ー 「待て待て、愚か者どもめ!」
と淵明爺さん。
「確かにわしはそういう遊びをしたことがあったが、それは純粋に遊びであって崇高なただの酒盛りじゃ。
ヌシらの如く屁理屈をこねくりまわして、体だの心だの蜂の頭だの、イカのキンタマだの蟻のオチンチンだの、あーでもないこーでもないなんて愚劣なもんじゃないわい!」
…これはどうも話が違う、皆そう困ってしまった。会の主謀者たる "意識" も狼狽している。
そのとき、それまで "形" の後方で静かに端座し控えていたモノが発言した。その声は地を這う様に低く、しかし揺るぎない力強さと他を黙らせる特殊な迫力を持っていた。
「爺さん、俺たちはあんたのファンなんだ。勝手に騒いだ事は大目にみてくれねばならん。」
「ふん、なんじゃ "肚" がおるのか。少しはまともなモノもまざっとるようじゃの。」
じゃが、わしが飲みそこなった菊酒はどうしてくれる ー 少し穏やかになり始めたが淵明はまだダダを捏ねている。
「?」
だが、何かに気付いたらしい。
「…。」
「こりゃ、この、琴の音は "七度の調べ" じゃなかろうかい。まさかやくたいもない現世に舞い戻って、"七度" の響きが聴けるとは思うまいぞ。
だがいったい誰が弾いとるのか?
地上では鳴らせられる類の音でない筈だが…」
そう言って淵明爺さん、一同の輪の少しハズレでずっと琴を爪弾いていた二人に目をやる。
「ああ、魂と魄か。」
彼らならばこの響きも当然か ー。
まあそれなりのモノが参加しとる会のようじゃのう。
それならば仕方あるまい、そう言った淵明はスッと腰を下ろした。
"形" は安堵して言う。
「では、淵明殿…。」
「まずは酒よ。いい酒を用意してあるんじゃろうのう?」
と淵明爺さん。
「確かにわしはそういう遊びをしたことがあったが、それは純粋に遊びであって崇高なただの酒盛りじゃ。
ヌシらの如く屁理屈をこねくりまわして、体だの心だの蜂の頭だの、イカのキンタマだの蟻のオチンチンだの、あーでもないこーでもないなんて愚劣なもんじゃないわい!」
…これはどうも話が違う、皆そう困ってしまった。会の主謀者たる "意識" も狼狽している。
そのとき、それまで "形" の後方で静かに端座し控えていたモノが発言した。その声は地を這う様に低く、しかし揺るぎない力強さと他を黙らせる特殊な迫力を持っていた。
「爺さん、俺たちはあんたのファンなんだ。勝手に騒いだ事は大目にみてくれねばならん。」
「ふん、なんじゃ "肚" がおるのか。少しはまともなモノもまざっとるようじゃの。」
じゃが、わしが飲みそこなった菊酒はどうしてくれる ー 少し穏やかになり始めたが淵明はまだダダを捏ねている。
「?」
だが、何かに気付いたらしい。
「…。」
「こりゃ、この、琴の音は "七度の調べ" じゃなかろうかい。まさかやくたいもない現世に舞い戻って、"七度" の響きが聴けるとは思うまいぞ。
だがいったい誰が弾いとるのか?
地上では鳴らせられる類の音でない筈だが…」
そう言って淵明爺さん、一同の輪の少しハズレでずっと琴を爪弾いていた二人に目をやる。
「ああ、魂と魄か。」
彼らならばこの響きも当然か ー。
まあそれなりのモノが参加しとる会のようじゃのう。
それならば仕方あるまい、そう言った淵明はスッと腰を下ろした。
"形" は安堵して言う。
「では、淵明殿…。」
「まずは酒よ。いい酒を用意してあるんじゃろうのう?」
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