思考の踏み込み

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黄色8

2014-07-22 00:05:48 | 
さて、ゴッホの絵にはやがて黄色の中に暗い未来を暗示させる様な色が混ざりはじめる。

「カラスのいる小麦畑」


ゴーギャンとの関係性の破綻を機に、彼の繊細過ぎる神経は人間社会において "正常" といわれる基準を満たすことができなくなった。

アルルでの美しき日々もつかの間に、彼はこの世で生きる事を止めた ー 。


もし ー "黄色の精" か何かがいたとしたら、きっと嘆いたであろう。



"私の力は及ばなかった。彼を救うコトができなかったー 。"

だがゴッホは答えるはずである。

" そうじゃない。そうじゃないんだ。
たしかに私はあのアルルでの時代、黄色によって確かに生きているコトを実感していた。
生きる喜びを味わっていた。

その証を私は画によってこの世に刻み、遺す事ができた。

ー たしかに私は黄色によって救われたんだ! "



こんなコトはゴッホは語り残してはいないと?

言葉ではなく、彼の絵が、芸術が語っていることである。
人生という一瞬の火花の様な現象を、この不確かな現世に刻みつけ、永遠たらしめる。

ー 普通、それを成し遂げて世を去る事の出来る人間はごく僅かである。
その意味ではゴッホという、不幸の代名詞の様なこの画家は、極めて幸福な男であったとも言えなくもない。


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