旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で レッドアローと天覧山と豚みそ丼と

2015-10-03 | 日記・エッセイ・コラム

飯能から乗る秩父線の車両はなんとセミクロスシート、吞む旅にはもってこいだ。
ところがだ、向かいの席に発車間際に駆け込んできた若いお嬢さんに座られてしまった。
本来鼻の下を伸ばすところなんだけど、こっこれは呑みづらいなぁ。

この日、まずはレッドアロー "特急むさし号" に乗車する。秩父まで行かないこの特急はガラガラだ。
吞み人はというと、まず旨い酒を求めて飯能で途中下車するので丁度良い。

飯能を降りたら、入間川と成木川の合流地点、加治橋のたもとに"天覧山" の五十嵐酒造を訪ねる。
流れは澄み、河原にはコスモスが咲いていた。

蔵元で秋季限定の "純米ひやおろし" を求める。
夏を越すことで円熟の味わいになるそうで、柔らかいコクのあるタイプだ。

上品なワンピースに身を包んだお嬢さんがが菓子パンを頬張り始めた。
それでは遠慮なく "純米ひやおろし" を開ける。つまみは "しゃぶりするめ" なのだ。
生酒は冷たいうちに楽しむ。高麗川の流れを車窓に眺めながら、秩父までは45分の旅だ。

終点手前の横瀬駅を出ると、4両編成は大きく不自然なS字を描いて秩父駅に終着する。
後を追うようにレッドアローも到着して、行楽シーズンの西武秩父駅は賑わいをみせる。

駅から5分、人気の豚みそ丼本舗「野さか」の開店前、すでに5~60が列をなす。
店外に流れ出す香りに飢えさせられて待つこと90分、やっと目の前に "豚みそ丼" が着丼。
備長炭で焼いた豚肉に自慢の醤油ダレ、さらに大盛りネギがのって香ばしいね。
美味い。ジューシーな豚みそ焼きを口いっぱいに頬張って、ご満悦な秋の日曜日なのだ。

となりの町のお嬢さん / 吉田拓郎 1975



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