旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

東海道紀行5 小田原宿~箱根宿

2018-12-01 | 東海道紀行

09:30「小田原宿」 00:00:00
 "東海道を歩く旅" 第5日目は、小田原城箱根口門跡からスタートする。
天守閣の白壁が初冬の青空に映えている。気温は低め、峠越えには絶好の日和だ。

      

 大久保氏の治世で再興した小田原は、箱根の峠と関所を控えて大いに賑わったと云う。
現在の小田原にその面影が皆無なのは、関東大震災とそれに起因した大火に因る。
早川口の消防署に大きな小田原提燈を見て、次の板橋見附交差点までが宿内だ。 

Navi12-8 板橋見附交差点(斜め右)  旧道を750mでR1に戻る

 

旧道を往くと右手に板橋地蔵堂が在る。境内には集められた石仏群が祀られている。
箱根登山鉄道のガードを潜ると、上板橋交差点でR1に戻る。

 

Navi12-9 君田島踏切(斜め右)  旧道を1.7kmでR1に戻る

Navi12-10 交通安全・箱根町看板(斜め右)  旧道を500mでR1に戻る

Navi13 三枚橋交差点(左折) → <県道732号> → 元箱根港 10.9km

10:50「白山神社」 01:20:00
 三枚橋で早川を渡って旧東海道(県道732号)に入る。とっいきなり急坂のごあいさつ。
今となっては湯本温泉の裏通りを往くと白山神社が在る。この権現様は温泉の守護神だ。

11:05「湯本茶屋一里塚」 01:35:00
 湯本茶屋一里塚は日本橋から二十二番目。その先、馬子たちが一休みした馬立場。
馬の飲み水桶から左手に下る「猿沢石畳」、先行する欧州からのカップルを越して往く。

 

Navi13-2 猿沢石畳(斜め右)  旧道を280m

だらだらとした登り道を3kmほど県道を往く。須雲川を渡ると「女転ばし坂」。
なにやら物騒な名前だが、旅の女性が落馬して死亡した事故ことに因んでいると云う。

 

Navi13-3 割石坂(斜め右)  旧道を280m

      

いよいよ本格的な石畳が登場。「割石坂」には江戸時代の石畳が残る。
曾我兄弟仇討に向かう途中、路傍の大石を試し斬りしたことが名称の由来だ。 

Navi13-4 大沢坂(斜め左)  旧道を600m

 「大沢坂」は坐頭転がし坂とも云われる。
丸石に苔むした石畳は往時を偲ばせてくれる。が、足が滑ることこの上ない。

 

左手に道祖神が現れて県道に戻ると畑宿、間の宿として栄え、茶屋が軒を連ねた。
茗荷屋は茶屋本陣を務めた。明治天皇御駐蹕之碑跡がある。

Navi13-5 畑宿バス停(斜め左)  旧道を290m

12:15「畑宿一里塚」 02:45:00
 軒を連ねる茶屋の外れに畑宿一里塚、日本橋から二十三里目になる。
山中の一里塚は修復を加えつつ両塚が残っている。
直径五間の円形に石積みを築き土を盛った北塚はモミ、南塚はケヤキが植えられる。

Navi13-6 橿木坂(斜め左)  旧道を1.2km 

12:40~13:30「見晴らし茶屋」 03:10:00
 『けわしきこと道中一番の難所なり』とされた「橿木坂」は確かにキツイ。
見晴らし茶屋まで登ると足がブルブル、汗だくだ。
それにしても見事な紅葉と、小田原市街と相模灘の眺望に暫し見惚れてしまう。

 

 行程半ばの見晴らし茶屋で一息。息子のサイダーと乾杯、冷えたヱビスを呷る。
今日の街道めしは "天せいろ"、コシのある蕎麦とカラッと揚がった海老天が美味い。
素朴な田舎の蕎麦ではなく、どちらかと云うと都会の洗練された名店の蕎麦って印象だ。

 

「猿滑坂」を往く。『殊に危険、猿候といえども、たやすく登り得ず』が坂の名の由来。

Navi13-7 追込坂(右折)  旧道を650m

 

13:55「甘酒茶屋」 03:35:00
 猿滑坂から県道に戻って数分、今度の「追込(ふっこみ)坂」は緩やかな登り坂。
甘酒茶屋は江戸初期の創業、萱ぶき屋根と囲炉裏が燻す匂い、江戸時代の風情が愉しい。

甘酒茶屋を過ぎて「於玉坂」を往く。緩やかな登り坂だ。街道はやがて県道を横断する。

Navi13-8 白水坂(直進)  旧道を1.3m

県道732号を横断すると「白水坂」を往く。
皇女和宮の降嫁に際して改修された整った石畳、排水の設備も整っている

途中、展望広場から箱根のシンボル二子山を望むと箱根宿も近い。

「天ケ石坂」を登り切ると鈍くかがやく芦ノ湖が見える。
湖畔に向かって飛び込んでいく石畳は「権現坂」だ。
興福院では台湾のお嬢さんたちがスマホで撮影会中、アニメかドラマの聖地なのだろうか。 

Navi14 元箱根港(左折) → <国道1号> → (沼津)五本松交差点 15.4km

 朱の大鳥居で国道1号線と合流する。
元箱根港の桟橋に立つと芦ノ湖の奥に雪を被った富士の高嶺が覗く。凛として美しい。

 

Navi14-2 葭原久保一里塚(斜め左)  旧道を550m

15:05「葭原久保一里塚」 04:45:00
 湖岸を往くと葭原久保一里塚、日本橋からは二十四里目になる。
ここから箱根杉並木に入る。元和四年(1618年)に川越藩主によって植林されたものだ。

Navi14-3 恩賜箱根公園駐車場(右折)  旧道を300m

「入鉄砲と出女」を取り締まる箱根関所、中山道の碓氷、福島と並ぶ重要な関所だ。
江戸口京口の両門、それに大番所と足軽番所が復元されている。 

15:25「箱根宿」 05:05:00
 箱根関所を無事抜けると箱根宿に入る。その規模は、本陣6、脇本陣0、旅籠36軒だ。
湖畔のリゾート箱根ホテルが「本陣はふや」の跡地になる。
東海道を歩く第5日目は、四里八町の登り坂、意外と歩き辛い石畳に手こずった。
小田原から天下の険を登って芦ノ湖畔の箱根宿まで、5時間05分の行程となった。

小田原宿~箱根宿 16.5km

 さて、今宵は我々も旅籠泊まり。ひと風呂浴びたら男同士で卓を囲む。
酒を酌み交わすのは未だ数年先のことだけど、ジュースと乾杯だって愉しい。 

 
 

"箱根もちぶたと箱根西麓野菜の土鍋蒸し" で腹を満たしたら、いつのまにか高いびき。
明日は伊豆國一宮三嶋大社へ、そして沼津宿をめざす。暫くは富士と駿河湾が道連れだ。

 



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