100年前の「明治の三陸」写真帖 明治の大津波から復興した三陸の姿を伝える

明治45年(1912年)に刊行された「写真帖」掲載の岩手県三陸沿岸の貴重な写真や資料を順次公開

VOL50  明治の三陸名勝 3 「十一面観世音」 (気仙郡猪川村長谷寺)

2014-10-01 09:39:56 | 明治の気仙郡(大船渡市・陸前高田市他)

「十一面観世音/長谷寺」(旧猪川村/現大船渡市猪川)

 現在の長谷寺は小さな寺ですが、歴史は古く、伝承によれば、大同年間(806-810年)に坂上田村麻呂が御堂を建立し十一面観音を祀ったと云われています。

 写真の木造十一面観音菩薩立像がそれで、写真帖の説明にも坂上田村麻呂将軍建立と説明文があります。但しその後の調査により、この十一面観音菩薩立像は鎌倉時代の作と判明し、もう一体の木造如来座像が平泉中尊寺の仏像群より古く東北地方最古級の平安末期の作と判明しています。いずれの仏像も1本の桂を鉈一丁で彫り上げる「鉈彫(なたぼり)」という技法で彫られており、県指定文化財となっています。但し残念ながら通常は収蔵庫に安置され非公開となっています。

 同寺は庇護する者も少なく時代によって盛衰を繰り返していたようですが、昔から気仙郡内の信仰を集めたといい、境内に歴史の深さを感じさせる古碑が多数残っています。

「明治の三陸博覧会」記念写真帳とは?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿