思考の踏み込み

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

黄色14

2014-07-28 00:19:05 | 
例えばシリウスやヴェガなどの星は青白く夜空に光る代表的なものだが、その実際の色はまったく異なる。

だいたい星の色は表面温度で決まる。
シリウスなどは太陽よりもはるかに高温の天体で表面温度は9500℃にも達し
色で言えば本来紫に近い。

(まるで紫の花が咲いているかの様なオリオン大星雲。)


"紫" ー それは赤の情熱と青の冷静の両面を併せ持つ最も複雑で深淵な色である。現代有彩色の中で唯一、まだ開発の余地のある色だとも言われる。

紫外線は物質を変質させる作用を持つが、紫が我々の心理に与える複雑な変化もまたそれに似た要素を感じる。
実際、紫の短い波長はDNAの損傷を修復する作用を持つとさえ言われる。

"紫" が高貴な色とされてきた秘密はこの辺りにあるのかもしれない。

ともかくこの辺りまで来るともはや黄色の要素は完全に姿を消すが、かといって対立もしない。

黄色の無邪気で明るくて騒々しい性質を、"紫" は落ち着き払って大人な態度で静かに見つめる ー 。



さて、そのオリオン座の中のベテルギウス。これなどは赤、それも赤外線に近い赤い星 (赤色超巨星) であるし、ぎょしゃ座のカペラなどは太陽と同じ様に緑の天体だと考えられる。

星空の色彩一つとっても、世界は我々の概念を覆し、いかに我々が見ているモノが極めて狭い範囲で、なおかつ事実と乖離したモノであるかを教えてくれる。

シリウスよりも高温で1000℃を超えてくれば紫外線星となって我々の可視光域を超えた色彩で輝くことになるし、さらに100万℃という超高温となるとX線を放出するX線星、つまりブラックホールとなる。

それは色などは存在出来ない世界である。



全ての光を反射する完璧な黒体、完全無欠の "黒" などは存在しないが、ブラックホールにあえて色を見出すならばそれに近いかもしれない。

だがブラックホールは反射ではなく、光さえも吸収してしまうのであるからやはりそれは黒という "色" にはなりえない ー 。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿