旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

山あげ祭と八溝そばと東力士と 烏山線を完乗!

2016-07-23 | 呑み鉄放浪記

 キハ40系は、津軽線や江差線、札沼線、そして三角線でも乗った全国区の気動車だ。
懐かしい国鉄色にリバイバル塗装されて、前面には “毘沙門天” のキャラクターが描かれている。

烏山線は東北本線の宝積寺から分岐して那珂川河岸の烏山まで走るローカル線。
宝積寺、大金(おおがね)なんて縁起のいい駅もあって、沿線7駅に七福神をキャラクターとして割り当てている。
起点の宝積寺駅は隈研吾氏のデザイン。天井に貼った針葉樹合板のレリーフが暖かさと軽やかさを表現する。

     

2両編成は超満員、浴衣姿のお嬢さんが乗り合わせたりして、今日が「山あげ祭」であることに気付く。
車内に冷房の設備はなく、扇風機がせっせと首を振って涼風を届けてくれる。

終点手前の滝駅で2両編成を見送る。この駅のキャラクターは “弁財天” 、近くに「龍門の滝」が落ちている。
ここで途中下車するのは、北に1キロほど、清酒 “東力士” 島崎酒造の洞窟酒蔵を訪れるためだ。

 太平洋戦争末期に戦車を製造するために建造された地下工場跡の洞窟は、日本酒を瓶内熟成させるのに
適した自然の貯蔵庫なのだ。延べ延長600m、稀少古酒やオーナーズボトルを貯蔵した洞窟を見学した後は、
試飲スペースで吟醸酒・大吟醸酒の飲み比べ、そして古酒の試飲を楽しむ。

終点の烏山駅前は、あちらこちらからお囃子が聞こえて大賑わい。永禄3年(1560年)、烏山城主が疫病防除、
五穀豊穣、天下泰平を祈願した祭礼の奉納余興「山あげ祭」は、絢爛豪華な野外歌舞伎として今に伝わる。

     

ところで烏山を含めた栃木県東部は、八溝山系の豊かな水と、寒暖の差ができる山間地域で栽培される
香り高い「八溝そば」として評判だ。昭和レトロな老舗「つね屋」さんで “大ざるそば” をいただく。

 先ほど洞窟酒蔵を拝見した島崎酒造さんは嘉永2年(1849)の創業。清流那珂川の伏流水を仕込み水として、
丹精込めた酒造りをされている。“東力士” は二代目が無類の相撲好きであったことから名付けたそうだ。
店内には爽快純吟 “酔夏” なんて、スイカがラベルに描かれた季節のお酒も並んでいる。
っでボクはと云うと、涼しげなマリンブルーのボトル、大吟醸 “吟” 生酒を車中酒に仕込むのだ。

 烏山線には日本初の蓄電池駆動電車EV-E301系が走ってる。愛称はACCUM(アキュム)。
でも室内は全てロングシート、それに「山あげ祭」の人出で発車30分前からつり革につかまるほどの満員だ。
これでは大吟醸酒のスクリューキャップを切れない。定刻、ACCUMはお囃子に見送られて音もなく滑り出した。

烏山線 宝積寺~烏山 20.4km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
明日に向って走れ / 吉田拓郎 1976
     



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (shiho-ibu)
2022-07-23 20:56:25
こんばんは😊✨
わたし、旅の途中さんのファンで愛読者です。
ブログいつも2回は読みます。
文章力の立て方、考え方、書き方が素晴らしいです💖
読んでいると引き込まれます💖

わたしもそこに行っているかのように感じます。そしてきちんと調べ上げて書いているのが素晴らしいです💖
あーわたしの日記ブログとは大違いでなんか恥ずかしい💦😅

毎回楽しみにしてますねぇー😀👋🎵SHIHO
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Unknown (呑み人)
2022-07-24 22:08:07
@shiho-ibu こんばんは。
先ずは退院おめでとうございます。
お身体、調子はいかがですか。
山形ですもの、美味しい果物をいただいて、
温泉に浸かって、整えてくださいね。

拙いブログにお付き合い、ありがとうございます。
過分なコメントをいただき恐縮です。
SHIHOさんより年長ですから、
見聞きしていることが多いだけでしょう。

SHIHOさんも思うままに書けるようになりますよ。
私としては、甲子園応援奮戦記を楽しみにしています。
いつも楽しく拝見しています。
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