旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

風を感じて! 伊豆スカイラインとZと夏のクラクション

2023-09-30 | 単車でGO!

眼下に駿河湾が弧を描いて煌めいている。
夏の落とし物と、秋の気配を探して、この休日は伊豆スカイラインまで登ってきたのだ。

箱根ターンパイクを駆け上がって大観山展望台。ここで1,000m
碧い芦ノ湖に観光船が滑り、富士が美しい裾野を広げている。
最高気温30度の予想でもここまで登ると風は冷たい。ボクだけがメッシュ地のジャケットで夏のままだ。

玄岳(くろたけ)の尾根をワインディングロードが銀のクレヨンでなぞっている。
大自然の中を走り抜ける爽快な絶景ロードは、伊豆初心者のボクには外せないルートだった。

冷川ICでスカイラインを降りたら、狩野川の谷まで高度を下げる。
天城街道を南進すると「浄蓮の滝」のサインが見えてきた。
深い樹木が生い茂る柱状節理の岩肌に、白く太く流れ落ちる水からキラキラと飛沫が舞う。
けっこうな深さを持っているであろう滝壺は神秘的に碧い。

浄蓮の滝の降り口には伊豆の踊子の像がある。まったくここは観光地なのだ。
私が指差し踊子が見上げるのは天城山だろうか。

R414でさらに狩野川を遡ると10分ほどで天城峠、とは言っても800mの新天城トンネルで抜ける。
旧道はさらに山の上を旧天城隧道が穿っている。

新天城トンネルを抜けると、寄り添う流れは南へと向きを変えている。
上半身を左側に投げ出して、R414は河津七滝ループ橋で一気に高度を下げる。
ループの下に七滝を連ねた河津川は相模湾をめざす。

下田の町を目前に箕作という集落で西に転進すると、婆娑羅峠を越えて西伊豆へ向かう。
駿河湾と出会う松崎はドラマ「セカチュー」のロケ地になった。白と黒のなまこ壁の町にZで紛れ込む。

2つの川の河口に開けた松崎港、潮風が吹き抜ける田舎家風の店できょうのランチ。
じゃこ、ひじき、それに塩辛の小鉢が並ぶと、思わず冷や酒を求めたくなるね。

水色の器に造りが登場、ねぎと生姜をのせてアジが良いね。
分厚い本マグロ、それに真鯛、目鯛、金目鯛が並ぶ、おろしたての生わさびで美味い。
追いかけて炭火で焼いたアジの干物がやってきた。すぅっと箸をとおしてご飯と一緒にかき込んで旨し。

午後は西海岸を北上する。R136は駿河湾の入江と入江をトンネルで繋いで北上していく。
このルートには風光明媚なジオサイトが次から次に現れては流れていく。

もう少し粘れば夕陽を浴びて黄金色に輝く美しい岩肌を見ることができるだろうか。
黄金崎の「馬ロック」の景勝にちょっと寄り道。

彼岸を過ぎて驚くほど急ぎ足で陽が短くなった気がする。
あれだけ暑かった夏が、カーブをひとつ曲がるたびに過ぎ去っていく。

<40年前に街で流れたJ-POP>
夏のクラクション / 稲垣潤一 1983



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2 コメント

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稲垣潤一 (SDTM)
2023-10-12 17:35:26
★ 彼の唄いは大好きです。
  カラオケでも唄います(テレ笑い)
https://blog.goo.ne.jp/sdtm-2/e/b4c86c736e494ba218a35c718abbd650
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思い出のビーチクラブ (呑み人)
2023-10-12 23:36:00
SDTM様、こんばんは。
「思い出のビーチクラブ」もいいですね。
「夏のクラクション」「夏の行方」etc
稲垣潤一さんの曲は、夏の終わりに盛夏の恋を振り返るシチュエーションが好きです。
でも、なかなかこの微妙に高い音域は難しいですよね。
思い出のビーチクラブが十八番だなんて、すごいです。
コメント、ありがとうございます。
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