに関して我々ができることはもうありません。少し前にニュースになったクローンが成功して、本当のヤマイヌの姿を再現できることを祈っています。そしてちゃんとしたヤマイヌの標本を作って、残さないといけないと思います。
そしてこれ以上絶滅種を出さないように、ツシマヤマネコやイリオモテヤマネコなどの保護にいかしてほしいと思います。

勝手に思っているだけですが。

2011-05-11 15:20:17 | 日本犬
画像は川上犬です。ヤマイヌの血が入っているという話ですが、真相はわかりません。戦後数が減ってしまい、保存に苦労したため、いろんなタイプがいます。(柴犬タイプとヤマイヌタイプ)昔の川上犬は今より大きく、もっと野性的だったそうです。見たところ柴犬とも少し違っているし、地犬の一種ではあるようですが。ただ毛色がおもしろいので一応載せてみました。ニホンオオカミでよく言われる灰粕色ってこんな感じかなあって思いまして!

謎を解くカギは、これか?

2011-05-06 11:07:58 | ニホンオオカミ
長い間、悩んできた謎を解くカギはこれだろうか?下のリンク先に行ってみてください。私が、この文献に注目したのはリカオンがきっかけでした。属のところにもありましたが、リカオンは古い犬科の動物といわれています。そしてリカオンにはニホンオオカミの頭骨の特徴である神経孔が6つあるんです。で、ニホンオオカミとリカオンの先祖は同じ時代に生きていたのでは?という仮説に気づきました。そこに下記の文献を見つけ、ここの古いコヨーテ類、もしくはモスバッハオオカミが、旧、現のリカオンと生きていた年代がかぶっているんです。(現生のハイイロオオカミはずっと後に登場)詳しくは、下記の文献を観てお考えください。私は素人なので、確かめる術はありませんが、ニホンオオカミがハイイロオオカミの亜種ではないという説の有力な情報の1つになると考えました。







http://www.jomon-shiba.com/Library/Ohkami/ohkami_shinka.pdf#search='コヨーテとニホンオオカミ'


この動物の正体は?

2011-05-04 11:02:27 | ニホンオオカミ
この剥製は北海道大学博物館にあります。(エゾオオカミの標本はあるところ)ラベルに、ニホンオオカミとあるそうで、明治初期に京都から仕入れたそうです。特徴としては頭胴長1150mm耳介長90~100mm体高560mm尾長400mm(全てが約mm)で、サイズ的にはニホンオオカミの範疇に合致しているそうです。頭骨はないそうで、ニホンオオカミの研究家の斎藤弘吉氏が昭和11年にこの標本を見たそうですが、頭骨がないため結論が出せていないそうです。(なんで、その後研究を進めず、飾っておくだけにしているのか?)頭骨がないので額段がはっきりついていますが、この動物は何なんでしょうか?ハイイロオオカミの亜種であることがはっきりしているエゾオオカミがここにあるのに、他の亜種?あるいは犬?をわざわざ展示するでしょうか?いわれているニホンオオカミのサイズに合う個体の動物を探してきて展示します?新しいニホンオオカミの標本発見かもしれないのに、何で、放ったらかしにしているんでしょう?研究する人はいないんですかねえ。(怒)

画像はニホンオオカミを探す会からお借りしました。


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ある人がやろうとしていたこと。

2011-04-14 14:46:17 | ニホンオオカミ
和歌山県に村上和潔さんという方がいました。元は中学の理科の教師で趣味は狩猟でした。いろいろな猟犬を見ているうちに、その中に猟能の優れた異形の犬が含まれているのに気がつきました。それがニホンオオカミの血が混じった犬だったそうです。その犬は普通の犬のようにワンワンと吠えず、虎毛で首から背中に長いタテガミがあり、足の裏にまで毛が生えていたそうです。村上さんはこれらの狼犬を集め、もどし交配により、ニホンオオカミに近い犬を作ろうとしたのです。村上さんはこれらの作業を40年にもわたり続けてきて、ニホンオオカミに近い固体を作り上げたそうです。(途中度重なる近親交配によって、病弱、奇形も相次いだそうです)それが、この画像の犬で生後6月で病死したそうです。死後、頭骨をしらべてみると、ニホンオオカミの特徴である神経孔も6つあったそうです。確かに日本在来犬とも全然違いますし、毛色を含めて非常に不思議な犬です。(世故孜さんの著書のニホンオオカミを追うの口絵の狼犬の毛色に非常によく似ていると思うのは私だけでしょうか?)村上さんが集めていたこれらの狼犬が、絶滅種であるニホンオオカミと非常に近いかどうかはわかりませんが、この地方でオオカミだといわれていた犬科動物がこんな動物だったことは間違いありません。この剥製をちゃんと研究して結果って出せないんですかねえ?神経孔を確認したという頭骨は今どこに?あるのであれば他のニホンオオカミの頭骨と比較研究は可能?誰もやらないんだろうなあ。(以上JUNJUNニュースより)

補足、村上和潔さんは「紀伊山中の日本狼」という本を書いておられます。

   (村上さんは、世故孜さんの書かれた「ニホンオオカミを追う」の中にも登場しています)



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記録。(東京大学のメス)

2011-04-14 09:57:56 | ニホンオオカミ
これは、国内にあるニホンオオカミの標本の3体の内の1つ、東京大学にあるニホンオオカミ(メス)です。この豺(サイ。ニホンオオカミの古称)は岩手県産の雌で、上野動物園にて飼育されていました。雌狼が死んだのは明治25年6月24日のこと。死因はフィラリア症とされています。死体を剥製化する前、東京農科大学によって解剖調査が行われました。昔の記録であり、漢字ばかりでイマイチよくわかりませんがリンクを張っておきますので、ご覧ください。

    http://ameblo.jp/wa500/theme-10018760042.html

まあ、この記録というのが今更ニホンオオカミにおいて大きく研究に貢献するとは思いませんが、少なくともこの当時、日本で豺と呼ばれていたニホンオオカミという動物がいて(犬ではない)それが捕らえられ、上野で飼われていて、それが死んだおり、解剖されたという現実的な記録(伝承や、目撃という漠然としたものではない)ということでは意味があるのではないでしょうか?ただこの標本が実際の個体をどれほど表現できているか?という点では期待はできません。写真が残っていないのがはなはだ残念なことです。



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みなさんはどう思われますか?

2011-04-10 08:30:27 | 日本犬
今日は中型日本犬について考えてみるとともに、みなさんの意見をお聞きしたいと思います。中型日本犬は、紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬が天然記念物にしていされていて、他には琉球犬などがいます。中型日本犬は南から台湾、琉球、日本と渡ってきた犬(縄文犬)に朝鮮半島から渡ってきた犬(弥生犬)が交じり合って日本各地に根付いたといわれています。その土地ごとに縄文と弥生の血の比率が違いますが、これはその地方の犬の特色で良いのではないでしょうか。このそれぞれの特色を混ぜて消してしまって中型日本犬を柴犬のように一本化しようという暴論を唱えた人物がいました。私は一時この人物が作ったある保存会に所属していましたが、こういう考え方や自分達の保存会の犬以外は偽者で、他の地方独自の地犬を保存している人々(保存会なり、愛好会なり)を雑種化した犬を集めてどうするみたいな言い方をすることにたいへん失望し、退会しました。そこの保存会の展覧会はとにかく外見の優劣にこだわり、会員の愛犬に対する気持ちを思いやる気持ちがあまり感じられません。(いやになる人が絶対出てくると思いますが)この会が目指そうという方向性も一理はあると思いますが、愛犬家としてここまで偏った考え方の会に身を置くことはできないと思い退会にいたりました。いろんな考えの方があると思います。でも今の現状は日本犬各種に独自の保存会、愛好会なりがあり、その地方独自の犬を残そうという人が存在しているということです。(私はこちらの考えです。)私は四国在住ですが、四国犬にも本川系、幡多系がありまして、その個々の系統を残そうと頑張っていらっしゃる方がいます。美濃柴犬も、山陰柴犬もそうです。私はこれからもそういう活動を応援したいと思っています。

狼爪からわかること

2011-04-04 18:33:09 | ニホンオオカミ
ヤマイヌハイキングさんからご意見をいただきました狼爪について考えてみます。ここで整理しておきたいのですが、狼爪があるから狼だ!ではないということです。なぜなら現存するハイイロオオカミはほとんど狼爪がありません。狼爪=狼ではないということです。狼爪とは退化してなくなるはずの後ろ足の余剰指のことで、古い犬科の動物にあらわれるそうです。日本犬では保存会では嫌われて紀州犬以外は排除の方向にあり、展覧会で見る日本犬にはほとんどいません。画像の狼爪は琉球犬のものです。琉球犬は縄文犬の子孫といわれていて、天然記念物に指定されている他の中型日本犬より古いといわれています。何が言いたいかというと、埼玉の秩父で目撃された犬科動物には狼爪がありました。野犬であるという意見、ハイブリッドウルフ(狼犬)であるという意見等ありますが、そんなに都合のいい様に古いタイプの犬が野生化するでしょうか?現在の日本犬でさえ縄文と弥生が交じり合っていますし、日本に洋犬が入って100年ほど経っているのに!それではこの動物の正体は?ということになりませんか?いろいろな偶然が重なっての先祖返り!というのはあまりにも無理があるでしょう。確かに日本犬は改良があまり加えられていない犬種であり、各保存会の展覧会で好成績を出せない犬を捨てるというのは聞きますが、それとこの動物を結びつけるのは全く意味のないことではないでしょうか。

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なんとかならないものか?

2011-03-09 12:28:32 | ニホンオオカミ
画像はベルリン自然史博物館にある、日本狼の毛皮です。ここには毛皮、頭骨、足の骨もあるようです。1905年に捕れた、最後のニホンオオカミとよばれる、毛皮が大英博物館にありますが、画像がありません。日本にある大昔に作った3体の変な剥製より、海外にある毛皮とか利用して本当のニホンオオカミの姿は再現できないんですかね。全身骨格や毛皮の色、プロポーションなんかは現代の科学ではできると思うんですが、研究のために大英やベルリンに一時的に貸してもらうとか。そんなのも外交になるんじゃないですか?もう絶滅しているから放ったらかしというのではあまりにも!

画像はcanishodophilaxmuseumからお借りしました。

柴犬について。

2011-03-05 09:12:56 | 日本犬
紀州犬について書いたんで、ついでに柴犬のことも書いてみます。ご存知の通り、柴犬は日本犬の中でもダントツに多く飼われています。最近の柴犬はペット用に改良され、昔
各地にいたようないろんなタイプが姿を消していっています。私は、ニホンオオカミのこともそうですが、古い日本犬にも非常に興味があります。展覧会に勝てないからといって、いろんなタイプをなくしてしまうのは反対です。柴犬も信州柴、美濃柴、山陰柴etcなどを独自に保存している人たちがいますが、ぜひとも応援したいです。将来は中型みたいに紀州、四国、北海道、甲斐、琉球みたいに個々に保存できればいいなと思っています。

画像はペット用に多く飼われている普通の柴犬(左)と山陰柴犬(右)です。
山陰柴犬は山陰地方の地犬で、因幡犬と石州犬を祖先に持つ小獣猟に適した柴犬だそうです。