旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Osaka メトロに乗って 萌葱色の電車と大阪城とトンペイ焼きと 長堀鶴見緑地線を完乗!

2024-06-15 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

折り返し大正ゆきとなる萌葱色の70系4両編成が門真南駅にやってきた。
一見すると遊園地の電車?と思うような断面積の小さな車両は、日本初の鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄。
首都圏では大江戸線やグリーンラインにもこれと同じ方式が採用されている。

始発駅の長い通路を歩いて2番出口を這い出ると、正面に銀色にかがやくモスラの卵が現れる。
なみはやドームは、1997年の国民体育大会に合わせて造られた競泳、飛込、スケートなどの競技場だ。

振り向くと駅前ロータリーには、チキンラーメンのひよこちゃんと大阪・関西万博のミャクミャクが、
いかにも大阪らしいコテコテのラッピングバスをすり抜け、階段を降りたら長堀鶴見緑地線の旅を始めよう。

ちょっと可愛らしい萌葱色の電車は、独特なモーター音を微かに響かせて門真南駅を出発する。
っが、席も温まらないうちに、最初の停車駅 鶴見緑地で最初の途中下車。

噴水の飛沫に飛び込んで歓声を上げる子どもたちを横目に風車の丘に登る。
花の万博はご存知? 1990年、バブル期に開催されたこの博覧会は、内外から2,300万人の来場者を集めた。

風車の丘の花畑は、春の花から夏の花への切り替え期で寂しい風景だったけど、
お隣のバラ園では大阪の街を見下ろして、約400品種のバラたちが咲き誇り、甘い香りに包まれるのだ。

丘を登って降りて、ひと汗かいてから再び萌葱色の4両編成に乗る。
長堀鶴見緑地線は鶴見通りを西進すると、京橋で向きを変えて外堀の外周を舐めるように玉造まで南下する。
っと大阪のシンボルは観とかないといけないね。大阪ビジネスパークで2度目の途中下車。

青屋門を潜って内濠沿いを極楽橋をやり過ごし、御座船乗船所の先まで回り込む。
呑み人は威圧するかのように圧倒的に巨大な石垣を臨める、この角度からの大阪城が好みなのだ。

休日の大阪ビジネスパーク駅は、近未来的で無機質なホームは閑散としている。
タイミングでたった一人きりになると、この世に一人ぼっちでサバイバルしているような妄想に駆られる。

玉造駅で再び進路を西にとった萌葱色の4両編成は、漸くっと路線名の長堀通りの下を行く。
乗客がすっかり入れ替わるかのような降車客の波に押されて心斎橋駅に3度目の途中下車。
心斎橋筋は人が溢れて、真っ直ぐ歩くことも、追い越して行くこともままならない。

ランチは老舗の洋食屋「明治軒」を訪ねる。
名物オムライスを食べに来たのだけれど、“サービスランチ” に変更。
ケチャップソースの “ポークカツ” とタルタルソースをたっぷりの “エビフライ” が美味しい。

長堀通りを西の果てまで走ったら、今度は南へ転じてドーム前千代崎駅、ここでも若者がどっと下車。
んっとバッファローズのファンには見えないから、興味津々、人の流れに紛れ込んでみる。

ビルの影から京セラドーム大阪、案の定人波はこのドームに吸い込まれていく。
SUPER DRY SPECIAL LIVE Organized by ONE OK ROCK だって、オヤジには分からないロックフェス。
冠スポンサーのスーパードライは知っているけどね。

気を取り直して最後のひと区間を乗車して起点の大正駅に到着。
乗り通せば30分の長堀鶴見緑地線、大阪の風景を切り取りつつ半日がかりの旅になった。

陽が落ちたら再び萌葱色の4両編成に乗って長堀橋駅までやってきた。
心斎橋筋から延びてくる鰻谷北通り鰻谷南通りに賑やかに飲食店が連なっている。
呑み人はふらりと丼彩酒楽 由庵(ゆうあん)という店に飛び込んでみた。

空腹を抱えていたので、今宵はいきなりの “トンペイ焼き”、やはり本場ものは食しておきたい。
豚ロースと野菜をたっぷり玉子に包んで、ソースとマヨネーズで描く紋様は芸術的、粉もんの大阪ですね。

順番が逆だけど、刺身は “活ヒラメ昆布〆” をいただく、これが美味い。
大阪の酒はラインナップになかったので、広島は呉の “雨後の月” を択ぶ。
八反錦で醸した超辛口の純米は、軽快な旨味と鋭く切れる後味がいい。

最後にハイボール片手に “串カツ” をおまかせで盛ってもらって、“豚ヘレ” ってのが美味い。

さてとほろ酔いで心斎橋筋方面に戻るのだけれど、ちょっと気になる酒場やら小料理屋が数知れず。
大阪で呑む旅は飽くことがない。次の出張が待ち遠しいのである。

大阪市高速電気軌道 長堀鶴見緑地線 門真南〜大正 15.0km 完乗

やっぱ好きやねん / やしきたかじん