旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

そうだ温泉に行こう! 朝日屋旅館@ “謙信の隠し湯” 関温泉

2013-01-26 | にいがた単身赴任始末記

 スケジュール表が真っ白なこの週末、数冊の新書を携えてひとり温泉を訪ねた。
謙信の隠し湯・関温泉は信越本線関山駅からバスで40分、妙高山系の神奈山の尾根を登る。
 関山駅からの路線バスは1日6往復。生活路線だから時折県道を外れて集落の中を往く。
真っ直ぐに目的地には向かわないのだ。それでも始発から終点まで乗客は私ひとりだ。

寒気が襲来した週末、関温泉はすっぽりと雪の中、谷間の11軒の宿が秘湯の雰囲気を醸す。
小さな温泉街の中程に位置する老舗の朝日屋旅館はやはり雪に埋もれている。

中腹から引かれた源泉は、鉄分と炭酸ガスを多く含み「赤い濁り湯」として知られる。
こんな秘湯にひとりで訪ねる、これが30代の美女なら火曜サスペンスのプロローグだ。
景色を愛でるでもなく、スキーを楽しむでもなく、早速「赤い濁り湯」を堪能する。

宿と地元の酒蔵がタッグを組んだ「にいがた地酒の宿プロジェクト」を始動する。
地域の食材を使ったオリジナル料理とそれに合う地酒を提供するというものだ。

若さんが厨房守る当館は、地の野菜を酒粕で包んで焼き上げた一品、酒の肴としてはgoodだ。
ふろふき大根や鰯とお餅の餡かけなどと美味しくいただく。お酒は勿論 “鮎政宗” とくる。
“純米にごり酒湧水仕込み毘(びしゃもん)” は飲みごたえのある15度の辛口だ。

翌朝、予報に反して青空がのぞく。下界に高田平野、そして日本海を見渡せる。
チェックアウトまで湯を愉しんで、11時過ぎに関温泉を後にする。さて次は何処の温泉へ?



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