ニホンオオカミの正体!

1905年に絶滅したはずなのに、生き残りの噂が絶えないニホンオオカミのことについて考えます。

ある人がやろうとしていたこと。

2011-04-14 14:46:17 | ニホンオオカミ
和歌山県に村上和潔さんという方がいました。元は中学の理科の教師で趣味は狩猟でした。いろいろな猟犬を見ているうちに、その中に猟能の優れた異形の犬が含まれているのに気がつきました。それがニホンオオカミの血が混じった犬だったそうです。その犬は普通の犬のようにワンワンと吠えず、虎毛で首から背中に長いタテガミがあり、足の裏にまで毛が生えていたそうです。村上さんはこれらの狼犬を集め、もどし交配により、ニホンオオカミに近い犬を作ろうとしたのです。村上さんはこれらの作業を40年にもわたり続けてきて、ニホンオオカミに近い固体を作り上げたそうです。(途中度重なる近親交配によって、病弱、奇形も相次いだそうです)それが、この画像の犬で生後6月で病死したそうです。死後、頭骨をしらべてみると、ニホンオオカミの特徴である神経孔も6つあったそうです。確かに日本在来犬とも全然違いますし、毛色を含めて非常に不思議な犬です。(世故孜さんの著書のニホンオオカミを追うの口絵の狼犬の毛色に非常によく似ていると思うのは私だけでしょうか?)村上さんが集めていたこれらの狼犬が、絶滅種であるニホンオオカミと非常に近いかどうかはわかりませんが、この地方でオオカミだといわれていた犬科動物がこんな動物だったことは間違いありません。この剥製をちゃんと研究して結果って出せないんですかねえ?神経孔を確認したという頭骨は今どこに?あるのであれば他のニホンオオカミの頭骨と比較研究は可能?誰もやらないんだろうなあ。(以上JUNJUNニュースより)

補足、村上和潔さんは「紀伊山中の日本狼」という本を書いておられます。

   (村上さんは、世故孜さんの書かれた「ニホンオオカミを追う」の中にも登場しています)



にほんブログ村 アウトドアブログ 野生生物へにほんブログ村

記録。(東京大学のメス)

2011-04-14 09:57:56 | ニホンオオカミ
これは、国内にあるニホンオオカミの標本の3体の内の1つ、東京大学にあるニホンオオカミ(メス)です。この豺(サイ。ニホンオオカミの古称)は岩手県産の雌で、上野動物園にて飼育されていました。雌狼が死んだのは明治25年6月24日のこと。死因はフィラリア症とされています。死体を剥製化する前、東京農科大学によって解剖調査が行われました。昔の記録であり、漢字ばかりでイマイチよくわかりませんがリンクを張っておきますので、ご覧ください。

    http://ameblo.jp/wa500/theme-10018760042.html

まあ、この記録というのが今更ニホンオオカミにおいて大きく研究に貢献するとは思いませんが、少なくともこの当時、日本で豺と呼ばれていたニホンオオカミという動物がいて(犬ではない)それが捕らえられ、上野で飼われていて、それが死んだおり、解剖されたという現実的な記録(伝承や、目撃という漠然としたものではない)ということでは意味があるのではないでしょうか?ただこの標本が実際の個体をどれほど表現できているか?という点では期待はできません。写真が残っていないのがはなはだ残念なことです。



にほんブログ村 アウトドアブログ 野生生物へにほんブログ村

みなさんはどう思われますか?

2011-04-10 08:30:27 | 日本犬
今日は中型日本犬について考えてみるとともに、みなさんの意見をお聞きしたいと思います。中型日本犬は、紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬が天然記念物にしていされていて、他には琉球犬などがいます。中型日本犬は南から台湾、琉球、日本と渡ってきた犬(縄文犬)に朝鮮半島から渡ってきた犬(弥生犬)が交じり合って日本各地に根付いたといわれています。その土地ごとに縄文と弥生の血の比率が違いますが、これはその地方の犬の特色で良いのではないでしょうか。このそれぞれの特色を混ぜて消してしまって中型日本犬を柴犬のように一本化しようという暴論を唱えた人物がいました。私は一時この人物が作ったある保存会に所属していましたが、こういう考え方や自分達の保存会の犬以外は偽者で、他の地方独自の地犬を保存している人々(保存会なり、愛好会なり)を雑種化した犬を集めてどうするみたいな言い方をすることにたいへん失望し、退会しました。そこの保存会の展覧会はとにかく外見の優劣にこだわり、会員の愛犬に対する気持ちを思いやる気持ちがあまり感じられません。(いやになる人が絶対出てくると思いますが)この会が目指そうという方向性も一理はあると思いますが、愛犬家としてここまで偏った考え方の会に身を置くことはできないと思い退会にいたりました。いろんな考えの方があると思います。でも今の現状は日本犬各種に独自の保存会、愛好会なりがあり、その地方独自の犬を残そうという人が存在しているということです。(私はこちらの考えです。)私は四国在住ですが、四国犬にも本川系、幡多系がありまして、その個々の系統を残そうと頑張っていらっしゃる方がいます。美濃柴犬も、山陰柴犬もそうです。私はこれからもそういう活動を応援したいと思っています。

狼爪からわかること

2011-04-04 18:33:09 | ニホンオオカミ
ヤマイヌハイキングさんからご意見をいただきました狼爪について考えてみます。ここで整理しておきたいのですが、狼爪があるから狼だ!ではないということです。なぜなら現存するハイイロオオカミはほとんど狼爪がありません。狼爪=狼ではないということです。狼爪とは退化してなくなるはずの後ろ足の余剰指のことで、古い犬科の動物にあらわれるそうです。日本犬では保存会では嫌われて紀州犬以外は排除の方向にあり、展覧会で見る日本犬にはほとんどいません。画像の狼爪は琉球犬のものです。琉球犬は縄文犬の子孫といわれていて、天然記念物に指定されている他の中型日本犬より古いといわれています。何が言いたいかというと、埼玉の秩父で目撃された犬科動物には狼爪がありました。野犬であるという意見、ハイブリッドウルフ(狼犬)であるという意見等ありますが、そんなに都合のいい様に古いタイプの犬が野生化するでしょうか?現在の日本犬でさえ縄文と弥生が交じり合っていますし、日本に洋犬が入って100年ほど経っているのに!それではこの動物の正体は?ということになりませんか?いろいろな偶然が重なっての先祖返り!というのはあまりにも無理があるでしょう。確かに日本犬は改良があまり加えられていない犬種であり、各保存会の展覧会で好成績を出せない犬を捨てるというのは聞きますが、それとこの動物を結びつけるのは全く意味のないことではないでしょうか。

にほんブログ村 アウトドアブログ 野生生物へ
にほんブログ村